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公正取引委員会,ディー・エヌ・エーによるグリーへのゲーム提供妨害に対し排除命令
事実関係を整理すると,ディー・エヌ・エーは2010年7月頃からモバゲータウンの有力ゲーム提供会社複数社に対し,グリーにゲームを提供しないことを要請。グリーにゲームを提供しない場合には支援を,これに従わない場合には,モバゲータウンに,その会社のゲームへのリンクを掲載しないことを通告していたという。実際に,グリーへのゲーム提供を行った会社のゲームは,モバゲーからリンクが外され,ゲーム検索でも引っかからないような措置が行われていた。
これにより,過半数の会社はディー・エヌ・エーが許可したタイトルを除いてグリーへのゲーム提供を中止し,グリー用に開発していた新ゲームの公開を断念した会社も存在したという。
今回の排除命令では,ディー・エヌ・エーは,現在そういう行為は行ってないこと,および今後行わないことを取締役会で確認し,防護措置を講じたうえで定期的な監査を実施しなければならない。
これは分かりやすくいえば「囲い込み」という奴で,合法なものからそうでないものまでいろいろやり方はあるのだが,この手のモノは,世間ではいろいろな形で散見されるものなのであるが,やり方がマズかったとしかいいようがない。内容を見れば,独禁法違反も当然といったものであり,急成長した若い企業とはいえ,これだけの規模の会社で経営陣によるコンプライアンスのチェックがまったく機能していなかったとしか思えない点も驚きではある。
とはいえ,今回の排除命令も,「リンクを外す嫌がらせをしていたので,今後はリンクを外す嫌がらせはしてはダメだよ」という内容に留まっており,囲い込み自体が否定されているわけではない。今後は,もっとサービスの利便性を上げるなど,ポジティブな方向での競争に集中していただきたいものである。
株式会社ディー・エヌ・エーに対する排除措置命令について
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/11.june/110609honbun.pdf- この記事のURL: