全国展開を狙う「ALIENWARE ARENAゲーミングカフェ」福岡店が18日オープン。秋葉原よりもハイスペックなPCとゆとりの空間を用意

ALIENWARE ARENA inサイバック博多駅前店の店内

　Dellのゲーマー向けPC「ALIENWARE Aurora」を設置するオンラインゲームプレイ施設「ALIENWARE ARENA inサイバック博多駅前店」（以下，福岡店）が，2013年5月18日に福岡市博多区のネットカフェ「サイバック博多駅前店」店内にてオープンする。2012年2月に秋葉原でオープンした施設（以下，秋葉原店）の第2弾にあたるものだ。
　18日の正式オープン時には，「Alliance of Valiant Arms」のイベントが，11時から17時30分まで開催される予定となっている（イベント参加申込ページ）。

　オープンに先立つ5月17日に，Dellの日本法人であるデルと，サイバックを運営するカジ・コーポレーションは，同施設の事前見学会を開催した。全国展開を目指すというALIENWARE ARENAゲーミングカフェの福岡店の模様をレポートしよう。

PC全部にGTX 690を搭載し「どんなゲームも快適」

サイバック博多駅前店が入居するビルは，九州北部のハブである博多駅から徒歩数分の場所にあり，遠方からの来店も容易だ

　ALIENWARE ARENAの福岡店があるサイバック博多駅前店は，JR博多駅から徒歩数分という好立地にあるネットカフェだ。同店はPCによるインターネット利用やオンラインゲームプレイだけでなく，カラオケやビリヤード，ダーツのコーナーも備えた複合施設で，ALIENWARE ARENAゲーミングカフェは，同店が入居するビルの7階部分に設けられている。

　施設内の基本的なデザインイメージは，秋葉原店のものを踏襲しており，照明を控えめにしたフロアに，イルミネーションのついた“島”が2つ配置されている。1つの島には，5台並んだALIENWARE AuroraとBenQのゲーマー向け液晶ディスプレイ「XL2420T」が表側と裏側の2列ある。島が2つなので計20台のPCがあるわけだ。PC本体は島中央の高いところに設置されているので，ALIENWAREの特徴であるボディのLEDイルミネーションがとても目立つ。

施設内の様子。PCはテーブルの上にかかる台の上に乗せられており，ボディ側面のLEDによる光がとても目立つ。PC自体は転倒防止用のバンドでしっかりと固定されている

台に埋め込まれたイルミネーションは，色を変えられる。イベントではチームごとに青や赤に変えて，対戦の雰囲気を盛り上げるといった使われ方をしているそうだ

　福岡店で使われている20台のALIENWARE Auroraは，秋葉原店のものよりも強力なスペックを備えているという。Windows 7のコントロールパネルから確認したところ，グラフィックスカードはGeForce GTX 690，CPUはCore i7-3820/3.6GHz，メインメモリは16GBを搭載していた。20台全部がこの構成だというから驚きだ。
　インターネット回線自体も，ALIENWARE ARENAゲーミングカフェ用にギガビット級の専用線を引いているとのこと。施設に関する説明を担当した，ALIENWAREブランドマネージャーの添田貴嗣氏は，「ここで快適に遊べないゲームはないでしょう」と自信を見せる。

ALIENWAREブランドマネージャーの添田貴嗣氏

Windowsエクスペリエンスインデックスを確認した様子。GPU，CPU，メモリもすべて強力だ

秋葉原店の経験を踏まえて余裕のあるレイアウトを選択

　秋葉原店との違いは，PCスペックだけではない。たとえば秋葉原店では40台のPCが設置されているが，福岡は半分の20台。施設の面積が狭いのかと思ったが，添田氏によると福岡の面積は約95m²で，秋葉原の約100m²と大差がないそうだ。

イベントでの使い勝手を考慮して，レイアウトはあえて余裕を持たせたという

　同じ面積でも設置台数を減らしたのは，秋葉原店が多くのPCを設置したために，通路やPC同士の間隔が狭くなってしまったことの反省を踏まえたものだという。ALIENWARE ARENAゲーミングカフェは，単に来場者がゲームを楽しむだけでなく，企業やユーザーグループによるイベント開催も重視している。実際に秋葉原店では，オープンから1年で約50回もの公式ゲームイベントを開催した実績があるという。そこで福岡店ではイベントでの使い勝手を考慮して，あえて台数を減らしたうえに，PC 1台分のテーブル面積も広げて余裕を持たせた作りとした。

1台分のスペースも秋葉原店より広げてある。また，PCの前で飲食することを好まない人向けに，飲食用のコーナーも別に用意してあるとのこと

　たしかに，店内は通路の間隔に余裕があるし，椅子やテーブルを並べるフリースペースもあるので，人の大勢集まるイベントでは，福岡店のほうが使いやすそうだ。またPCごとに，ユーザーが自由に使えるサービスコンセントを用意したりという，細かい改善も加えられているとのことだ。

　また，PC本体はすべて同じ機種だが，接続されているキーボードやマウス，ヘッドセットは，1列ごとに異なるメーカーの製品が使われている。福岡店ではALIENWARE付属のキーボードとマウスのほかに，RazerやDHARMAPOINT，ZOWIE GEARのゲーマー向けキーボードとマウス，ヘッドセットが使われていた。
　店内でALIENWAREのPCや各社の周辺機器を販売しているわけではないが，ここでは実際にゲームを使って，これらを試せるのだ。福岡店から徒歩15分程度のところにあるヨドバシカメラのマルチメディア博多店があり，そこではALIENWAREのPCを購入できるので，そちらへの誘導も考えられているとのことだ。

Razer（左）やZOWIE GEAR（右）のゲーマー向けキーボードやマウス，ヘッドセットを備えた機材もある。左写真はRazerのキーボード「Razer BlackWidow Ultimate 2013」とマウス「Razer DeathAdder」，ヘッドセット「Razer Kraken」。右のZOWIE GEAR製品は，キーボード「ZOWIE CELERITAS」とマウス「ZOWIE FK」

大阪や名古屋，仙台にも広がるALIENWARE ARENA

海外での展開も開始

秋葉原店の実績。予想以上に好調だったという

　ALIENWARE ARENAゲーミングカフェは，ALIENWAREのブランド認知度向上と同時に，オンラインゲーム市場の活性化や，プレイヤー同士の結びつきの強化を目指して始まったプロジェクトである。
　秋葉原では毎週のように，どこかでゲームやアニメのイベントが開催されているが，規模の小さなゲーム関連イベントを実施するには，予算や面積，機材の面で難しい面もあるのだという。その点ALIENWARE ARENAゲーミングカフェは，比較的低料金でそれなりのスペースを使えるうえ，すでにゲーマー向けPCやネットワーク回線，イベント用の機材も用意されているため，少ない予算でも効果的なイベントを開催できると評価されている。さらに企業利用だけでなく，ユーザーグループに対するイベント貸出も低料金で行っているので，そうした利用も盛んになってきているそうだ。

今後の展開プランでは，大阪，名古屋，仙台，札幌に進出する予定があるとのこと

　そこでデルでは，カジ・コーポレーションとの協力により，日本各地にALIENWARE ARENAゲーミングカフェを展開することを決定。すでに各所で準備が始まっているという。福岡店はその1つにすぎない。今後は大阪や名古屋，仙台や札幌にも展開し，6か所合計で年間9万人の利用を目指すと，添田氏は述べた。店舗対抗の対戦イベントなども考えられているという。

　さらに，海外でもALIENWARE ARENAゲーミングカフェの展開が始まっているそうだ。すでにシンガポールでオープンしているとのことだが，規模は桁違いで，なんと150台ものPCを設置しているという。それでも週末になると満員になるほどとのこと。今後は中国本土やマレーシア，オーストラリアでの展開も検討されているそうだ。
　オンラインゲーム主体のネットカフェといえば，韓国や中国が盛んで，日本はそこまでは盛り上がっていないのが実情だ。しかしALIENWARE ARENAゲーミングカフェは，日本初のオンラインゲーム施設が世界に広がるという，非常に珍しいケースとなりそうだ。

ALIENWARE ARENA in サイバック博多駅前店 公式ページ

ALIENWARE ARENAゲーミングカフェ　Direct2Dellブログ