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NVIDIA,ワークステーション向け新GPU「Quadro GP100」を発表。「NVLink」によるデュアルGPU構成が可能に
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印刷2017/02/06 08:00

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NVIDIA,ワークステーション向け新GPU「Quadro GP100」を発表。「NVLink」によるデュアルGPU構成が可能に

Quadro & Tesla
Quadro & Tesla
 2017年2月6日8:00,NVIDIAは,PascalアーキテクチャのGPUを搭載するワークステーション向けGPUと,それを搭載する同名のグラフィックスカード,

  • Quadro GP100
  • Quadro P4000
  • Quadro P2000
  • Quadro P1000
  • Quadro P600
  • Quadro P400

を発表した。いずれも価格は未公表で,2017年3月に発売予定という。

 なかでも注目はQuadro GP100で,本製品は,「GP100」コアを採用する初のグラフィックスカードにして,NVIDIA独自の高速接続インタフェース「NVLink」によるデュアルGPU構成に対応した初のグラフィックスカードとなるのが大きな特徴だ。

 ゲーマーと直接関係する製品ではないが,とくにQuadro GP100は今までにない特徴を備えたGPUなので,その概要をレポートしよう。


NVLinkによるデュアルGPU構成をサポートするQuadro GP100


 Quadro GP100が搭載するGP100は,3584基のFP32用CUDA Coresを集積したGPUコアに,総メモリバス帯域幅が720GB/sに達する積層メモリ技術「HBM2」(High Bandwidth Memory 2)を組み合わせたGPUである。GP100を搭載する製品としては,数値演算アクセラレータ「Tesla P100」がすでに発売済みだが,ディスプレイ出力を持つグラフィクスカードでGP100を採用したのは,今回のQuadro GP100が初めてだ。
 気になる主なスペックと演算性能値は以下のとおりで,少なくとも理論演算性能値は2016年4月に発表されたNVLink対応版のTesla P100「Tesla P100 for NVLink-enabled Servers」と完全に同じだ。PCI Express(以下,PCIe)版のTesla P100である「Tesla P100 for PCIe-Based Servers」にビデオ出力インタフェース出力を追加し,NVLink版と同じレベルまでスペックを引き上げた製品という理解でいいだろう。

  • FP32用CUDA Core数:3584基
  • FP64用CUDA Core数:1792基
  • グラフィックスメモリ容量:16GB(※HBM2 4モジュール)
  • マルチGPU対応:NVLink(※最大2-way)
  • ビデオ出力:DiplayPort 1.4×4,DVI×1
  • 対応解像度:4096×2160ドット@120Hz,5120×2880ドット@60Hz
  • VR Ready:対応
  • FP16理論演算性能:最大20 TFLOPS
  • FP32理論演算性能:最大10 TFLOPS
  • FP64理論演算性能:最大5 TFLOPS

Quadro GP100のスペックがまとまったスライド
Quadro & Tesla

 さて,先ほど筆者はQuadro GP100をNVLinkに対応する初のグラフィックスカードと述べたが,実のところ,PCIe版Tesla P100であるTesla P100 for PCIe-Based ServersはNVLinkをサポートしていないので,Quadro GP100は,世界初のNVLink対応PCIe拡張カードと紹介することもできる。

「2枚のQuadro GP100」がNVLinkブリッジコネクタでつながっている例。大型のコネクタ2つを利用するようだ
Quadro & Tesla
 NVIDIAによると,Quadro GP100で採用するNVLinkは,GeForce GTX 10シリーズのSLI HB Bridgeと似たようなブリッジ回路として機能し,演算性能を向上させるという。
 なお,Quadro GP100がサポートするマルチGPU構成は上述のとおり2基まで。NVLinkのコネクタが2基分しかないので,3〜4基のマルチGPU構成は物理的に対応しないとのことだ。

 もう1つ,Quadro GP100で注目すべき点は,ディスプレイ出力にある。Quadro GP100は,DisplayPort 1.4出力を4系統備えており,4096×2160ドットなら垂直リフレッシュレート120Hz,5120×2880ドットなら垂直リフレッシュレート60Hzで,いずれも4画面同時出力が可能なのだ。
 また,VRヘッドマウントディスプレイへの出力にも対応しているという。NVIDIAは,建築や工業設計,医療といった分野でフォトリアリスティックなVR技術が求められているとのことで(関連記事),VR対応もQuadro GP100のアピールポイントになっている。

工業設計の分野では,VRへの対応が求められているという。NVIDIAでは,こうした分野のVRを,「Enterprise VR」と称している
Quadro & Tesla

 GP100を搭載するQuadroシリーズの登場は予想の範囲だったが,NVLinkによるデュアルGPU構成に対応してきたのには,少々驚かされた。
 NVLinkは,1リンクあたり双方向40GB/s×のバス帯域幅を持つ高速インターコネクト技術である。それをQuadroとはいえグラフィックスカードが採用してきた以上,将来的にゲーマー向けのGeForceでもSLIに代わってNVLinkを採用する可能性が出てきたとは言えるだろう。

Quadroシリーズがカバーする領域を示したスライド。巨大なデータによる演算やVR,AI,フォトリアリスティックな物理ベースレンダリングなど,大量の演算を必要とする分野がその対象だ
Quadro & Tesla
 ただ,NVIDIAはQuadro GP100の説明で,「SLIでは3Dグラフィックスレンダリングのフレームレート向上に特化している。それに対して,NVLinkは,広帯域幅のバスで複数のGPUを緊密に結びつける」と説明している。Quadroシリーズがカバーする領域は,物理ベースの3Dグラフィックスやシミュレーション,VRやAI用途にも広がっていくとのことなので,NVLinkの採用は,グラフィックスも含む演算性能全体の向上を意図しているようだ。
 もちろん,ゲームグラフィックスも進化し続けているので,将来的にはGeForceシリーズでもNVLinkや類似技術を採用する可能性はある。ただ,それはもう少し先の話になるのではないだろうか。

従来までの工業設計では,CPUベースのシミュレーションを終えるまで,設計のプロセスを先に進められなかったが,Quadro GP100は極めて高い性能を持つため,設計とシミュレーションを並行して進められるようになるという
Quadro & Tesla


ローエンド向けQuadroには新開発のGPUを採用か?


 本稿の冒頭でも紹介したとおり,NVIDIAは今回,ミドルクラスからローエンド市場向けとなるQuadroも5製品発表した。今回の発表により,Quadroはすべての市場セグメントに向けてPascal世代への移行が完了したことになる。

新製品を含むQuadroのラインナップと,ターゲットとなる市場の相関。P4000以下のQuadroが登場したことにより,Pascal世代が上から下までカバーできるようになった
Quadro & Tesla

 順に見ていこう。ミドルクラス市場向けで,VR ReadyでもあるQuadro P4000は,1792基のCUDA Coreを統合したGPUを採用するグラフィックスカードだ。
 NVIDIAは,各製品が搭載するGPUの詳細を明らかにしていないのだが,1792基のCUDA Coreに容量8GBのGDDR5メモリというスペックから推測すると,「GeForce GTX 1080」と同じ「GP104」コアから,演算ユニット「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)を6基分を無効化したものではないだろうか。

Quadro P4000のスペックを記したスライド
Quadro & Tesla

 続くQuadro P2000は,CUDA Core数が1024基,Quadro P1000は640基となっている。こちらも筆者の推測であることを断ってから続けると,Quadro P2000は,「GeForce GTX 1060」で採用する「GP106」コアから,2基分のSMを無効化したGPU,Quadro P1000は,「GP107」コアから1基分のSMを無効化した,「GeForce GTX 1050」相当のGPUをそれぞれ採用するものと思われる。

Quadro P2000のスペックを記したスライド
Quadro & Tesla

Quadro P1000のスペックを記したスライド
Quadro & Tesla

 さて,ここまでは既存のGPUをベースにしたものだろうと推測できるのだが,ローエンド市場向けのQuadro P600とQuadro P400が搭載するGPUは,正体が分からない。CUDA Coreの規模は,Keplerベースの「GeForce GT 730」(GK208)に相当するが,2製品ともPascalアーキテクチャなので,当然ながら別物だ。
 コンシューマ向けにはまだ登場していないPascalベースのGPU――“GP108”あたり?――を採用しているのではないだろうか。

Quadro P600のスペックを記したスライド
Quadro & Tesla

Quadro P400のスペックを記したスライド
Quadro & Tesla

 Quadroシリーズのローエンド市場向けだけのために,GPUコアを新たに開発するというのも考えにくいので,Quadro P600やQuadro P400と同じGPUが,たとえばノートPC向けGPUなどとして登場してくる可能性はあるかもしれない。

Pascal世代Quadroと,Kepler〜Maxwell世代Quadroの性能を比較したグラフ。縦軸は前世代を1として,後継製品がどれだけの性能向上を示したかを表すものだ。「Quadro P6000」とQuadro GP100の性能が互角である点に注意してほしい。Quadro P6000は3840基のCUDA Coreを持つ「GP102」を採用しているので,3584基のQuadro GP100よりCUDA Core数が多い。それでも互角の性能を発揮しているのは,HBM2の効果によるものだろう
Quadro & Tesla

 以上,おおまかにQuadroシリーズの新製品を紹介してみた。2016年に登場したHBM2やNVLinkといった技術が,ついにグラフィックスカードへ“下りて”きたということで,Quadro GP100は1つのマイルストーンになったとまとめることができるだろう。
 これらの技術を使った製品が,ゲーマー向け製品として登場するのか,するとしたらいつか。今後の動きに注目したい。

NVIDIAのQuadroシリーズ製品情報ページ


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