連載
インディーズゲームの小部屋:Room#304「Fantasy of Alice」
アリスが目を覚ますと,そこは知らない森の中だった。おまけにアリスは記憶喪失になっており,自分の名前しか思い出せない。とりあえず,自分の身に何が起きたのかを確かめようと森を歩き始めたアリスだったが,いきなり敵が襲ってきたりと,次々に新たな事件が降りかかってきて……というわけで,プレイヤーはアリスを操作して,不思議な世界で冒険を繰り広げることに。
主人公のアリスは,見た目は美少女だが,自分のことを美男子だと語っており,口調も確かに男の子っぽい。これはもしかして,こんなに可愛い子が女の子のはずがないっていうアレですか? だが,本人の主張がどうであれ,筆者の脳内ではアリスは女の子ということになっているので何も問題ない。人間,見た目が9割という言葉もあるし。
アリス |
ジャック |
ハートの女王 |
ミリア |
ゲームは,アリスやほかの登場キャラクターの会話シーンが展開されるアドベンチャーパートと,クォータービューのシミュレーションRPG風の戦闘パートを交互に繰り返す形で進めていく。しかし本作では,戦闘を通じてキャラクターが成長するという要素が一切ないのが大きな特徴だ。
状況がよく分からないうちに敵と戦うはめになったアリスだが,アリス本人は非力で,敵と直接戦ってもほぼ勝ち目がない。おまけに,いくら敵を倒してもアリスが強くなったりもしない。そこで重要になるのが,アリスの持つ“クリスタル生成”と“ゴーレム生成”という2つの能力。いつの間にそんな特技を身に付けたのかは不明だが,まあ記憶喪失だし,そういうこともあるよね。
クリスタル生成は,結界魔法を発動するために必要なクリスタルをマップ上に設置するというもの。2つ以上のクリスタルを縦横斜めのラインを結ぶように置くと,クリスタル同士が連結して“結界エリア”が形成される。例えば,2つのクリスタルを離して設置すると直線の,3つだと三角形の結界エリアが出来上がる。この結界エリアに敵を誘い込み,結界魔法を発動すれば,エリア内にいるすべての敵にダメージを与えられるという寸法だ。
そして,もう1つの能力であるゴーレム生成は,マップ上にあるキノコや花などのオブジェクトからゴーレムを呼び出すというもの。ゴーレムには,元になったオブジェクトに応じて,敵を麻痺させたり,引き付けたりといった特技があり,さらにアリスよりも頑丈なので,孤立無援のアリスにとって心強い味方になってくれる。
また,呼び出したゴーレムは“結晶化”コマンドでクリスタルに変化させられるというのも重要なポイント。つまり,ゴーレムに別行動をとらせることで,アリスから遠く離れた場所にクリスタルを設置できるというわけだ。結界魔法は,多くのクリスタルを連結させるほど威力が増し,さらにクリスタルを広範囲に設置することで効果エリアを広げられるので,ゴーレムをどのように動かすかは戦局を大きく左右する。
そんな本作は,第4章まで遊べる体験版が公開されているほか,製品パッケージ版が1470円,また製品ダウンロード版が1260円(共に税込)で発売中。製品版には本編のほかに,さらにパズル性の高いエクストラステージも収録されているので,手ごたえのあるストラテジーゲームを求めている人はぜひ挑戦してみよう。
■「Fantasy of Alice」公式サイト
http://execute.crosstie-bell.com/foa/- この記事のURL:
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