連載
インディーズゲームの小部屋:Room#413「Stone Tales」
偉大なミュージシャンの死去に哀悼の意を表しつつお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第413回は,Yellow Worm Studiosが開発した「Stone Tales」をご紹介。本作は,旧石器時代の壁画のような世界で,旧石器時代の壁画のような人物が,旧石器時代の壁画のような動物達と戦うという,旧石器時代アクションゲームだ。
小柄な体格を生かした素早い動きと,槍を投げての攻撃が得意な弟のウガと,大柄で力持ち,盾を構えればどんな攻撃でも受け止めてしまう兄のブガは,偉大な戦士になるために冒険の旅に出かける。果たして2人は困難を乗り越え,一人前の戦士になれるのだろうか……。
というわけで,プレイヤーはウガとブガの2人を操作して,ステージをクリアしていくことに。本作では,2人を同時に操作するというのが大きなポイントで,ウガが右に行けば,ブガも右に動くといった具合に2人の動きが同期している。左右への移動はA/Dに割り当てられており,どちらか一方が敵に触れたり,穴から落ちたりするとミスとなって,チェックポイントからやり直しだ。
さらに注意すべきなのはジャンプ操作で,ウガはSpaceバー,ブガはWキーと,それぞれ別に設定されている。つまり,右に進みながら穴を飛び越えるときは,Dキーを押しながら,WキーとSpaceバーを同時に押すという,通常の操作ではまったく考えられない前代未聞の操作が要求され,これがなかなか難しい。
また,素早く2度,ジャンプ操作を行うことでハイジャンプが可能で,これを駆使しなければ先に進めない場面がたくさんあるのだが,普通にジャンプするよりも,さらに操作が難しいことは言うまでもないだろう。指がつりそうだよ!
ステージの途中で現れる狐や狼,牛や熊といった動物との戦いでは,ブガが盾で敵の攻撃を防ぎつつ,ウガがうしろから槍を投げるのが基本。攻撃と防御は,それぞれ左右のクリックに割り当てられており,それ自体はまったく難しくない。とは言え,2人は偉大な戦士を目指しているという割には,狐にちょっと足を噛まれたり,猿が投げた石に当たったりするだけでやられてしまうので,そっちのほうがむしろ心配になる。
そんな本作の大きな特徴となっているのが,まるで旧石器時代の壁画のようなアートスタイルのグラフィックスだ。絵画が動き出したかのようなグラフィックスのゲームでは,本連載の第372回で紹介した「Apotheon」があるが,本作はその旧石器時代バージョンとも言える。
本作の開発元であるYellow Worm Studiosは,スペインのマドリードに拠点を置くデベロッパだが,スペインには有名なアルタミラ洞窟の壁画が残されており,クロマニョン人が描いたものとされている。本作のテーマには,そうしたお国柄が反映されているのかもしれない。
偉大な戦士になるために旅に出た2人だが,その後は集落がほかの部族に襲撃され,村人共々,奴隷として捕らわれてしまったりと波乱万丈。石器時代も楽ではないのだ。敵対部族を倒して村人を救い,立派な戦士になれるかはプレイヤー次第というわけで,興味を持った人はぜひプレイしてみてほしい。そんな本作は,Steamにて598円で発売中だ。
■Yellow Worm Studios公式サイト
http://www.yellowwormstudios.com/- この記事のURL:
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