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インディーズゲームの小部屋:Room#316「KAMI」
可愛い幼女が首領を務める秘密結社に入団するため,そろそろ禁煙しようかと考えている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第316回は,State of Play Gamesの「KAMI」を紹介する。本作は,和紙をテーマにしたシンプルなパズルゲームだ。いっそのこと,4Gamerも征服されちゃえばいいと思います。征服実行!
もうすでにお分かりかと思うが,本作のタイトルである“KAMI”とは,“神”でも“髪”でも“ネ申”でもなく“紙”であり,すなわちペーパーのこと。ステージには本物の和紙を素材として取り込んだというカラフルなパネルが敷き詰められており,これらを決められた手数内で,すべて同じ色に揃えるのがゲームの目的だ。
遊び方は簡単で,画面下にいくつか並んでいる少し大きめのパネルから好きな色を選び,メインエリアでその色に変えたいパネルをクリックするだけ。すると,クリックしたパネルと,その上下左右に隣接している同じ色のパネルが,パタパタと連鎖的に指定した色に置き換わっていく。例えば,画面下で茶色のパネルを選んでからメインエリアで黒のパネルをクリックすると,指定したパネルを起点に周囲の黒いパネルが茶色に変化するというわけだ。
これを繰り返して,メインエリアにあるすべてのパネルを一色にすればステージクリア。とくにどの色に統一しなければいけないといったルールはないので,何も考えずにひたすらクリックしているだけでもクリアできそうだが,もちろんそうは問屋が卸さない。まあ,そりゃそうですよね。実際には,画面右の中央に表示された数字の回数内で色を揃えなければならないのだ。これが,なかなか難しい。
色数が少ない序盤のステージのうちは,少し頭を使えば解ける程よい難度だが,色数が増えて複雑になってくると,ひと目見ただけで音を上げそうになるほどのややこしさ。一応,救済ルールとして,指定された手数+1手まではクリアと認められるのでどうにかなるが,きっちり最少手順でクリアするのは大変だ。アドバイスとも呼べないアドバイスだが,ルール上はどの色に揃えてもいいとはいえ,最終的にどの色を残すかをイメージしたうえで,そこから逆算して色を変えていく順番を考えるといいかもしれない。
和紙ならではの質感を活かしたテクスチャと,雅で落ち着いた色合いが使われたグラフィックスはシンプルながらも美しく,パネルの色が折り紙のようにパタパタと音を立てて変化していくアニメーションは見た目に楽しい。琴や笛などの和楽器によるBGMもあでやかで,日本人的な感性にぴったりとフィットする素敵な作品だ。そんな本作は,Steamにて3.99ドルで発売中。また,iOS版およびAndroid版が,App StoreとGoogle Playでそれぞれ配信されているので,ちょっとした息抜きにぜひお試しを。
■「KAMI」公式サイト
http://www.stateofplaygames.com/work/kami/- この記事のURL:
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