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印刷2011/03/05 16:19

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[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート

天谷大輔氏(ハンドルネーム:Pixel)
 GDC 2011最終日である米国時間3月4日,日本人ゲーム作家 天谷大輔氏(ハンドルネーム:Pixel)による講演「The Story of CAVE STORY」が行われた。

 「CAVE STORY」は天谷氏が作ったゲーム「洞窟物語」の英語タイトル。「洞窟物語」は,英語でいうところのインディーズゲームであり,日本では「同人ゲーム」や「フリーゲーム」などと呼ばれている作品の一つだ。そう,今回天谷氏は「日本の同人ゲーム作者がGDCで講演を行う」という快挙を成し遂げてしまったのである。

 天谷氏が「洞窟物語」をフリーゲームとしてリリースしたのは2004年の話。開発はたった1人で,何年もかけて行われた。その後,友人の手によりマック版が作られ,ファンの手により英語版も作られ,現在では,海外のWiiWareおよびDSiWareとして正式に販売されている。


 「洞窟物語」はかなりレトロなテイストを持つ作品だ。天谷氏は当初,この作品を「レトロゲームが好きな人」に向けて制作していたという。しかし,実際にリリースしてみると,レトロゲームを知らないような若い人からも大きく支持されたそうだ。それを受けて天谷氏は,「洞窟物語」を現在でも通用するゲームとして認識するようになったという。そしてこのようなレトロ系の作品全般にも,今の時代に可能性があると捉えている。

 ハードウェアの性能が向上したおかげで,現在ではかつてよりも簡単にゲームが作れるようになってきた。主にアイデアとゲーム性で勝負するレトロなゲームであれば,1人でも十分作成できる。メインストリームでは,常に「最新」であったり「大作」であったりすることが求められるが,インディーズの場合はそういった縛りがないため,自由な発想で勝負ができる。そういった利点を生かすことで,現在のマーケットで勝負できる作品は,十分に作成可能だと考えているとのことだ。

[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート [GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート

 続いて天野氏は,自作品を例に取り,ゲームを作るときに大切な5つの要素を解説した。

・ビジュアル
[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート
 ビジュアルは分かりやすさが大切。「洞窟物語」では主人公を目立たせるため,「赤」をほぼ主人公のみに使い,それ以外の部分では使わないようにしている。主人公の頭が大きいのは,その表情を分かりやすくするためだ。逆に身体が小さいのは,腕を使った大きな動作を目立たせるためである。腕の演技を見やすくするため,主人公は袖のない服を着ている。キャラクターを考えるとき,見やすいかどうかは重要であるとのこと。
 ステージ作成の際には,マップに分かりやすい特徴をつけて,プレイヤーを飽きさせないことが重要だ。プレイヤーの視界というものは,作り手が考えるよりも狭いものである。だから最初からあれもこれもと,よくばっていろいろ見せるのはよくない。また,ステレオタイプに陥ることは避けるべきだ。とくに大人数でチームを作って制作する場合,最大公約数的なステレオタイプに陥ることが多いので注意が必要であるとのこと。

・双方向性
[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート
 例えば「洞窟物語」のクリッターという敵は,こちらが近づくと目を開けて飛びかかってくる。離れると眠ってしまう。ベヘモスという敵は,優しい性格なので攻撃してこないが,こちらから攻撃を加えると怒って反撃してくる。このような,プレイヤーの行動に対して,ゲーム側からレスポンスが返ってくるようなデザインにすると,プレイヤーに興味を持ってもらいやすいという。

・サウンドエフェクト
[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート
 サウンドは,低いコストで大きな効果をあげることができる重要な要素。例えば「重い扉」を表現する場合,ビジュアルで表現するのは大変だが,音では簡単に表現できる。そのような効果の高い要素なので,サウンドはできるだけたくさん入れると良い。同人ゲームでは,サウンドが足りない作品をよく見かける。それは,ゲーム製作にプログラム/グラフィックス/ストーリーから興味を持つ人は多いが,サウンドから興味を持つ人が少ないからかもしれないとのこと。

・BGM
[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート
 BGMには3つの機能がある。1つは「情景を描写する」機能。同じステージでもBGMが変われば,雰囲気がまったく違うものになる。2つめは「状態を伝える」機能。例えばボス戦では,危機感をあおるような音楽を使用する。音楽で表現されたものは,心にダイレクトに伝わるので,とても効果的である。3つめは,「すりこみ」の機能。好きな音楽は心に残る。心に残った音楽があとでもう一度登場したりすると,プレイヤーはとても嬉しい気持ちになる。

・ストーリー
[GDC 2011]日本の同人ゲーム作家がGDCで講演を行うという快挙を達成。フリーゲーム「洞窟物語」の作者 天谷大輔氏による講演の模様をレポート
 ストーリーがあると,プレイヤーの興味が長続きする。ストーリーそれ自体よりも,ゲームが先に進んでいることがプレイヤーに伝わる点が重要である。ただし,プレイ開始直後に詰め込んではいけない。プレイヤーはまずは「プレイしたい」と思っている。その後,ストーリーがほしいと感じるようになるというわけだ。


 そして大切なのは,これらのエレメントを使って,「プレイヤーをコントロールする」ことなのだそうだ。「洞窟物語」のβ版ではそれが上手くできておらず,最終的に丸ごと作り直すことになったという。

 例えばステージが「一本道」だと,プレイヤーはゲームプレイに作業感を感じてしまう。しかし,2本の道を作り,片側を敵で満たしておくと,プレイヤーは進むべき道を考え決断する。このようにプレイヤーに「選ばせる」ことが大切だそうだ。
 また「洞窟物語」では,まず一画面のみのステージから始まり,序盤には横にしかスクロールしないステージをプレイヤーに体験させて,その後,少しだけ上下にもスクロールするステージを配置して,中盤以降にようやく上下に広がりを持つマップを登場させる――ということをしている。こうしておけば,プレイヤーにスムーズに学習してもらえるというわけだ。ちなみにβ版では,いきなり上下に広がったステージからゲームが始まるようになっていたそうだ。

 戦闘については,まずプレイヤーに敵を倒す楽しさを知ってもらう。それが伝われば,プレイヤーは自分から敵を追っていくようになる。ゲームをデザインする際には,そのように,プレイヤーを上手に誘導することが大切なのだそうだ。ただし,プレイヤーに「コントロールされている」と思わせてはいけない。「自分で問題を解決したんだ!」と思ってもらえるように,注意することが大切なのである。

 このようなフィロソフィーを持って作られた「洞窟物語」は,現在でもフリーで公開されている。ゲームデザインの裏側にあるものを意識しつつ,プレイしてみてはいかがだろうか。

「洞窟物語」のダウンロードはこちら

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