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「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」開発陣が楽曲を解説したトークショーの模様をお届け
「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」公式サイト
会場では,去る5月8日にP4Dとのコラボレーションが発表されたオーディオメーカー,DENONのヘッドフォンを使用した体験会のほか,初日となる本日(5月16日)には,P4Dのコンポーザーを務める小塚良太氏と,プロデューサーの宇田洋輔氏,そしてオーディオ評論家の野村ケンジ氏による,P4Dのサウンドをテーマにしたトークショーが特別プログラムとして開催された。本稿では,その模様をお届けしたい。
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会場にはDENONのオーディオアンプ「PMA-50」と,DALI(ダリ)のスピーカー「MENTOR MENUET」が設置され,P4Dに使われた楽曲を高音質で楽しみつつ,それぞれの楽曲にまつわるトークを行うというスタイルで進められた。楽曲とトークの概要は以下のとおりだ。
1曲め:「DANCE!」
視聴した野村氏は「メイン曲だけあって,相当凝ったことをやっているのが分かる」と述べた。宇田氏は,この曲に対してはかなり思い入れがあったとのことで,「作るときは,僕からもいろんなことを提案しましたが,全部無視されました」と小塚氏を見ながら暴露。それに対して小塚氏は「EDM(Electronic Dance Music)的にしてほしいとか,過去のペルソナの曲をすべてつなぎ合わせてマッシュアップ的に作ってほしいとか,無茶なオーダーばかりだったんで」と反撃した。
そして,「看板になる曲なので,“ペルソナらしさ”と,ダンスミュージックが合うジャンルを探したら,1970年代のディスコ&ソウル的なジャンルに結びついた」と続けた。
2曲め:「Signs Of Love(TK Remix)」
小室哲哉氏がリミックスを手がけたということで,野村氏も興味津々だった1曲。
感想は「小室さんのシンセオタクの部分がすごく出ていて,使われている楽器がとてもマニアック」とのこと。
もともとは「ペルソナ4」の主人公の部屋で流れていた曲で,リミックスされた曲を聴いた開発陣は,原曲の印象とかなり異なることに最初は戸惑いを感じたという。小塚氏は「EDM的ではあるけれど,シンセのフレーズなど,細かいところに小室さんらしい色彩が出た面白いバランスで,普通のEDMとはひと味違うと思いました」と賞賛した。
3曲め:「Pursuing My True Self(Shinichi Osawa Remix)」
「ペルソナ4」のオープニング曲を,大沢伸一氏がリミックスしたもの。そのカッコ良さは,野村氏が「これゲームの音楽ですよね」と思わず宇田氏に尋ねるほどで,ベースのサウンドがとくに注目だそうだ。
「(大沢氏本人も含め)天才ベーシストは節ごとに1/16〜1/32拍遅らせたり,前のめりにしたりして弾くことで,独特のグルーヴ感を作れる」とし,実際に本人が生で弾いているかは分からないものの,この曲にはそれが出ているように感じられると話した。
4曲め:「Heaven(Norihiko Hibino Remix)」
ゲームの楽曲なども数多く手掛ける,日比野則彦氏によるリミックス曲。
サックス奏者でもあり,クラブジャズなどでも高名なミュージシャンである日比野氏だけに,そのセンスを発揮できるようなリミックスを発注したとのこと。ほぼバンドの生演奏による録音で,打ち込みとは違う雰囲気が醸し出されている。こうした曲も収録されているP4Dの懐の広さを,野村氏は高く評価した。
5曲め:「Shadow World(DE DE MOUSE shadow swing Remix)」
DE DE MOUSE氏のリミックスで,小塚氏は「今回のリミックス曲の中で,原曲を知っている人は最も意表を突かれる曲」と解説。しかし何度か繰り返し聴くことで,すごくハマれるリミックスだと続けた。
野村氏は「ピアノやパーカッションのキレが,ハイレゾ音源だからこそ感じられる」とし,「(これらの曲がハイレゾ音源で配信されるよう)宇田さんにはがんばってもらいたい」と,ファンの気持ちを代弁した。
6曲め:「Heartbeat, Heartbreak(TOWA TEI Remix)」
いろいろな音が盛り込まれた,カラフルでキレのある,テイ・トウワ氏らしいリミックスだと小塚氏は言う。
野村氏は「かわいらしさも出ていて,ポップながら印象的」と述べた。
この曲に限らず,今回は音楽ゲームとしての広がりを出すため,多様なジャンルのミュージシャンにリミックスの発注を行ったという。独自の世界観を持ったペルソナシリーズの楽曲だが,“ペルソナの音楽”であることに軸足を置きつつも,従来の世界観はさほど意識しないという方向性だったそうで,そのため「曲が完成してくるたびに,スタジオで聴くのが楽しくて仕方なかった」と小塚氏は振り返った。
7曲め:「ジュネスのテーマ(歌入り)」
「エブリデイ ヤングライフ ジュネス♪」のフレーズでおなじみの,キャッチーな曲。もともとは入社したばかりの小塚氏が作曲したもので,それを「フルサイズ版」として歌詞入りで完成させたのが,P4Dに収録されている。ボーカルの黒谷寛子さんは,“歌のお姉さん”的な健全な声質ながら,少しアンニュイな空気も合わせ持つ人だそうだ。
会場からクスクスと笑いが漏れた後半のセリフは,ゲームに登場した声優さんが声をあてており,実はもっとハイテンションなバージョンも収録したそうだが,そちらはボツになったという。
最後に野村氏は,「音楽畑の僕のような人間でも楽しめるのが,このP4D」とし,その声に来場者からの大きな拍手があがった。これらの楽曲が収録されたサントラは現在,P4Dの限定版「オールナイト クレイジー・バリューパック」に同梱されることが決定している。
冒頭にも書いたように,「ヘッドフォン祭2015」は明日も開催される。17日は10:30から,中野サンプラザ6階のD&Mブースで整理券が配布され,11:00〜18:00までP4Dの体験会が行われる予定だ。体験版の内容は2015年5月23日から始まる全国体験会でプレイできるものと同じだが,DENONのヘッドフォンを使っていち早くプレイしたいという人は,ぜひ足を運んでみよう。
- 関連タイトル:
ペルソナ4 ダンシング・オールナイト
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