800万台達成が発表された「Kinect」。MicrosoftのCEOへのインタビューで，同社がPCのサポートも視野に入れていることが明らかに

　発売前は，一部で「市場への浸透は難しい」とも言われていたMicrosoftのモーションコントローラ「Kinect」だが，先週アメリカのラスベガスで開催されたConsumer Electronic Show（CES）で，2010年11月の正式発売からの2か月で，世界総計で800万台の売り上げを記録したことが発表されるなど，周辺機器としては好調なスタートダッシュを見せている。
　今後は，この「800万人市場」を目指して新作タイトルが次々に発表されていくようで，コントローラを使わないゲームが，これからのトレンドになるかもしれない。

　そんなKinectが，PC向けにリリースされる可能性のあることが判明した。これは，イギリス放送協会（BBC）のオンライン版が，MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏に行ったビデオインタビューで明らかになったことだ。インタビューの中でバルマー氏は，「良い時期を見計らって正式に発表したい」と述べている。

BBC「Microsoft's Ballmer hints at PC support for Kinect」

　画期的なテクノロジーであるKinectは，ゲーム以外でも利用価値が高いとされており，「ロボット工学や医療でも利用できる」とする研究者もいる。ただ，PC用モニターとプレイヤーの距離は，テレビと比較して近い場合が多く，ゲームに使用しても，従来のプレイスタイルでは表情や上半身しか認識できない。したがって，Xbox 360とは異なるゲームメカニズムを持つ必要があり，それをクリアにしてゲーム用機器として成功するかどうかは難しいとする意見もある。
　とはいえ，家庭で手軽にモーションキャプチャーができることの意義は大きく，得られたデータの利用についても，PCのほうがはるかに柔軟だ。「良い時期」のMicrosoftからの発表を待ちたい。