連載
インディーズゲームの小部屋:Room#346「So Many Me」
やりたいことが多すぎて,体がいくつあっても足りない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第346回は,Extend Studioの「So Many Me」を紹介する。本作は,自分のクローンを引き連れてステージをクリアしていく,アクションパズルゲームだ。せめて,もう1人……いや,5人くらい自分がいれば! あっ,自分は睡眠担当でお願いします。いやいや,それは自分が(以下,自分との押し問答が続く)。
本作の主人公は,Filoという名前の謎の生物だ。見た目はポヨポヨとした緑色の水風船のようだが,短い脚が2本生えており,ちょこまかと歩く姿が何とも可愛らしい。そんなFiloはAsimovと名乗る精霊に出会ったことから,世界が危機に陥っており,自分こそが世界を救う勇者に選ばれたと思い込んでしまう。人の話を最後まで聞かない人って,たまにいるよね。
しかし,半分はFiloの早とちりではあるものの,結果的にそれは間違いではなかったようで,さっそく冒険に旅立ったFiloは特別な能力を手に入れる。それは,“Ark Seed”と呼ばれるアイテムを取ることで自分のクローンを作り出すという能力である。ゲームの目的は,このクローンを活用してパズルを解き,Filoをゴールまで導くことだ。
クローンは通常,Filoのうしろを付いてくるだけの存在だが,任意の場所で石のブロックに変身させられるというのがポイント。ブロックにしたクローンは,いつでも変身を解除して呼び戻せる。これを使って空中に足場を作ったり,スイッチを押すための重しにしたりしながら,ステージを攻略していくのだ。
クローンは,各ステージに1つあるArk Seedを取ることで1体ずつ増えていくが,それでもやはり限りがあるので,どの場所に,どの順番でブロックを作るのかをよく考える必要がある。
また,クローンを使って作るブロックは,砲台から飛んでくるミサイルを避けるための壁にしたり,敵を一時的に足止めする障害物にしたりといった使い方も可能。ステージにはほかにも,ワープ装置やジャンプ台(のようなキノコ),動く足場やカードキーが必要な扉,そしてFiloを恐竜のような姿に変身させるパワースポットといったギミックもある。恐竜に変身すると,尻尾を振り回して敵をやっつけたり,行く手をふさぐブロックを破壊したりできるのだ。
さらにステージを進めると,ブロックに変化するだけではない,さまざまな能力を持ったクローンも使えるようになる。初めのうちはクローンを使ったパズルも簡単なものばかりだが,ギミックが増えるにつれて徐々に難しくなっていくので,遊びごたえは十分。また,どのステージにもArk Seedを含めて3つのアイテムが配置されており,これらを集めてFiloやクローンの見た目をカスタマイズするといった要素もある。
すべてのアイテムを取ろうと思うとかなり大変だが,一度クリアしたステージはあとで再挑戦できるので,難しいと思ったときはさっさと先に進んでしまってもいいだろう。多彩なギミックで飽きずに遊べるのはもちろん,たくさんのクローンをぞろぞろと引き連れて歩く,可愛いビジュアルがたまらなく魅力的なゲームなので,パズルゲームが好きな人はぜひお試しを。
そんな本作はSteamにてデモ版が配信されているほか,製品版が14.99ドルで発売中だ。
■「So Many Me」公式サイト
http://x10interactive.com/somanyme/- この記事のURL:
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