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[TGS 2014]日本ならではのサンドボックス型アクションRPG「Airship Q」のプロデューサーにインタビュー。その魅力と特徴は
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印刷2014/09/20 12:08

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[TGS 2014]日本ならではのサンドボックス型アクションRPG「Airship Q」のプロデューサーにインタビュー。その魅力と特徴は

 大手ゲーム会社でコンシューマゲームを作っていた人々が,独立して自分の会社を設立し,インディーズゲームとして自分達が作りたいゲームを作る――近年,日本や世界を問わず,しばしば話題になる物語である。
 ミラクルポジティブが東京ゲームショウ2014のインディーズブースでプレイアブル展示している「Airship Q」も,そんな物語の中から生まれたゲームの一つだ。

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 プロジェクトリーダーはスクウェア・エニックスで「エルアーク」を手がけた加藤 拓氏,メインプログラマー/ディレクターはコミュニティーエンジンで環境シミュレーター「gumonji」を作った中嶋謙互氏
 メインデザイナー/コンセプトアート担当が草野裕朗氏「FINAL FANTASY 零式」など),コンポーザーに谷岡久美氏「FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES」など)と,豪華なメンバーが集まっている。
 だが,メンバーが豪華だからといって,ゲームが面白くなるとは限らないのが,ゲーム制作の面白くも難しいところだ。“サンドボックス型アクションRPG”と銘打たれた「Airship Q」は,どんなゲームに仕上がりつつあるのだろうか? 加藤氏と中嶋氏に話を聞くことができたので,その模様をご紹介したい。

エアシップQ



インディーズゲームのサクセスストーリー


エアシップQ
 まず「Airship Q」が,どのような経緯でここまで辿り着いたのかを聞いてみた。

 加藤氏はスクウェア・エニックスで4年間ゲーム開発に携わったのち,独立して現在のミラクルポジティブを旗揚げ。「Airship Q」は,そんな新会社のメインコンテンツ――というわけではなく,「2年半ずっと手弁当で作ってきた」という。
 その後,サイバーエージェントによるクラウドファンディングサービスである「Makuake」で資金調達を開始。目標金額50万円に対し,これを5時間で達成,最終的には126万円に到達する。
 さらに,この勢いと盛り上がりを知ったCygamesから出資のオファーがあり,これによって開発資金7000万円の調達に成功した。社員3人の内職で作られてきた「Airship Q」は,かくして13人のスタッフにより制作されるプロジェクトとなったのである。

 クラウドファンディング開始時点ではWindows版のプレイアブルαが配布されたが,その段階からゲームの完成度はどんどん上がっていき,現状ではPS Vitaをプラットフォームとしてアドホック通信による4人マルチプレイも実装されている。
 そしてついに東京ゲームショウ2014のインディーズブースにてプレイアブル出展,またSCEブースでも試遊ができる(残念ながら東京ゲームショウ試遊版ではマルチプレイ機能はオフ)。なんとも,見事なサクセスストーリーである。


ストーリーがあるサンドボックス


 さて,しかしながらここまではある意味で「事業」の話である。そもそも「Airship Q」は,どんなゲームなのだろうか?

 「Airship Q」をおそろしく乱暴に言えば,「飛行船が出てくるテラリア」ということになるだろうか。基本的にはサンドボックス系のゲームで,「マインクラフト」PC/PlayStation 4/Xbox One/PlayStation 3/Xbox 360/PlayStation Vita/iOS/Android)のように世界を掘ったり斬ったりして素材を集め,自分の好きなものを作ったり建てたりする,そんなゲームである。

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 が,これは「Airship Q」を正しく表現していることにはならない。

 「Airship Q」にはいくつも特徴があるが,中でも大きなポイントは「ストーリーモードを有する」ことだろう。基本的にエンディングがなく,それこそ「何のためにゲームをするのか」というところまでユーザーに委ねられている「マインクラフト」や「テラリア」PlayStation 3/PlayStation Vita/iOS/Android)と異なり,「Airship Q」のストーリーモードには物語があり,「クリア」もある。

Airship Qの登場キャラクター達
エアシップQ エアシップQ エアシップQ

 ストーリーモードでは,プレイヤーは課せられた目標をクリアしていくことがゲームの目的となる(「この場所から脱出せよ」「泉の底に住む賢者に会いに行け」など)。
 が,あくまでサンドボックスゲームなので,「どうやって脱出するか」「どうやって会いに行くか」は,相当なところまでプレイヤーに委ねられている。例えば賢者に会いに行くミッションであれば,うまく泉を干上がらせるなり,堤防を作って水底に降りる道を作ったり,あるいはトンネルを掘って直接乗り込んだりと,方法はさまざまだ。
 あるいは「脱出する」場合は,例えばブロックを再配置して脱出ルートを作ったりするが,それをどう配置していくかはプレイヤーに任されている。ジャンプが苦手なゲーマーであればなるべく平らな道を作っていくべきだし,操作に自信があるなら最小限必要となるブロックで足場を作ればいい(ただし配置したブロックは物理エンジンによる物理法則の影響を受ける点には注意が必要)。
 ストーリーモードは「だいたい25〜30時間」とのこと。十分に楽しめるボリューム感と言えるだろう。

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 また,ドット絵とテキストを主体とした,ちょっとしたイベントシーンも用意されている。このあたりは,スーパーファミコン時代の「ファイナルファンタジー」を想像すると,イメージとして最も近い。実際,加藤氏は「昔のスクウェア・エニックスっぽさを意識した」と語る。

 一方で,ストーリーモードはあくまでも「Airship Q」の一部に過ぎない。
 「Airship Q」にはクエストモードという,別のモードが存在する。これは特定の目的達成を目標としたモードで,マルチプレイはクエストモードにのみ対応している。
 クエストモードでは,4人での競争コンテンツや,いわゆるレイドコンテンツなどを実装予定であるという。また現状では未定だが,マインクラフトで言うクリエイターモード(資源の在庫などを気にせず,ひたすら好きなものを作れるモード)もクエストモードとしての実装を検討しているという。
 クエストモードはDLCとしての展開も考えているとのこと。現状,まずはストーリーモードを完成させること(サンドボックスゲームでシナリオがあるというのは,「無数の解法」と同時に「無数のハマりパターン」があるということだ)と,マルチプレイの安定が目標だという。



快適な操作で,アクションを楽しむ


 「Airship Q」のもう一つの大きな特徴は,アクション性の重視にある。
 「Airship Q」はPS Vitaをプラットフォームとするが,そのインタフェースからは「画面のタッチ」が省かれている。ボタンだけで,すべての操作が可能なのだ。
 操作感覚は良好で,サンドボックスゲームにありがちな「ここに置きたいのに,うまく場所を指定できない」といったイライラはない。「今どのアイテムを使うか」もLRボタンで迅速に選択でき,「一度アイテム画面を開いて,どのアイテムを装備するかを選び,またゲーム画面に戻る」といった面倒臭さは一切ない。
 また画面の拡大縮小がスムーズなのも,遊んでいて快適な部分だ(スライドパッドで拡縮が可能)。これは2Dアクションゲームとしても優れた仕様だが,サンドボックス系のゲームとして「こんな大きなものを作った」というスクリーンショットを撮りやすいというメリットもある。
 このあたりのアクション性,およびインタフェースには相当こだわったと,中嶋氏も語った。

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 また,技術的にもかなり高度なことが行われている。
 先程も少し触れたが,「Airship Q」では物理エンジンによるオブジェクトのコントロールがなされている。このため,例えば支柱によって支えられている床があったとして,ここから支柱を外せば(壊せば),床もまた「抜ける」ことになる。
 これだけでなく,自然環境の変化もまた「Airship Q」では実装されている。例えば地面にドングリを埋めたところに雨が降れば,そこから木が生えてくる。
 こういった環境シミュレーションは,サンドボックス系のゲームでは珍しくはないが,「Airship Q」では実際に画面に描画されていない場所においてもこういった自然の遷移を管理しているという。マップは相当広い(それこそシナリオモードのクリアには25時間程度が必要なくらい広い)ので,これを高いアクション性(≒60FPSで安定して動く画面)と両立させるには,大きな苦労があったという。

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 そのうえで,最後になってしまったが,「Airship Q」の特徴として飛行船――「飛空艇」と言ったほうがより正しいか――がある。
 ゲームを進めていくと,プレイヤーは飛空艇を獲得する。この飛空艇は,構造を自分でデザインできるだけでなく,飛空艇に搭載する帆や大砲といったアイテムも自分でクラフトすることになる。
 またこの飛行艇は,実際のマップ上に存在するオブジェクトで構築された,複数スペースを占める構造体だ。実際の画面写真を見てもらうと話が早いが,つまり,「画面上では1マスの大きさしかなく,管理画面で船をデザインできる」のではなく,世界と船とキャラクターはシームレスにつながっている。そして,マルチプレイとなればこの船が最大4隻登場することになる(巨大戦艦とのチェイスなどが構想されているそうだ)。


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 もちろん,この船だけがクラフト要素というわけではない。地面を掘ったりブロックを積んだりはどこでも可能だし,キャラクターが装備する武器や防具を作ることもできる。

 なお「RPG」とあるので,もしかしてモンスターと戦ってレベル上げするのかと思われるかもしれないが,「Airship Q」においてレベルは「クラフトレベル」として管理される。これはゲーム中に出てくる石像に触れると上昇するという仕組みで,クラフトレベルによって何が作れるかが決まってくる仕掛けだ。

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クラウドファンディングとゲームの関係


 ゲームとしてもすでに完成度の高さを見せつけている「Airship Q」だが,このサクセスストーリーには,実はほかとのちょっとした「違い」がある。

 インディーズゲームがクラウドファンディングで資金を調達し,それが投資を呼び込んだという筋書きは,一見するとインディーズゲームにとって理想の展開の一つだ。
 だが「Airship Q」の制作過程をよく聞くと,この筋書きから連想される行程とは微妙に違っていることが分かる。

 「Airship Q」はまず,PCでテスト版が作られていった。サンドボックスゲームというコンセプトはこの段階からあって,それが選ばれたのはスタッフ達が「それを作りたかったから」だが,その初期においては,必ずしも滑り出し順調とは言えなかったそうだ――なにしろ最初は「船」がなかったという。今となっては「Airship Q」というタイトルのゲームなのにだ。
 PCでテストバージョンを作ってみたが,どうにも面白いものにならず,RTS要素を足してみたり,やはりうまくいかずに作り直してみたりと,2年ほど試行錯誤が続いた。
 そうしてようやく,これなら面白いというバージョンが完成したところで,SCEにそのデモ版をプレゼンしに行ったのである。このプレゼンは好感触で,PS Vitaでリリースしましょう,という話になった。

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 そして,ここで初めて,クラウドファンディングが登場する。「Airship Q」のクラウドファンディングは,ゲームをゼロから作るためではなく,ゲームの完成度を高めていくために行われたものだったのだ(このあたりの逸話はMakuakeの「Airship Q」ページにも詳しい)。

 このことについて加藤氏は,「クラウドファンディングは,いったん始めて動いてしまったら,もうその企画を閉じられない」ことを指摘。ゲームがある程度まで完成し,そのゲームが目指すべきゴールがはっきり見えてから,クラウドファンディングに向かうべきだと語った。
 もちろんゲーム制作の経験値が非常に高ければ,コンセプトアートだけ提示して出資を募るといったことも可能だろう。出資の募集開始時に示したコンセプトやテイストが「実はそれを守っていたらゲームとしてダメだ」と判明したとしても,目標金額に到達してしまったが最後,にっちもさっちも行かなくなる可能性がある,というわけだ。

 むしろクラウドファンディングのメリットとして,加藤氏はまず「ユーザーの声が直接聞ける」ことを指摘する。
 これに加え,いわば「目標にチャレンジするため,舞台裏で頑張っている姿まで見せる」クラウドファンディングという方式は,ゲーマーにその作品を認識してもらう効果があるし,またその記憶が長続きしやすいとも加藤氏は語った。

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 この「知ってもらう」というのは,ゲーム制作のハードルが大幅に下がった今,非常に困難かつ必須の要素となっている。全世界規模で見れば,かつて1年間に作られたゲームの本数に匹敵する数のゲームが,1か月以内にリリースされるのが現代である。
 もちろん大きな資本を使って大々的な宣伝を打てば,相応の認知を得ることは可能だが,それはインディーズゲームにとっては困難を通り越して不可能に近い。クラウドファンディングは,ここにおいて,宣伝としても活用できる,というわけだ。


あくまでもインディーズゲームとして


 さて,いろいろと話は大きくなったが,それでも「Airship Q」の根底はインディーズゲーム,つまり「作りたいから作った」ゲームである。

 これは実際,「Airship Q」の随所に現れている。例えば「Airship Q」がドット絵で作られている背景には,加藤氏のドット絵に対するこだわりがある。
 加藤氏が経営する会社,ミラクルポジティブは「エルダーサイン」(BROWSER/iOS/Android)という,いわゆるカードバトル系のソーシャルゲームも作っているが,この作品も積極的にドット絵が採用されていたりするのだ。

 このことについて加藤氏は,「ノスタルジーだけでドット絵を選んでいるのではない」と語る。その根底には,「自分達が子供の頃に楽しんできたゲームの表現が,3D化されることなく,2Dのまま進化していったらどうなったのか」という疑問があるというのだ。
 そして,ゲームを作る立場になった今,その「かつて楽しんだゲーム」が「そのまま先に進んだ姿」を実現できる。ドット絵に対する加藤氏のこだわりの背景には,そんな思いがある。

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 こういった思いは,もちろん中嶋氏にもある。「マインクラフト」より先に環境シミュレータ「gumonji」を作っていた氏は,やはりサンドボックスというゲーム形式に強いこだわりがある。
 しかしながら,中嶋氏に「マインクラフト」が大ヒットしたことに悔しさを感じるかと聞いてみたところ,そんなことはない,と言う。むしろ「マインクラフト」はサンドボックスゲームという世界を広げてくれた作品であり,こういったゲームを愛好するファンを大幅に増やしてくれた。
 かつてはゲームのコンセプトを伝えるのも一苦労,どう面白いのかを伝えるとなるとさらに苦労が重なったサンドボックスというスタイルは,「マインクラフトのような」の言葉で簡単に伝わるようにもなった。
 こういった「マインクラフトが領域を広げてくれた」ことに対し,中嶋氏は感謝の念を抱いているという。ヒットするかしないかにおいて重要なのはタイミングであり,そして「マインクラフト」は,もう一度サンドボックスゲームがヒットするタイミングを作ってくれたのだ。

左:中嶋謙互氏 右:加藤 拓氏

 そのうえで,もちろん「Airship Q」は「マインクラフト」ではないし,「テラリア」でもない。それらのゲームにない高いアクション性を持つし,何より2Dのサンドボックスゲームとして非常に優れたインタフェースを有している。「PS Vita版のテラリアを楽しんだけれど,操作で苦しんだという人にこそ,遊んでほしい」という中嶋氏の言葉には,実際にプレイしてみた筆者も強くうなづける。

 さて,かように作り手の熱い思いがこもった「Airship Q」だが,リリースの正式な日程はまだ決まっていないとのこと。「だいたい2014年末〜2015年始め」というのが,加藤氏の言葉だ。
 ストーリーがあるサンドボックスゲームという,ある意味で日本ならではの作品,しかも非常に丁寧に作りこまれたプレイ感覚は,東京ゲームショウ2014でも海外出展者の注目を集めていた(すでに10か国語へのローカライズが予定されているらしい)。ここはぜひ,年末年始に期待して,PS Vitaの準備を万端にしておきたいところだ。

「Airship Q」公式サイト

4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト

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