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印刷2012/06/27 00:00

インタビュー

ゲームっぽくないから,新しい世界になじむ。「アーシャのアトリエ」挿入歌「宵の星」を4Gamerで先行試聴可能。バンド「チリヌルヲワカ」へのインタビューも

ボーカルアルバム「Twilight Hour」のジャケット。チリヌルヲワカの歌う「宵の星」も,このアルバムに収録される。オリジナルサウンドトラックと同時に本日(6月27日)発売
アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜
 ガストが6月28日に発売を予定しているPlayStation 3用ソフト「アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜」(以下,アーシャのアトリエ)は,これまでのシリーズの流れを一度リセットし,まったく新しい世界での物語を描く。もちろん,新しくなるのは世界観だけでなく,ビジュアルやシステム,そしてサウンドを含めた表現に至るまで,さまざまな要素で新たな表現を模索した作品になっている。

 今回は,そんな新たなアトリエを生み出すためにサウンド面で協力したバンド「チリヌルヲワカ」中島優美さん(ギター,ボーカル)と阿部耕作さん(ドラムス)に,挿入歌として書き下ろされた楽曲「宵の星」について,いろいろと話を聞いてきた。
 インタビューにはアーシャのアトリエでディレクターを務めるガストの岡村佳人氏も同席し,チリヌルヲワカとのなれ初めから,クリエイターとしてのちょっとした考え方まで話を広げてくれた。

阿部耕作さん(左),中島優美さん(右)


ゲームっぽくないから,新しいアトリエにマッチした


4Gamer:
 今回は「アーシャのアトリエ」のために,チリヌルヲワカさんが「宵の星」という楽曲を書き下ろされました。ガストとチリヌルヲワカさんは,一見まったく違う畑にいるような気がするのですが,今回はどういう経緯で楽曲が提供されることになったんでしょうか。

岡村佳人氏
岡村佳人氏(以下,岡村氏):
 「アーシャのアトリエ」は,これまでのアトリエの世界観を一新する作品を目指していましたから,楽曲もこれまでとは違うカラーを持った方にお願いしようということになりました。そこで,あまりゲームとは関係のないところで活躍されている方や,グループをいくつかピックアップして,その中でもとくに今作の雰囲気と合いそうなチリヌルヲワカさんを選ばせていただきました。

4Gamer:
 オファーを受けてユウさんはいかがでした?

中島優美さん(以下,ユウさん):
 単純に,ご指名いただいたことがすごく嬉しかったです。岡村さんは,普段から私たちの曲を聞いてくれているとのことだったので,お話を受けてすぐにOKを出しました。

4Gamer:
 「宵の星」は作詞だけではなく作曲もユウさんが手がけていますよね。アトリエシリーズの楽曲をアーティストが自ら作詞作曲するというのは,これまでなかったケースじゃないですか?

岡村氏:
 そうですね。当初は,チリヌルヲワカさんにも歌唱だけをお願いする予定でした。ですが,チリヌルヲワカさんの楽曲が持っている独特の世界観とか,ゲームっぽくないところが,新しい世界での物語を描く「アーシャのアトリエ」にすごくマッチすると思ったんです。ここまで完成された世界観を持つ楽曲を生み出せるのならば,作詞作曲も含めてお願いしたほうが,より良いものができるのではないかということで,この曲に関してはチリヌルヲワカさんに一任させていただきました。

ユウさん:
 作詞作曲をやらせていただくというのは私の提案も発端ですね。チリヌルヲワカの世界観をそこまで評価してくださっているのなら,「いっそのことすべて任せていただけませんか?」という感じで頼んでみたら,OKをもらえて。

岡村氏:
 できあがった曲を聴いたときには,すごく感動しましたよ。想像以上に素晴らしい楽曲を作っていただいたので「これでいきましょう!」と。こちらから「こうしてほしい」と指示を出すことはまったくなかったです。

ユウさん:
 ガストさんが信頼してくださって,自由に曲を作れたのがありがたかったです。とてものびのびとやらせていただきました。

4Gamer:
 「アーシャのアトリエ」以外で,ゲームのお仕事をされたことは?

ユウさん:
 ほかのアーティストに曲を提供したことはありましたけど,ゲームのお仕事は初めてですね。始めに物語とかキャラクターのイラストといった作品の資料をいただいて,そこから幻想的な世界をイメージできたので曲は作りやすかったです。

4Gamer:
 「宵の星」は聴いていると切なくなるような,ゆるやかな感じの曲ですよね。チリヌルヲワカさんというと,もっとロックなイメージを持っていたのですが。

ユウさん:
 それはきっとアコースティックな感じをイメージして作ったからですね。これまでチリヌルヲワカではこういう楽曲を作ってこなかったので,そういう意味では,自分の作曲スタイルは貫きつつも,いつもとは違う挑戦をしています。

4Gamer:
 「宵の星」は「アーシャのアトリエ」の主題歌ではなく,いわゆるBGMのような形で使われている“挿入歌”ですよね。楽曲がメインではなく,ある意味では映像を引き立てるように使われていますが,この辺りはどのように考えているんでしょう。

ユウさん:
 むしろ,それは前からやってみたいと思っていたので,今回挑戦する機会をいただけて嬉しいですよ。やっとできたな,という感じです。

阿部耕作さん(以下,阿部さん):
 ユウちゃんってフロントマンですけど,割と引き立て役も好きなタイプなんですよね。いつでも自分が前に出ていたいという感じじゃないんですよ。

ユウさん:
 自分を必要としてくれる方がいるというのは,それだけでとても嬉しいことじゃないですか。どんな形でも,この作品に関われてよかったなと思います。

岡村氏:
 ガストが曲を発注するときは,大体の世界観と素材を渡して「こういうイメージで作って下さい」とお願いするパターンと,今回のように「世界観の中で自由に作って下さい」とお任せするパターンがあるんです。今回は後者のパターンがうまくはまった形になりましたね。


かつてのアニメソングに潜む日本独特の暗さ



4Gamer:
 ところでユウさんはアニメソングの影響を少なからず受けていると聞きました。

ユウさん:
 子供の頃に再放送で見たようなアニメの主題歌には,確かに影響を受けています。「妖怪人間ベム」とか「アタックNo.1」とか。

阿部さん:
 哀愁漂う感じの楽曲が使われているアニメだよね。

ユウさん:
 そういう感じがツボなんですよね。私が作る曲は「昭和歌謡っぽい」って言われるんですけど,むしろ音楽的な影響は昔のアニメソングからがほとんどです。

4Gamer:
 アニメソングから受けた影響とか,その良さみたいなものは,言葉で表現できるんでしょうか。

ユウさん:
 なんでしょうね……。多分,当時のアニメソングが持っている独特の暗さがいいのかな。元々マイナー調の曲が好きなんですよ。あと,あの必要以上に大げさな熱さもなんとなく好きです。

4Gamer:
 歌詞も,アニメソングからヒントを得て書かれるんですか?

ユウさん:
 歌詞は影響を受けていないと思います。もっと単純ですね。日本語って1つの意味をいくつもの言葉で表せるじゃないですか。せっかく日本語で歌詞を書くのなら,その幅広さを使わないともったいないと思うんです。普段,話をするときには使わないけど,響きのいい言葉を歌詞で使ったりします。

4Gamer:
 バンド名や楽曲から“和”のテイストをひしひしと感じるんですけど,これにも何か思い入れがあるんでしょうか。

ユウさん:
 “和”自体にそれほど大きな思い入れはないんです。ただ,童謡もそうですが,和風のものって,やっぱりどこか暗いじゃないですか。ちょっと怖い感じというか。個人的に,そういう世界観が好きなんだと思います。日本独特の暗さを音楽に反映させて曲を作ることは多いです。ストレートな表現ではなくて,はっきり言わない奥ゆかしさもいいなって。

岡村氏:
 ユウさんの作る歌詞は日本語しか使っていなくて,それが1つのこだわりとか特徴になってますよね。

4Gamer:
 確かに,今回の「宵の星」もすべて日本語の歌詞ですもんね。
 ちなみに,阿部さんは「宵の星」を演奏するにあたってどんな印象をもたれましたか?

阿部さん:
 曲自体は,ユウちゃんが先に仕事として受けていて,それをバンドでやりたいと持ってきたものでした。曲によっては音圧で聴かせるものもあるんだけど,「宵の星」の場合は内面で聴かせる感じですね。
 収録では,ユウちゃんがとても柔らかく歌っていましたから,僕も小さい音で淡々と,かなりシンプルに演奏しました。そういう意味では新しいチャレンジだったので,今後,バンドの広がりにつながっていくんじゃないでしょうか。

岡村氏:
 「宵の星」はガストのボーカルCDに収録される予定なので,フルバージョンを聞きたいという方はぜひ手にとっていただければ。


娯楽に携わる仕事をしている。それだけで幸せ



4Gamer:
 チリヌルヲワカのお二人と岡村さんは,アイデアを形にしていくという意味では,非常に近い職業だと思うんですよ。それにも関わらず,“アーティスト(芸術家)”“クリエイター(制作者)”という風に,呼ばれ方が明確に違いますよね。この違いはどこにあると思いますか?

岡村氏:
 うーん……。有名なクリエイターさんに話を聞くと,皆さん自分の中に作りたい物が“核”としてあるらしいんですよ。「ゲームの世界を変えたい」とか,「ゲームの進化に貢献したい」とか。僕の場合は,そこまで崇高な目標があるわけではなくて,単純にゲームを作るのが好きで,作ったものをプレイヤーに評価してもらえるのが一番嬉しいんです。プレイをとおして何かしらの価値観を共有できる作品を作りたいと思っています。
 思うに,関わる人間が多い分,ゲームというのは自分の理想とか信念を強く反映したものになりにくい。そこは音楽と違う部分じゃないでしょうか。

ユウさん:
 そうですね。やっぱり音楽には,その人自身の考え方や経験,気持ちがすごく反映されます。そこは大きな違いですけど,作品を0から作るという意味ではどちらもアーティストと呼べると思いますよ。

阿部さん:
 バンドの場合は“チーム感”も大事な要素かな。ウチのバンドで言えば,ユウちゃんが作ったストーリーをメンバー全員で広げていくことが大きな鍵になっています。あとミュージシャンの場合はライブをやりますから,その違いも大きいと思いますよ。ライブという自分の肉体による表現を含むあたりが,ミュージシャンが単純にクリエイターと呼ばれない要素の1つなんだと思います。

岡村氏:
 確かに。

阿部さん:
 まあ,今でこそミュージシャンをアーティストって呼ぶ人もいますけど,おそらくほとんどの人は音楽を“アート”とは捉えていないでしょう。アートの本来の意味である“芸術”って言うよりは,もっと軽い感じに考えていると思います。僕らは職業として音楽をやっている部分もあるんで,そういう意味では純粋な芸術家じゃないとも言えますし。

岡村氏:
 アーティストという言葉が本来ある意味よりもカジュアルに使われているというのは,なんとなく分かります。


4Gamer:
 ミュージシャンとクリエイターは「受け手に対して作品を提供する」という部分は同じですよね。

阿部さん:
 そうですね。やっぱりお客さんがいるから面白いんですよ。単に自分達のやりたいことをやればいい,というわけではなくて,お客さんのリクエストに応えるから,仕事になる。そこはクリエイターと近い部分なんじゃないでしょうか。

岡村氏:
 近いかもしれませんね。自分のやりたいことだけやっていても,お客さんはついてこないと思いますし。

阿部さん:
 僕もデビュー当時は,「売れなくてもいいから,カッコイイことやりたいんだよね!」とか言ってました。それってレコード会社の人からしたら「何言ってるんだ?」って感じじゃないですか。でも今は,音楽のことを深く分かっている人にも聴いてほしいし,ライトな音楽ファンにも聴いてほしいと思っています。幅広い層に響く曲を,これからも演奏していけたらいいですね。

ユウさん:
 多くの人に聴いてもらえれば,それに越したことはないんですけど,私はそこまで深く考えていないかも。単純に,自分に出来ることはこれ(音楽)しかないと思っているんです。
 どんな仕事でも大抵は誰かの役に立ちますけど,娯楽って生きるために必要かって言われたら,そういうわけじゃないですよね。それなのに,音楽を必要として,私たちの楽曲を選んでくれる人達がいる。それがすごく嬉しいんです。なので,娯楽に携わる仕事をしているというだけで,私はとても幸せです。

4Gamer:
 その考え方は,ある意味でとても“アーティスト”らしい気がしますよ。それでは,最後にアーシャのアトリエのプレイヤーに「宵の星」をどんな風に聞いてほしいか,教えてください。

ユウさん:
 「アーシャのアトリエ」を買う人は,物語やゲーム楽しむことが目的だと思いますから,私達から「宵の星」をこう聴いてくださいというのはないですね。ゲームを楽しんでいただければ,それだけで嬉しいです。

阿部さん:
 僕もユウちゃんと一緒ですね。ゲームを終えてなんとなく口ずさんでいた曲が「宵の星」だった,なんてことがあると嬉しい。あとは逆に,「宵の星」が普段ゲームをやらない人にきっかけを与えられる楽曲になってくれたら最高です。

4Gamer:
 本日はありがとうござました。



アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜
キャラクターテーマ
「宵の星」
チリヌルヲワカ

元GO!GO!7188のギターボーカル:中島優美,THE COLLECTORS のドラム:阿部耕作,ベース:イワイエイキチ,ギター:坂本夏樹で構成。精力的にライブ活動を行う。2012年5月ツアー敢行。2012年4月2rdアルバム「あ可よろし」リリース。


「アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜」公式サイト

チリヌルヲワカ公式サイト

  • 関連タイトル:

    アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜

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