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独自SoC採用のSamsung製スマートフォン「Galaxy S6 edge」レビュー。側面がカーブした曲面ボディはゲームで使いやすいのか
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印刷2015/04/23 00:00

レビュー

独自SoCと側面がカーブした曲面ボディを採用するスマートフォンの実力を検証

Samsung Galaxy S6 edge SCV31

Text by 林 佑樹


Galaxy S6 edge SCV31
メーカー:KDDI
問い合わせ先:TEL 0077-7-111または0120-977-033(年中無休 9時〜20時)
価格:64GBモデル 9万1800円,32GBモデル 8万1000円(2015年4月23日現在)
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 Samsung Electronics(以下,Samsung)製のAndroidスマートフォンGalaxy S6 edge」と「Galaxy S6」が,2015年4月23日にNTTドコモとKDDIから発売される。独自のSoCを搭載するハイエンドスマートフォンで,従来シリーズからデザインも一新するなど,全面的な刷新を行ったSamsung渾身の製品だ。
 NTTドコモは,Galaxy S6 edgeとGalaxy S6の両機種を(関連記事),KDDIはGalaxy S6 edgeの内蔵ストレージ容量64GBモデルと32GBモデルを発売する予定(関連記事2)となっている。

 この2機種,デザインは異なるものの,スペック的にはほぼ同じ製品だ。そのため,ソフトウェアや性能面の評価もほぼ共通と考えてよさそうである。今回は,発売に先駆けてKDDI版Galaxy S6 edge SCV31(以下,S6 edge)の64GBモデルを試用する機会を得たので,ベンチマークテストでその実力を詳しくチェックしてみよう。


両端が曲がった曲面ボディが特徴的なビジュアル


 スマートフォンの形状は,大きく分けて2つに集約されつつある。1つは側面から背面にかけて緩やかに湾曲したラウンドフォルムを採用したもので,もう1つは前面と背面の両方が平らなフルフラット形状だ。これ以外の形状を採用する製品はほとんどない。
 レイアウトはもっと画一的で,前面上部にインカメラや各種センサー,ノイズキャンセル用マイク孔を配置して,前面下部にはボタン類が並ぶといった形に収束されつつある。ディスプレイの上辺と左右辺を極端に細く絞り込んだ「3辺狭額縁仕様」を採用して,インカメラを前面下部に配置するシャープのAQUOS Phoneのような製品は,例外といってもいいだろう。

スリープ時にエッジスクリーンをなぞると,時刻やニュースフィードが表示される。ただし,GALAXY Note Edgeのようなエッジスクリーン用アプリを開発するためのSDKは用意されていない
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 そんな状況で登場したS6 edgeは,ディスプレイの左右側面部分がカーブを描くという,挑戦的なビジュアルが特徴の製品だ。Samsungが「デュアルエッジスクリーン」と呼ぶこのデザインによって,正面から見るとベゼルが目立たず,有機ELパネルだけが存在するような印象を受ける。ただ,右側面側の有機ELパネル自体を湾曲させた「GALAXY Note Edge」とは異なり,湾曲した強化ガラスによって有機ELパネルまで曲がっているように見える,といったほうが正しい。

本体前面。最大の特徴であるデュアルエッジスクリーンのデザインにより,この角度で見ると,右端のベゼルが存在しないように見える
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 光学手ぶれ補正機能付きのアウトカメラ部が突出していることを除けば,背面はほぼフラットになっている。

背面はほぼフラット形状になっている。ちなみに,前面と背面のどちらにもSamsungロゴがないことに気付いただろうか。これは日本モデルのみとのことだ
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上下側面の角は大きな丸みを帯びている。違和感を覚えるかもしれないが,意外とすぐに目に馴染む
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 5.1インチサイズの有機ELパネルを搭載する本体サイズは,70(W)×142(D)×7(H)mm。重量は約132gである。重心は本体中央よりやや下にあり,発熱しやすい部分はアウトカメラ周辺にあるようだ。そのため,左右側面にあるアルミフレームの出っ張りに指をかけるように持つと,温度の上がる部分を触らずにすむので持ちやすい。
 カメラやボタン類のレイアウトに特筆すべき点はない。左右側面が湾曲していることを除けば,S6 edgeは,5インチ級スマートフォンのオーソドックスなサイズやレイアウトを踏襲した製品といえよう。

上側面(左):サブマイク孔,赤外線発光部(テレビリモコン用),Nano SIMカードスロットが配置されている
下側面(右):左から,3.5mmミニピンのヘッドセット端子,USB 2.0(Micro-B),マイク孔,スピーカー。左右に見える樹脂パーツは,アンテナ用だろうか
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左側面(左):音量調節ボタンがあるだけだ
右側面(右):こちらには電源/スリープボタンがある
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ホームボタンは指紋認証センサーも兼ねる(左)。その左側にある[戻る]ボタンと,右側にある[最近のアプリ]ボタンはタッチ式で,触れたときにだけ点灯して,通常は消灯している(右)
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 カバーガラスが剥き出しになったようなS6 edgeのデザインは,堅牢性に不安を感じるかもしれない。ガラスはCorning製の強化ガラスであるGorilla Glass 4を採用しているほか,アルミニウム合金製のフレームには,ロードバイクのフレームにも使用されているという強度に優れた「6013アルミニウム合金」を採用することで,軽さと強度を確保しているという。YouTubeのSamsung公式チャンネルでは滑落テストの様子が公開されているので,興味のある人は見てみるといい。


ラウンドフォルムなスマートフォンを逆さにしたような持ち心地だが,側面に段差があるため,指を引っかけやすい
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 持ちやすさという観点で評価した場合,WebブラウズやSNS用途であれば,S6 edgeは極めて優れていると感じた。デュアルエッジスクリーンとアルミフレーム間に段差があるため指をかけて持ちやすく,画面左右端はパームリジェクション処理が行われているため,多少指が画面に触れていても操作に悪影響がでないことが理由だ。

 しかし,ゲームとなると話は別だ。片手でしっかりと保持してプレイするシーンを想定した場合,S6 edgeでは側面の段差を利用してわしづかみにするか,あるいは手のひらに載せて指を側面にかけるような持ち方になるだろう。ところが,そうした持ち方でゲームをプレイしてみたところ,側面にかけた手がデュアルエッジスクリーンのタッチパネル部分にまで触れてしまい,誤タッチが起きることがあるのだ。とくにドラッグ操作に支障が出る場面が多かった。
 誤タッチが起きないような持ち方をいろいろ試してみたのだが,確実にホールドしてプレイしようとすると,どうしてもデュアルエッジスクリーン部分に手や指が触れてしまいがちで,うまく回避できないのだ。慣れでどうにかできるのかもしれないが,筆者にはそう言い切る自信がない。

ギュッと握った場合,どうしてもタッチパネル部分まで触れてしまうため,ドラッグ操作に支障の出ることが何度かあった
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 全面的に刷新されただけのことはあり,スマートフォンとしての完成度はなかなかのものだ。持ち方や握ったときの反応で印象は変化すると思われるので,S6 edgeの購入を検討している人は,ぜひ実機で持ち方チェックを行うことをお勧めする。


独自SoCのベンチマークテスト結果は優秀


 スペック面に目を向けてみよう。S6 edgeの搭載SoC(System-on-a-Chip)は,Samsung独自の「Exynos 7420」だ。Exynos 7420とは,最大動作クロック2.1GHzのARM製CPUコア「Cortex-A57」と同1.5GHzの「Cortex-A53」をそれぞれ4基ずつ搭載する「big.LITTLE」構成のSoCで,Samsungではこれを「オクタコアのCPU」と称している。統合されているGPUは,同じくARM製のGPUコアIP「Mali-T760」だ。

 搭載OSはAndroid 5.0(Lollipop)で,メインメモリ容量は3GB。4GBを搭載する「ZenFone 2」には及ばないものの,通常の使用においてメモリが不足することは心配しなくていい。ストレージ容量は,前述のとおり32GBもしくは64GB。なお,S6 edgeにはmicro SDカードスロットがないので,予算が許す限り64GBモデルを選択すべきだろう。

 有機ELパネルは,5.1インチサイズで解像度1440×2560ドット,ピクセル密度は577ppiという高精細なものとなっている。この高精細有機ELパネルを生かして,Samsungでは,S6 edgeやGalaxy S6をディスプレイとして使う仮想現実対応HMD「Gear VR Innovator Edition for S6」の国内発売も予定されている。仮想現実対応HMDの本命ともいわれる「モバイルVR」の世界を体験するために,S6 edgeを選択するという手もありかもしれない。

Gear VR Innovator Edition for S6は,Galaxy S6シリーズを前面にはめ込んで使う仮想現実対応HMDだ。5月上旬に想定売価2万7000円前後で発売の予定
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撮影スタジオの蛍光灯下で画面輝度をテストした様子。左から輝度0%,50%,100%の順となる。輝度0%時は辛うじて画面が見えるくらいで,暗所でもそれなりに扱える。輝度50%になると十分以上に明るいほどで,輝度100%は蛍光灯下でも眩しすぎるほど。輝度30%でも実用には問題なさそうだと感じた。ちなみに,一般的なスマートフォンのバックライト輝度は最大500cd/m2程度であるのに対して,Galaxy S6シリーズは最大600cd/m2もあるとのこと
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 スペックの説明に続いて,いよいよS6 edgeの実力を確かめてみるとしよう。
 まずはSoCの各種情報を表示するアプリ「CPU-Z」を使い,Samsung自慢のオクタコアがどのように動作するのかをチェックしてみた。big.LITTLE構成のSoCは,性能重視のCortex-A57と省電力のCortex-A53を組み合わせて効率よく運用するというのがウリであるが,実際の動作はどうなるのだろう。

 CPU-Zで見ると,最大動作クロック1.5GHzのCortex-A53がCPU 0〜3,最大動作クロック2.1GHzのCortex-A57がCPU 4〜7として認識されていた。そこで,S6 edgeの検証中に適宜CPUクロックの変動を観察してみたところ,Cortex-A57は800〜2100MHzの間で大きく動いていたのに対して,Cortex-A53は400〜1296MHzで動作するのがほとんどで,仕様上の最大CPUクロックである1.5GHzまで上昇することはあまりなかった。筆者は,操作の大半をCortex-A53側が担当するのではないかと想像していたのだが,実際の挙動を見る限りでは,意外にCortex-A57も同時に動作するシーンが多いようだ。

左はアイドル時の状態で,右は試用中にCPUクロックが上昇した状態
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 体感的な評価を述べると,S6 edgeのレスポンスはすこぶる良好で,とてもキビキビとした印象を受ける。8つのCPUコアがうまく動作しているためだろうか。ただ,バッテリーの減りは意外に速く,撮影時にちょっと負荷をかけていただけで,バッテリー残量が10%程度も減っていたのは驚きだった。S6 edgeの電力設定を「省エネモード」に切り替えて使用していても性能低下はあまり感じないので,バッテリー駆動時間を延ばしたいときは,ユーザーが意識して制御したほうがよさそうだ。ちなみに,筆者が愛用している「GALAXY S5 ACTIVE」も似た傾向があったりするので,最近のSamsung製スマートフォンはそういうチューニングをしているのかもしれない。

複数のアプリを動かす「マルチスクリーン」状態で,HTML5によるグラフィックス性能テスト「Fish Bowl」を実行したときの動作クロックを確認してみた。左は泳ぐ魚の数を自動制御する「AUTO」の状態で,右は2000匹表示した状態だ。8つのCPUコアが高負荷で動作していることが読み取れた
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S6 edgeの電力設定を省エネモードでFish Bowlを動作させてみた。左のAUTO時を見ると,Cortex-A53は最大動作クロックで動いているが,Cortex-A57は低最低動作クロックのままだ。2000匹に設定して負荷をかけてみたところ,今度は逆にCortex-A57が高負荷で動作して,Cortex-A53は最低動作クロックまで落ちていた
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 ベンチマークテストの1本めは,お馴染みAndroid版「3DMark Ice Storm」をテストしてみた。Ice Storm Unlimitedのスコアは「24565」と,Androidスマートフォンでは最速クラスのスコアを叩き出した。「Tegra K1」を搭載するゲーマー向けタブレット「SHIELD Tablet」のスコアが3万を超える程度なので,この性能であれば,どんなゲームでもスペックを気にする必要はなさそうである。

Ice Storm Unlimitedのスコア。スマートフォンとしては極めて優秀だ
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 ちなみに,Android用3DMarkには,OpenGL ES 3.1に対応する高負荷テストアプリ「3DMark Sling Shot Benchmark」というものもあるのだが,S6 edgeでは「Your device is not compatible with this test」(テストと互換性がない)と表示されて,実行できなかった。Mali-T760はOpenGL ES 3.1に対応しているはずなのだが……。

細かくテストしている余裕がなかったため参考程度に留まるが,マルチプラットフォームのグラフィックスベンチマークテスト「GFXBench 3.1」の結果も掲載しておこう。OpenGL ES 3.0ベースの「マンハッタン」は,SHIELD Tabletの50〜70%程度のスコアとなっていた。スマートフォンとしてはやはり優秀だ
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A1 SD Benchの結果。RAMのRead性能はなかなか優秀だ
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 次にテストしたのは,メインメモリとストレージアクセス性能を計測する「A1 SD Bench」だ。メモリやストレージの性能はスマートフォンの体感性能にも影響しているのではないかと考えて導入したものだ。
 そのスコアは右にあるとおりだが,メインメモリのアクセス性能を測る「RAM」は,2014年モデルのハイエンドスマートフォンと大差がない程度だった。S6 edgeはメインメモリにLPDDR4を採用しているのだが,これを見る限り,実効性能はLPDDR3とあまり変わらないようだ。とはいえ,S6 edgeのスコアは十分高いものなので,デメリットになっているわけではない。
 一方,内蔵ストレージのアクセス性能を測る「Internal memory」は,逐次読み出しの「Read」が309.19MB/s,逐次書き込みの「Write」が151.56MB/sと,読み出し性能の優秀さが目に付く。データサイズの大きいゲームも増えているので,ストレージアクセス性能の優秀さは重要なポイントになりそうだ。

 続いては,タッチパネルの応答性を調べてみた。普段なら,連射測定アプリ「ぺしぺしIkina」を使うところなのだが,なぜかS6 edgeでは,バックキー長押しからのメニュー表示ができなかったため,同種のアプリである「目指せ!16連射」を試してみた。

「目指せ!16連射」での結果。立ち上がりは28までストレートにカウントしたが,以降は飽和が続き,50タップめ以降は反応していないような挙動を見せた
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 使い慣れたアプリではないため参考値になってしまうが,10秒間で93〜96回程度になる速度で連打して,結果は「77」だった。スコア自体はごく普通といいたいところだが,50タップめ以降に飽和ではなく,単純に反応していないことが多くあった。アプリ側が原因である可能性も疑ったのだが,いくつか試した連射測定アプリでも同じような挙動を見せたので,S6 edge側のチューニングによるものと思っていい。持続的な連打を要求するゲームには,ちょっと不安が残る挙動である。

 連射テスト中は,デュアルエッジスクリーンの影響を回避するべく,S6 edgeを卓上において実行したが,手に持った場合は先述したとおり,握っている手や指の位置が変わったときに測定が途切れることがあったのが気にかかる。

 ZenFone 2と同様に,Qualcomm純正のベンチマークテストアプリ「Vellamo Mobile Benchmark」(以下,Vellamo)でもテストしてみた。CPU性能の計測だけでなく,Webブラウザの処理性能テストも行えるというもので,フルに実行するには時間を要するのが難点であるものの,CPU使用率や温度変化も記録できるという利点を備えている。
 比較対象機を用意していないため,Vellamoの結果リストに掲載されている他機種との比較しかできないが,参考にはなるだろう。

Vellamoの「Browser」テスト(左)はWebブラウザの処理速度を計測する複合的なテストだ。今回はChromeを対象として計測して「3267」というスコアを記録した。他機種のスコアと見比べると,先代の「GALAXY S5」をやや上回る程度ということになる。中央の画像はベンチマークテスト中の温度変化,右の画像は同じくCPUクロックの変化を記録したものだ
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Vellamoの「Multicore」テスト結果(左)と,温度およびCPUクロックの変化(右)。8基のCPUコアが効いているのか,スコアは「3172」と他機種を圧倒している
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メインメモリやストレージのアクセス性能も計測できる複合テスト「Metal」の結果。総合スコア(左)はとても優秀だ。右は詳細スコアの一部で,「RamJam」はメインメモリ,「Storage I/O」は内蔵ストレージのアクセス性能を計測する。ただし,Storage I/Oのスコアは一部高すぎる値が出ているようで,Qualcomm製SoC以外ではうまく計測できないのかもしれない
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性能優秀なスマートフォンだが,ゲーム用途ならGalaxy S6のほうが適するかも?


 ベンチマークテスト結果から見ると,S6 edgeは極めて高い性能を備えたスマートフォンであることが分かる。今後登場するリッチなグラフィックスのゲームにも余裕をもって対応できそうで,ゲームが快適に動くかを心配したくないのであれば,申し分ない製品といえる。スマートフォンの買い換えや新規購入の対象として,選択肢に入れる価値のある製品だろう。
 ただ,長時間の連打には不向きというテスト結果が出ているので,プレイするゲームジャンルによっては,不満を感じてしまうかもしれない。

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 ゲーム用途で見たS6 edgeの問題は,最大の売りであるデュアルエッジスクリーンにある。プレイ中にギュッと握ったときに,手や指が触れてしまい操作に支障を来す可能性が高いというのは困りものだ。持ち方次第で問題を感じないですむしれないし,側面を直接持たずにすむケースを使うという方法で解決できる可能性もある。だが,そうした心配をしたくないのであれば,S6 edgeではなく,ほぼ同じスペックのGalaxy S6を選んだほうが安全かもしれないということは,指摘しておく必要があるだろう。
 握り具合を確認したいという人は,店頭での試用機で試してみてほしい。そのうえで「自分の持ち方なら大丈夫」という自信が持てたなら,S6 edgeを選んでOKだ。

●Galaxy S6 edge SCV31の主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 5.0.2(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.1インチ有機EL,解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Samsung Electronics製「Exynos 7420」(8コア,最大CPU動作クロック2.1GHz+1.5GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量64GBもしくは32GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1600万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:2600mAh
  • 連続通話時間:約1060分
  • LTE待受時間:約420時間
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:70(W)×142(D)×7.0(H)mm
  • 本体重量:約132g
  • 本体カラー:ブラック サファイア、ホワイト パール、ゴールド プラチナ
  • 主な対応サービス&機能:キャリアアグリゲーション,WiMAX 2+,WIN HIGH SPEED,au VoLTE,Eメール(@ezweb.ne.jp),SMS,グローバルパスポート(LTE/GSM/UMTS),ワンセグ,フルセグ,おサイフケータイ,NFC,Wi-Fiテザリング(最大10台),緊急速報メール

KDDIのGalaxy S6 edge SCV31 製品情報ページ

NTTドコモのGalaxy S6 edge SC-04G 製品情報ページ

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