ハロー！Steam広場 第252回：今度のジャンルはポケモンヴァニア！？　仲間モンスターとダンジョンを攻略するRPG「Monster Sanctuary」

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー！ Steam広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを，筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，幕張メッセの穴場休憩スポットを知り尽す上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

　ハロー！Steam広場 第252回は，Moi Rai Gamesが手掛ける「Monster Sanctuary」を紹介しよう。本作は，モンスターを仲間にしてパーティを組み，メトロイドヴァニア風のステージを攻略していくRPGだ。ターン制コマンド式バトルや，装備とスキルツリーを組み合わせたビルド構築などが楽しめる。

4Gamer公式キュレーター

※来週のハロー！Steam広場は，筆者取材のため休載となります。次回の更新は9月20日を予定しています。

モンスターを仲間にしながらメトロイドヴァニア風のステージを攻略していくRPG「Monster Sanctuary」

　アーリーアクセスとは，開発途中のゲームを購入して，デバッガー兼プレイヤーとして参加できる，Steamの販売形態の1つだ。今回はドイツのインディーズ系デベロッパ，Moi Rai Gamesが手掛ける「Monster Sanctuary」を紹介しよう。


　本作は，モンスターを仲間にしてパーティを組み，メトロイドヴァニア風のステージを攻略していくRPGだ。この世界では，モンスターを従える者のことを「モンスターキーパー」と呼び，プレイヤーはその駆け出しとして冒険を始める。憧れの存在であるマスターキーパーを目指しながら，モンスターを使った悪巧みを考えている組織と対峙していくことになるわけだ。
　最初にパートナーとなるモンスターを1匹選び，名前を付けたところからゲームがスタートするといった具合で，ものすごく横着して説明すると，主人公がポケモンマスターを目指してメトロイドヴァニアのステージを攻略していくゲームだ（違う……）。

カエル，キミに決めた！

　本作のステージは横にスクロールしていくタイプで，主に左右への移動とジャンプで進んでいく。それとは別に，連れているモンスターの特殊攻撃を使った謎解き要素も散りばめられており，例えば筆者の選択したカエルであれば，前方に衝撃波を放って壁を壊し，隠された宝箱を見つけるといったことが可能だ。
　ほかにも，鳥タイプのモンスターであれば，滑空によって離れた足場へ行けるし，土タイプのモンスターであれば岩を作り出して足場にできるといった感じで，仲間が増えるたびにステージでのアクションが拡張されていく。


　となれば戦闘もアクションなのかというと，そうではない。たしかに野生のモンスターはステージ上を動き回っているが，そこでリアルタイムに戦うのではなく，接触してエンカウント演出を挟んでから，ターン制のコマンドバトルへと移行する。
　戦闘では，控えにいる6匹のモンスターの中から3匹のモンスターを選んでバトルを行う。各モンスターには属性の得手不得手があり，筆者のパートナーであるカエルは水属性に耐性を持つ反面，炎属性には弱いといった感じになっている。


　また，このゲームのターンは素早さといったステータスを参照しないので，順番は味方チーム→敵チームで固定されている。どのモンスターから行動を始めるかも自由に決められるので，例えばデバッファーに先に行動させて戦況を有利にしてから，強力な技を持つモンスターで攻撃していくなど，いろいろな戦術が試せるわけだ。

攻撃や支援技のヒット数に応じてコンボ数が上昇していき，次に繰り出す技のダメージが上がるという要素もある

　戦闘が終わるとリザルト画面が表示され，「敵の強さ」「掛かったターン数」「削られたHP」「とどめの超過ダメージ（オーバーキル）」という項目により，戦闘の評価が行われる。ここで得た星の数に応じて，ドロップする報酬の質も変わるといった仕組みになっており，その報酬の1つとして戦ったモンスターの卵が手に入ることもある。
　インベントリで選択してこれを孵化させると，新しい仲間としてパーティに加わるので，仲間にしたいモンスターがいる場合は，何度も戦って卵のドロップを狙っていきたい。


　モンスターの中にはチャンピオンと呼ばれる強敵も存在し，戦闘で星5（MAX）の評価を獲得すると，確定で卵をドロップする。チャンピオンと呼ばれているだけあって，初期ステータスも優秀で覚える技もユニークなものが多いので，ぜひとも仲間にしたいところ。ちなみに，チャンピオンはボス扱いなので，一度倒すとステージには現れなくなるが，拠点にいる特定のNPCに話しかけることで何度でも挑戦可能だ。


　モンスターの成長要素は，「装備」と「スキルツリー」の2つに分けられる。装備は「武器」と「アクセサリ」の2種類が存在し，装着することで物理/魔法攻撃力や，体力，クリティカルヒット率といったステータスを底上げできる。
　「スキルツリー」では技の強化が可能で，攻撃力を上げるだけでなく，特殊効果を付けたりもできる。例えばキノコおばけ（筆者命名）であれば，毒爆弾の毒デバフを蓄積させられるようにして，ターンごとのダメージを上げたりと，使い勝手もかなり変化するので，装備と組み合わせてビルドを考えていくのが，とても面白い。


　本作のアーリーアクセスは2020年9月頃まで行われ，ゲームに追加されるコンテンツ量に応じて価格も上がっていく予定となっている。図鑑を見る限りでは，現時点で実装されているモンスターは50種類とやや少なく感じるが，それぞれが独自のスキルツリーを持っていることを考えると，遊びごたえは十分にある。
　日本語は用意されていないが，パブリッシャであるTeam17 Digitalの作品のほとんどで，あとから日本語が追加されているので，本作にも期待が持てそうだ。現状でもモンスターを育てて，より難しいステージに挑むという基本部分はしっかりと楽しめるので，興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。