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[GDC 2015]エンジンとツールがないなら自作しよう。「World of Tanks Blitz」ローンチまでの道のりを開発者が振り返る
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印刷2015/03/06 18:25

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[GDC 2015]エンジンとツールがないなら自作しよう。「World of Tanks Blitz」ローンチまでの道のりを開発者が振り返る

World of Tanks Blitz
 Wargaming.net(以下,Wargaming)がサービス中のモバイル向け戦車アクション「World of Tanks Blitz」iOS / Android)に関するレクチャー,「World of Tanks Blitz Postmortem: Building a AAA MMO for Mobile Devices」(World of Tanks Blitz回顧録:モバイルデバイス向けAAA MMOゲームの作り方)が,開催中のGame Developers Conference 2015で行われた。なお同作の日本サービスは,iOS版が2014年6月26日に,Android版が12月4日にそれぞれ始まっている。

Wargamingのモバイル部門でテクニカルディレクターを務めるVitaliy Borodovsky氏
 登壇したのは,Wargamingのモバイル部門でテクニカルディレクターを務めるVitaliy Borodovsky氏だ。氏は「タイトルに『Building a AAA MMO for Mobile Devices』とあるが,そんな秘訣は誰も知らないだろうし,自分も知らない」と軽く笑いをとりつつ,「なので,我々が何をしてきたかを語りたい」と,話を始めている。

 World of Tanks Blitzのプリプロダクションが始まった段階で,スタッフの数は約25人と,Wargamingにしてはかなり小規模なチームだったとBorodovsky氏は当時を振り返っていた。どういうゲームにすべきかについては,例えばシューターなのか,あるいはコアなタンクゲームなのか,操作方法はどうするのかといった具合に,さまざまな議論が交わされたもののまとまらず,良い処方箋もない。
 で,どうなったかというと,結局は,「自分達が面白いと思うなら,プレイヤーも面白いと思ってくれるはずだ」というシンプルな判断基準が採用されたのだそうだ。最初からあまりいろいろ考えても仕方ない,ということだろうか。

開発初期のアイデア。もちろん,軽い冗談だ
World of Tanks Blitz

 さて,World of Tanks BlitzではWargaming独自のゲームエンジンが使われている。しかも,Wargamingらしいことに,それらはツール類を含めてオープンソースになっており,誰でも使用可能だ。ゲームエンジンとツール類はマルチプラットフォームに対応しており,iOSやAndroidだけでなく,Windows 8.1とMac OS Xでも利用できるとのことである。
 World of Tanks Blitzの開発段階では,Unityなど既存のゲームエンジンを検討したものの,なかなか希望に沿うものがなく,最終的にフルスクラッチすることになったのだそうだ。「さすがに重い決断だった」とBorodovsky氏は振り返ったが,ゲームとゲームエンジンを同時開発するのは,素人が考えてもなかなか大変な話だと思う。

World of Tanks Blitz World of Tanks Blitz World of Tanks Blitz

 World of Tanks Blitzにおけるゲームエンジン開発では,ECS(Entity Component System)を採用した。ECSを,データドリブンなDOP(Data Oriented Programming)で実装したという。
 Borodovsky氏は,一般的なオブジェクト指向のアプローチだと,多数のノードが相互に関係することとなるため,デバッグがしづらく,スケーラビリティにも乏しいとした。その点,DOPベースのECSであれば,Entity(エンティティ,いわゆる概念)が,位置情報やレンダリング情報,コリジョン判定用情報などの属性を含んだComponent(コンポーネント)を保持しておけるので,Entityを入れ替えるだけで,機能の拡張やアップデートを行える(そうだ)。氏は,性能向上すら可能だとしていた。

World of Tanks Blitz
エンジンとゲームの並行開発には,克服すべき難しい問題がいろいろあったようだ
World of Tanks Blitz
ツールの開発も同時に行われたとのこと

 ええと,このあたりは専門的な話だったので,間違っていたらごめんなさい。ECSの採用は,欧米のゲーム開発コミュニティだとよく使われる手法らしいので,興味のある人は調べてみるといいだろう。

 さて,ゲーム開発においては,品質管理も重要な課題だ。開発中のエンジンを使ってゲームを作るのだから,エンジンとゲームのバージョンの同期が大変になるが,ここでは「ブランチ」という技法を使ったという。これは,それぞれのバージョンのソースコードやディレクトリツリーなどを複製することで,開発や変更を同時並行的に行えるようにするバージョン管理システムだという。

 プログラムの品質管理においては,プログラマーが1対1でコードのレビューを行うことで維持するという方法が採られた。また,ツール類も並行して制作するなど,いろいろな作業が同時進行していたらしく,当然ながらマネジメントが問題になったが,そのあたりは「フレキシブルに対応して,しのいでいった」(Borodovsky氏)。

 ここまでを振り返り,Borodovsky氏は「オーバーホールを恐れるな」と述べる。アイデアが浮かんだら,とにかく進めてみて,うまくいかなかったらまたやり直す。そうした果てしないサイクルを経て,World of Tanks Blitzはついにリリースされたわけだが,オンライン専用タイトルだけに現在もアップデートが続けれらており,もしかしたら,本当の意味で完成することは今後もないのかもしれない。

World of Tanks Blitz
アイデアを形にするというサイクルが,果てしなく続いていく

World of Tanks Blitz
 現在,「World of Tanks Blitz」の累計登録アカウント数は2000万を超え,この瞬間にも10万人以上のプレイヤーがネット上で戦いを繰り広げているという。技術的な話が中心だったが,「自分達の作りたいゲームに適したエンジンがないので自作し,それをオープンソースで公開する」というのは,「いかにもWargamingらしい」感じがする。
 なお,Borodovsky氏は最後に,会場のゲーム開発者達に向かって「自分はゲーム好きが高じてゲームを作ることになり,ここでこうして話をすることになった。皆さんもきっと私と同じはずだから,失敗を恐れずに,さまざまな技術や手法を駆使してゲームを作ってほしいと」述べて,講演を締めくくっていた。

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