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[GDC 2015]「Sunset Overdrive」は,システムやマップを大胆に作り直して「真のオープンワールド」の実現を目指した
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印刷2015/03/04 16:20

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[GDC 2015]「Sunset Overdrive」は,システムやマップを大胆に作り直して「真のオープンワールド」の実現を目指した

 米サンフランシスコで開催中のGame Developers Conference 2015だが,2日めとなる北米時間の2015年3月3日に,レベルデザイナー向けのレクチャー「Level Design in a Day」が行われた。
 その1つが「The Worlds of Sunset Overdrive」(Sunset Overdriveの世界)と題されたレクチャーで,これは2014年10月に世界市場でリリースされた三人称視点のアクションゲーム「Sunset Overdrive」のマップについて,「なぜそのようになったのか?」を解説するものだ。ちなみに,欧米では日本でいうところのマップを「Level」(レベル)と呼び,レクチャーでもその単語が使われていたが,記事内では従来どおりマップと呼びたい。いいですよね。

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Insomniac GamesのLiz England氏
画像集 No.022のサムネイル画像 / [GDC 2015]「Sunset Overdrive」は,システムやマップを大胆に作り直して「真のオープンワールド」の実現を目指した
 講師は,本作のデベロッパであるInsomniac Gamesでデザインを担当したLiz England氏だ。同氏はまず「GREENLIGHT」「RAZOR CITY」,そして「SUNSET CITY」という3種類のマップをスクリーンに映し出した。開発初期段階の本作は,ゾンビのはびこる世界を背景に,プレイヤーがパルクールを駆使して移動し,物資を集めてアイテムを製作したり,ゾンビの攻撃を防いだりするという内容だった。パルクールを使った戦闘要素はなく,あくまでも移動やコレクションの手段なのだ。
 このアイデアを元にデザインされたのが,移動しやすいように低めの建物を並べた小さめの「GREENLIGHT」と,未来都市を思わせる「RAZOR CITY」というわけだ。敵がここから出てくるから,ここで倒してアイテムを拾う。一見,行けなさそうな高所へは,こういう手順で行くなど,ミッションの内容を含めて,さまざまなことが検討されていたという。

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初期のアイデア
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 この基本方針を大きく転換することになったのが,社内で行われた「INTERNAL GAME JAM!」だったとEngland氏は述べた。これは,社内で制作中のゲームをレビューするイベントらしいのだが,そこで「スケートボードは使えないのか」「トランポリンがほしい」といった意見が出たという。
 England氏は,そのアイデアを面白いと思ったそうだが,壁のぼりなどのよくあるパルクールしか考えていなかったので,意見を採用するとゲームデザインからやり直しになってしまう。しかし,おそらく偉い人達も従来のアイデアにあまりピンときていなかったのだろう。ここで本作は大きく舵を切ることになったそうだ。

新たなパルクール要素が付け加えられ,移動方法が検討された
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 パルクールの要素として,しゃがみやジャンプのほかに,壁歩きや滑り降り,綱渡りなど,多くのものが追加され,これを使った移動方法が検討された。そしてまず,マップ「GREENLIGHT」が破棄されることになった。これはもともとテスト用のプロトタイプとして作られたものということもあり,小さくてありふれたマップだったからだ。
 続いて,「RAZOR CITY」が捨てられた。どこが悪かったのかといえば,まず建物の外側の作りが走り回ることを前提に考えられており,数が大幅に増えたパルクール要素にそぐわない。また,デパートやホットドッグ工場など,室内も細かく作られていたのだが,それが災いし「ここでアイテムを拾って,階段をダッシュで上がって……」という具合にルートを想定できるものになっていたのだ。室内を作りこむと,どうしてもオープンワールドらしさが失われてしまう。
 RAZOR CITYのなかでも大きなオブジェクトを置いたラジオ局の内部は,とくにデザイナーの自信作だったようだが,これも新たなパルクールに備えて,なかったことにされたという。

「RAZOR CITY」のさまざまな問題点が挙げられた
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 また,リニアなミッションが多かったのも,オープンワールドらしくなかったとEngland氏は振り返っている。このあたりで「オープンワールドらしいかどうか」が,開発者の重要な判断基準になったようで,レクチャーでも,しばしばその言葉が出てきた。つまり,これまで作られたミッションは,リニアな一本道になっており,決まったルートをひたすら前進するというスタイルだったのだ。そういうリニアなミッションが用意された建物も,「デッドスペース」として取り除かれることになった。

いくつもの要素が大胆に削られていくことに
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リニアなミッションは,オープンワールドのゲームにはふさわしくないという
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かくして,「RAZOR CITY」は破棄されることに

 なんだかサクサク要素が削られていくので,話を聞いていると妙に爽快だが,なぜそんなことになったのか。これについてEngland氏は,マップ制作の関係者が多すぎたことを理由に挙げている。ひとつのマップの制作には,移動ルートを設定する「ワールドビルダー」,建物を作ったり地平線を設定したりする「環境アーティスト」,ミッションを作る「ミッションデザイナー」,そして戦闘を担当する「コンバットデザイナー」が関わることになり,全員が「いっせーの」でバラバラに仕事をしたために,混乱してしまったというのだ。

 かくして本作は,「真のオープンワールド」を目指して開発されることになった。オープンワールドの対極にあるのは,「リニアなマップ」だが,その間には,リニアではあるがマップが広くて自由度が高い,あるいはオープンワールドだが,ストーリーの都合でいけない土地があるなど,いくつかの程度がある。では,最終的に本作はどこまで実現できたかというと,England氏によれば,ゲームに収録された「SUNSET CITY」は,まさに彼女の考える真のオープンワールドに仕上がっているとのことだ。

 肝心の「SUNSET CITY」の特徴はというと……実はこのあたりでレクチャーの時間がいっぱいになってしまい,今回は聞けずじまい。真のオープンワールドを謳うマップがどのようなものかは,実際にプレイして確かめてほしい。

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「Sunset Overdrive」は,本当のオープンワールドのゲームであるという
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「Sunset Overdrive」公式サイト

GDC公式Webサイト

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