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200人を超えるファンが池袋GiGOに集結。話題作「LORD of VERMILION III」ロケテストレポートを掲載。会場で見かけた柴Pへの直撃インタビューも
同テストは3月10日(日)まで池袋GiGOにて行われ,その後は東京の「タイトーステーション 秋葉原店」(3月14から3月17日),大阪の「ラウンドワンスタジアム 千日前店」(3月21日〜3月24日)でも実施される予定となっている(関連記事1,関連記事2)。
人気タイトル「ロードオブヴァーミリオン」シリーズの最新作である本作は,今回のメジャーバージョンアップに際してゲームシステムに大胆な変更を加え,ナンバリングタイトルでありながら,これまでとはまったく違うタイトルとなっている。
その最たるものは,従来の1vs.1の対戦形式から,最大8人が2チームに分かれる,4vs.4のマルチバトルへと変更されている点が挙げられる。本稿では,噂の新作を一目見ようと多くのファンが詰めかけた,ロケテスト初日の模様をレポートしていく。また現場に居合わせた,シリーズの名物プロデューサー・柴 貴正氏にも話を聞いてみた。本作の稼働を楽しみにしている人は,合わせてチェックしてみてほしい。
「LORD of VERMILION III」公式サイト
大盛況で幕を開けたロケテスト。スタートダッシュの反応は上々?
ロケテスト初日となった金曜日。筆者が訪れた朝の8:00過ぎには,平日の早朝であるにも関わらず,多くのファンが列を作って開店を待っている状態となっていた。第1作から数えれば,すでに5年間も人気を継続しているタイトルの最新作だけあって,ファンの関心の高さがうかがえる。
整理券の配布がスタートした9:00過ぎには,ざっと数えてみただけで200人以上が並んでいたようで,開店の10:00を待たずして,この日の整理券は閉店間際の時間帯まで,あっという間に配り終わってしまったようだ。明日以降,ロケテストに参加するという人は,なるべく早めに会場入りした方が良さそうだ。
というわけで開店と同時にスタートしたロケテスト。プレイできずとも一目見ようというファンも大勢いたようで,整理券を配布したにもかかわらず,筐体が設置された5階フロアはかなりの混雑を見せていた。
筆者もプレイしている様子を端から見ていたのだが,やはりゲームシステムが大きく変わっているためか,早い番号の整理券を手に入れたコアなシリーズファンでも,初回プレイでは多少の戸惑いが見て取れた。とくにユニットの操作系が,従来の「レバー+ボタン」から「タッチモニター+プレイスクリーン」へと変わったのが大きいようで,ちょっとコツを掴む必要がありそうだ。
そのほかゲームシステムの部分では,フィールド上の「マナタワー」を制圧することで「マナ」を獲得し,ユニットを召喚していくという,RTSにおける生産のようなシステムが導入されているのも大きな特徴だ。ただ,「相手側のアルカナストーンを破壊すれば勝利」という基本ルールは変わっていないので,慣れてしまえばそれほど複雑ではないだろう。
ちなみにロケテストに参加していたプレイヤーの中には,早速プレイスクリーンに並べたカードを動かして繰り出す「スマッシュアタック」や,攻撃重視の「オフェンシブゾーン」,防御重視の「ディフェンシブゾーン」といったテクニックを試している人もいた。
基本操作は簡単ながらも,従来以上の戦略性を秘めているようなので,猛者プレイヤーの今後の研究に期待したいところだ。
なお4Gamerでは,今回のロケテストVer.の詳細なプレイレポートも,後ほど掲載する予定だ。そちらもぜひ楽しみに待っていてほしい。続いて,会場に居合わせた柴プロデューサーのインタビューを掲載して本稿の締めとしよう。
「ロードオブヴァーミリオン」シリーズプロデューサー
柴 貴正氏 直撃インタビュー
4Gamer:
まずはロケテスト初日を迎えた,今の感想からお聞かせください。
柴 貴正氏(以下,柴氏):
緊張しています。今ここに集まっていただいたのは,まだ敵にも味方にもなりえる方達ですからね(苦笑)。今はぜひ味方になってもらえるよう,楽しんでもらえることを祈るばかりです。
4Gamer:
今作ではゲームシステムが大きく変わったこともあって,コアなファンほど不安が入り交じるところはあるかもしれませんね。実際のところ,システムにここまで手を入れたのは,どんな意図があったのでしょうか。
柴氏:
「ロードオブヴァーミリオン」シリーズは,5年間も続いてきただけあって,今となっては,ちょっと取っつきにくいゲームになっていたと思います。ですから,もうちょっと分かりやすくしたかった,というのが一番の理由です。
例えば操作系に関して言えば,これまでは,移動と戦闘の両方をプレイスクリーンで操作する形でした。そうすると,どうしても複雑な操作が必要になってしまいます。そこで移動はタッチモニター,戦闘はプレイスクリーンというように操作系を分けてあげたほうが,分かりやすいじゃないですか。
4Gamer:
確かに。
柴氏:
そうやって分かりやすくすることで,結果的にゲーム人口も増えるんじゃないかと考えました。それにこれ以上,ただ新しいシステムを積み重ねただけでは,大きな進化は望めないと感じていたのも,正直なところです。
4Gamer:
システム面の変更では,1vs.1から4vs.4のマルチプレイ対戦になったもの大きいですね。
柴氏:
確かに2つのチームに分かれての対戦ではありますが,重視してるのはあくまで“個”の活躍なんです。8人の中で,何位に付けるかというのが大事なので。チームが勝利すると,確かにスコアにボーナスが付きますが,それだけじゃない。
4Gamer:
例えチームは負けても,活躍すれば上位に入れますか。
柴氏:
そうです。チームの勝敗は,あくまでひとつの要素にすぎない。良い動きをしてスコアを稼いでいれば,チームが負けていてもガンガン上へ行けます。もちろんチームの勝利に貢献するように動くほうが,スコア的にも評価は高いですけどね。
4Gamer:
なるほど。体裁はマルチプレイでも,実質的には個人の戦いだと。“ぼっち”でも安心なシステムは,ちょっと嬉しいかも。
柴氏:
それが本作の合言葉なんですよ。基本的に“ぼっちゲー”として遊べるようにしてますから,これ(笑)。
では,本作でとくに注目してほしいポイントというと,どこになるでしょうか。
柴氏:
さっきのと少し被ってしまいますが,やはりタッチモニター操作とカード操作がミックスされた面白さですね。アーケードでのTCGでは,僕も大好きな「三国志大戦」という偉大な御先祖様がいるわけですが,本作はそれとまったく別の場所を目指しています。
4Gamer:
というと?
柴氏:
これまではTCGでありながら,実はアクションゲームだったわけですが,今回はそこをよりTCG寄りに,戦略やデッキビルドの要素を重視しています。とくにデッキビルドの奥深さに関しては,これまでの比ではないです。
4Gamer:
「ロードオブヴァーミリオン」シリーズは,確かに「TCG+アクション」のゲームでしたが,もう一つRTS的な要素も持っていますよね。とくに今回のシステム変更を見ていると,「League of Legends」といった,いわゆるMOBA系タイトルの影響があるように思えるのですが,いかがでしょうか。
柴氏:
僕自身も好きなジャンルなので,影響はあると思います。ただ,あれにも欠点はあって,アーケードで遊ぶことを考えると,どうしても1プレイにかかる時間が長すぎるんですよね。あの面白さを,アーケードゲームらしく短い時間に凝縮したいと思いました。結果,アクションとRTS,それからTCGがうまく融合した味付けになっていると思いますよ。
4Gamer:
分かりました。ではちょっと細かい部分についても聞かせてください。種族別のデッキボーナスはどうなるのでしょうか。
柴氏:
考え方が変わります。例えば人獣はマナを溜めるのが得意……とか。従来は単色デッキでやることが多かったと思いますが,今回は最低でも2色とか,種族混成でのプレイがベースになると思います。
4Gamer:
これまでに人気だった使い魔も,引き続き登場しますか。
柴氏:
はい。あと,今回からは「サキュバス族の〇〇ちゃん」というように,同じ種族でも違った個体がいたりします。
4Gamer:
それは……コレクションがすごく捗りそうです……。
柴氏:
前作からカードの引き継ぎがないのは,すでに発表済みですが,その決断をした結果,カードの枚数を大幅に増やせるようになりました。引き継ぎを諦めたのは,第一に印刷技術の刷新による操作レスポンスの向上があるんですが,そのほかにもこういうメリットもあるんです。1度のバージョンアップで,100枚以上のカード追加は必ずやりたいと思っていますので,ぜひ期待していてください。
4Gamer:
レベル制を撤廃した理由を教えてください。
柴氏:
これは以前から指摘があったのですがが,対戦ゲームは平等じゃないとダメじゃないですか。もちろん持っているカードには差はあるわけですが,レベルという形で差をつけるのはやめようと。ただ,称号やランクといった形では,従来どおりプレイは蓄積されます。あと,詳しくはまだ言えませんが,アバターのカスタマイズ要素とかね。
4Gamer:
アクションからTCG寄りになったとのことですが,ゲームのテンポは,これまでよりゆったりしたものになると考えていいのでしょうか。
柴氏:
そのつもり……ではあるんですが。でも上級者のテストプレイを見ていると,ガチに動くと忙しくなるみたいです(苦笑)。でもタッチモニターだけに集中していても,ゲームとして成立するようにはなっています。これまでは,ゲームのすべての要素を把握していないと,面白さが伝わりずらい面がありましたが,今回は段階を踏みながら覚えていけるはずです。
4Gamer:
なるほど。では今回のロケテストVer.は,開発進行度で言うとどれくらいですか。
柴氏:
70〜75%ですね。マルチプレイに関しては,現時点でほぼ完成しています。あとはロケテストの評判を見つつの調整と,ストーリーモードです。なんたって16人も主人公がいますからね(笑)。とくに今回のストーリーモードは,チュートリアル的な意味合いも持たせてあるので,最初にぜひプレイしてみてほしいです。
4Gamer:
ああ,ストーリーを追いながらゲームを覚えられるわけですね。
柴氏:
そうそう。ゲームに慣れるために,途中で一風変わったミッションも検討していますよ。
4Gamer:
それは面白そうだ。期待しておきます。では最後に,本作の稼働を楽しみにしているプレイヤーへ,メッセージをお願いします。
柴氏:
いろいろとシステムが変わってしまって,戸惑っているファンの方も多いと思います。ですが,ゲームセンターのゲームって,やっぱり触ってなんぼじゃないですか。なのでそういう人にこそ,ぜひ一度を触ってもらいたい。一つ確実に言えるのは,我々が5年間で培ったノウハウは,全部本作に詰め込んだ,ということです。それなりの自信はありますので,ぜひ触って,それから判断していただければと。よろしくお願いします!
4Gamer:
本日はお忙しいところ,ありがとうございました。
「LORD of VERMILION III」公式サイト
- 関連タイトル:
LORD of VERMILION III Twin Lance
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