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2万5000円は高いか? 任天堂カンファレンス時の投資家向けQ&Aセッション詳細公開中
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印刷2010/10/04 21:34

業界動向

2万5000円は高いか? 任天堂カンファレンス時の投資家向けQ&Aセッション詳細公開中

 任天堂は9月29日の任天堂カンファレンスと同日に行われた投資家向けのQ&Aセッションの内容を公開している。これは,4Gamerでもいろいろと報じてきたカンファレンス本体のあとに,投資家・アナリストなどを対象に行われていたものとなる。
 ゲーマー向けのものではないのだが,興味深い内容も多いので,質疑応答のなかからいくつかニンテンドー3DS関係の話題をピックアップしてみたい。

 まず,発売時期と価格についての質問が挙がっていた。
 発売時期について,やはり最初は年内投入を目指していたようだが,来年に延期された理由として,岩田社長は,

  • 数量を確保するのが難しい
  • 製品の完成度を上げたい

という2点を挙げている。今期の業績だけ見れば,予定どおりに発売したほうがよいのだろうが,プラットフォームとして今後のビジネスを行ううえでは,十分な完成度にしてからスタートしたほうがメリットが大きいと判断したようだ。年末商戦を逃すのは痛くないはずはない。

 「据え置き型のWiiより高い」という指摘に対しては,表示デバイスまでついたものなので単純比較はできないといった答弁が行われたようだが,まあ,Wiiより高性能かもしれないゲーム機なので,Wiiより高くてもそう不思議ではない。
 そもそも携帯型ゲーム機が据え置き型よりも安くなければといけないという感覚自体に違和感はある。仮にWiiコンパチの携帯型ゲーム機が出たとすると,やはり据え置き型Wiiより安くないと変だという人は出てくるのだろうか。

 価格自体については,発表会後に「高い」という声が非常に多く出ていたのが個人的に印象に残っていたのだが,投資家にとっても気になるポイントだったようだ。
 同カテゴリの製品だと,現在ニンテンドーDSiが1万円台後半で販売されている一方で,PSP Goのメーカー希望小売価格は2万6800円だ。
 ニンテンドー3DSは,ニンテンドーDSiと形は似ているのだが,立体視ディスプレイパネルを除いても中身は桁違いに高性能化している。本体以外にクレードルやSDカードが同梱されることなどを考えると,むしろリーズナブルといってもよい。
 おそらく製品内容に関わらず,「2万5000円」という価格自体を「高い」と思う人が増えているということなのであろう。このあたりは感覚的なものなので景況感次第で,「高いとはいわれない価格」は変わってきそうだ。ゲームハードウェアの開発は一朝一夕にできるわけではないので,開発時に想定していたよりも景気回復が遅れ,むしろ景気悪化気味の世情になっていたということなのかもしれない。

 「いつのまに通信」では,スリープ中でもアクセスポイントの近くを通りかかると自動的にファームウェアの更新などが行われる予定とのこと。これにより,発売後の機能強化などにも柔軟に対応できるという。
 また,ダウンロードしたゲームはSDカード内に記録されることになるのだが,このような汎用の記録媒体ではセキュリティも問題になってくる。そのあたりについては任天堂も承知しているようで,セキュリティ対策の完成度を十分に上げて世に問いたいとしている。

 高性能化が進んでくると,心配なのがバッテリーの持続時間だが,これまでのゲーム機に比べるとかなり持ちは悪くなりそうで,クレードルを標準で付けた理由もそのあたりにあるようだ。「家に帰ったら置いてくださいね」とのことなので,毎日の充電が基本になると考えておいたほうがよいだろう。


 全体に質疑に対しては的確な応答が行われているのだが,投資家筋にとっては2万5000円という価格と発売延期はかなりのマイナス材料に映ったようで,発表会直後に任天堂の株価は急落している。これも任天堂にとっては織り込み済みなのかもしれないが,ゲーム業界に係わる立場としては,こういったマイナス材料を押して断行した発売延期で,単に立体視でゲームができることに留まらない,完成度の高いプラットフォームが登場することに期待したいところである。

任天堂カンファレンス Q&A セッション

http://www.nintendo.co.jp/ir/library/events/100929qa/index.html
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