AMDは,同社主催のイベント「
AMD Fusion Developer Summit 2012」(以下,AFDS 12)において,次期フラグシップワークステーションカードとなる「
FirePro W9000」を2012年8月開催のSIGGRAPH 2012で発表すると予告し,その
エンジニアリングサンプルとされるカードを披露した。
FirePro W9000のエンジニアリングサンプルとされるカード。ファンのところのバッジもFirePro仕様になっている
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Mark Papermaster氏(Senior Vice President and Chief Technology Officer, AMD)
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……が,このカードは,かなりの謎に満ちている。
3連ファンを採用したクーラーを搭載するこのカードは,AFDS 12における最後の基調講演で,AMDのMark Papermaster上級副社長兼CTOが示したものなのだが,実のところ,氏がFirePro W9000として示したスライドのイメージ画像とは似ても似つかない。それどころか,同氏がカードを台から持ち上げるとき,一瞬だけ見えたカードの裏側からは,このカードが
2基のGPUを搭載する製品だとはっきり確認できるのである。
Papermaster氏が示したFirePro W9000の製品紹介スライド。ここに写っている製品イメージだと,GPUクーラー部に「FirePro GRAPHICS W9000」に書かれている
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謎のカードの裏側。2基のGPUを搭載することが見て取れる
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カード側面。ちょっと分かりにくいが,PCI Express補助電源コネクタは8ピン×2になっているようにも見える
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ちなみにPapermaster氏は,FirePro W9000が,単精度浮動小数点数で4TFLOPS,倍精度で1TFLOPSの演算性能を実現し,合計容量6GBのGDDR5グラフィックスメモリと組み合わせられることをスライドで明らかにしているのだが,4Gamer読者であれば,このスペックに違和感を覚えた人も少なくないだろう。
そう,Southern Islands世代の現行製品だと,最上位モデルとなる「
Radeon HD 7970」は,単精度浮動小数点演算性能で3.79TFLOPSを実現している。今回公開されたデュアルGPUカードのスペックとしては低すぎるのである。
3連ファンを搭載するデュアルGPUカードというと,Tul(PowerColor)がCOMPUTEX TAIPEI 2012でRadeon HD 7970×2仕様のモデルを公開していたが,あちらは補助電源コネクタが8ピン×3だった。8ピン×2の場合,クロック設定が気になるところだ
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グラフィックスカードベンダー関係者は筆者の取材に対し,「
AMDは,シングルGPU構成で,Radeon HD 7970の上位に置かれる製品を開発中」と述べている。FirePro W9000は,その“Radeon HD 7970の上位に置かれたGPU”をベースとするシングルGPU仕様のモデルであり,今回Papermaster氏が示したデュアルGPUカードとはまったくの別モノという可能性もかなりの確率でありえそうだ。
いずれにせよ,AMDが未発表のデュアルGPUカードを見せられる状態になったのは歓迎すべきだろう。AMDは,ワークステーション向けのFireProよりも先にRadeonを投入する傾向にあるだけに,いよいよ,Southern Islands世代におけるデュアルGPUカード「
New Zealand」(ニュージーランド,開発コードネーム)の投入が間近に迫ってきたと述べてよさそうである。
なお,Papermaster氏は,基調講演でCPUロードマップのアップデートを行い,Brazos後継となる低消費電力版CPUコアで,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)2W以下の製品を投入する計画や,2013年にはサーバー向けにもAPUを展開する計画があることを明らかにしている。このあたりはまたあらためてレポートしたい。
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| 第4世代のULP(Ultra Low Power)CPUコアで2W以下のTDPを実現するとAMDは予告していた |
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| 次世代サーバー向けプロセッサには,CPUのほか,APUも用意される |