ハロー！Steam広場 第104回：キューブが弾けるヒットエフェクトが楽しい全方向シューティング「Critical Annihilation」

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー！ Steam 広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを，筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，サバイバルゲームの世界に慣れ過ぎて，現実世界が崩壊してもまったく気付かない上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

　ハロー！Steam広場 第104回は，Devogaが手掛ける「Critical Annihilation」をメインに紹介しよう。キューブで構築された世界を舞台にした本作は，敵や地面に攻撃を当てると，小さなキューブが弾け飛んでいくユニークなヒットエフェクトが心地よい見下ろし視点の全方向型STGだ。このほか，生き物のような武器を抱えて退廃的な世界で戦うFPS「INNER CHAINS」もあるのでお見逃しなく。

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銃弾が当たるとキューブが弾けていくヒットエフェクトが心地よい全方向シューティング「Critical Annihilation」

　アーリーアクセスとは，開発途中のゲームを購入して，デバッガー兼プレイヤーとして参加できる，Steamの販売形態の1つだ。今回はオランダのインディーズ系デベロッパ，Devogaが手掛ける「Critical Annihilation」を紹介しよう。

　本連載の第44回でも一度取り上げた本作は，あらゆるものがキューブで構築された世界を舞台に，プレイヤーが大暴れをする見下ろし視点の全方向型シューティングゲームだ。プレイヤーは，四方八方から押し寄せてくる敵をひたすら銃火器で倒していくことになる。


　この世界に登場する敵は，小さなキューブの塊であるが故にもろく，銃弾を当てる度に身体を構築している小さな粒が弾け飛んでいく。この一風変わったヒットエフェクトが非常に心地よく，ロケットランチャーやグレネードといった爆発物を当てると，キューブと一緒にストレスも爆散していくような爽快感が味わえるのだ。
　また，グラフィックスもなかなかリッチで，キューブの立体感をしっかりと表現しているだけでなく，ピントの絞りがきつめに入る（ので被写界深度が深くなる）ことで，ゲーム全体にミニチュア感が出ている。


　ゲームモードは「Campaign」と「Survival」の2つが用意されており，それぞれにグローバルランキングが搭載されている。Campaignは，ステージ上の敵をすべて倒すと次のミッションに進むといった流れになっており，難度も少しずつ高くなるので，初めてプレイする人にオススメのモードだ。一方のSurvivalでは，プレイヤーが倒れるまで延々と1つのステージを続けることになるうえ，難度上昇のスピードが速いため，慣れている人向けのモードといえるだろう。


　また本作には，敵を倒して経験値を稼ぎ，キャラクターのレベルを上げていくといった成長要素もある。レベルが上がると基礎ステータス（体力，命中率，素早さ，スタミナ，自動回復，シールド）に振り分けるポイントがもらえるほか，提示された3つの特性のうちの1つを習得することでき，ローグライクと違ってキャラクターが死亡しても次回のゲームに引き継がれるのが特徴だ。
　特性の種類はさまざまで，時間の流れを遅くしたり，空爆要請をしたりといったアクティブなものから，敵を倒すとHPが回復するといった常時発動のスキル的なものまで用意されていてる。


　ゲームの表面だけを見ると，頭を空っぽにしてストレス発散できるSTGといった感じだが，グローバルランキングの上位を目指すとなると，繰り返しプレイしてキャラクターを強くしていくといったやり込みが必要なので，意外と奥が深い。加えてステータスの振り直しなどはできないため，どのような方向性でキャラクターを強くしていくかというのは，じっくりと考えることになるだろう。ランキング上位陣はどのステータスを伸ばしてどんな特性を習得しているのだろうか……とても気になる。


　ちなみに公式サイトでは，破壊表現を控えめにした本作のデモ版も公開されている。ただ，本作の大きなウリとなっている部分がフルでは楽しめないため，あまり雰囲気を掴むのには役に立たないかもしれないが，シューティングとしての操作感などは確認できるので，興味のある人はまずこちらに触ってみるのもいいだろう。

「Critical Annihilation」Steamストア（980円）

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生き物のような武器を抱えて退廃的な世界を突き進むFPS「INNER CHAINS」

　「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して，ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回はポーランドのゲームデベロッパ，Telepaths Treeが手掛けるFPS「INNER CHAINS」を紹介しよう。


　生体力学的なアートを前面に押し出しつつ退廃した世界を描き出す本作は，機械なのか生き物なのかよく分からい，まったく新しい構造を持つ生物あるいは物質が存在する地獄のような場所を舞台にした作品だ。ゲーム内に登場する武器やモンスターは，映画「エイリアン」のアーティストとしても有名なH・R・ギーガー氏が得意とするバイオメカニカルアートのテイストを感じさせてくれる。

本作に登場する武器の1つ。攻撃方法によっては生き物のように動くらしい

　Unreal Engine 4で描写される退廃的な世界は，恐ろしげながらもどこか芸術的な美しさが感じれ，その様子は公開されているトレイラーからも確認できる。ちなみに，本作の制作に携わっているのは，かつてCD Projekt REDやEpic Gamesといったトップデベロッパで，AAAタイトルに関わってきたベテランスタッフとのことで，このあたりも注目すべきポイントといえるだろう。


　GREENLIGHTや，現在実施中のKickstarterキャンペーンのページを見ると，ゲームよりも世界観の説明に力を入れているのが分かり，アートワークを見ているだけでもお腹いっぱいになれるはずだ。そのKickstarterでのキャンペーン自体はすでに目標金額に達しており，GREENLIGHTも通過済みなので，あとは2016年第二四半期に予定されている正式リリースを待つのみといったところ。興味ある人はGREENLIGTのページをフォローして，最新情報をいち早く受け取れるようにしておこう。

「Inner Chains」GREENLIGHTページ