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インディーズゲームの小部屋:Room#272「Retro/Grade」
先日,OSを入れ替えたばかりだというのにHDDが丸ごとクラッシュしてしまい,軽くショックを受けている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第272回は,24 Caret Gamesの「Retro/Grade」を紹介する。本作はシューティングゲームを逆再生したような見た目が特徴のリズムゲームだ。不幸中の幸いにも,原稿や画像は別のHDDに保存しておいたので助かったー。
さて,さっそくゲームを開始すると,いきなりラスボスとの戦闘シーンが展開される。なんだこりゃ? と思いつつ,Spaceバーを押して弾を発射し,何発かこちらの攻撃を当ててやるとボスはあえなく大爆発。そのままスタッフロールに突入する。よく分からないけど,開始5秒でクリアだぜ! と思いきや,ここから時間が巻き戻され,自機や弾丸が後ろ向きに飛び始める。なんてこった。このままでは,宇宙の時間の連続性が破壊されてしまう!
というわけで,プレイヤーの仕事は自機を操作して,自分のこれまでの戦いを逆再生でやり直すこと。具体的には,リズムに乗って画面の右から左に飛んでくる弾に合わせて自機を上下に動かし,タイミングよくSpaceバーを押して受け止めるのだ。画面右から飛んでくる弾は自機が撃ったもの(という設定)なので,一つ残らず受け止めよう。逆に,画面左から右に向かって飛んでくる弾は敵が撃ったもの(時間が巻き戻る前に自機が回避したもの)となるので,こちらは華麗に回避すべし。
画面左上には時間の連続性を表したメーターがあり,自分の弾を受け損なったり,敵の弾に当たったりすると減少していく。これがゼロになってしまうと時間の連続性が失われて任務失敗だ。しかし,画面右上のもう一つのメーターが残っていれば,ほんの少し時間を巻き戻して,失敗する前からやり直すこともできる。時間が逆向きに流れているときに時間を巻き戻すと,つまりは通常の流れになるというわけで,考えれば考えるほどややこしいなあ,もう。
右から飛んでくる自機の弾には,Spaceバーを1回押せば済む単発のものだけでなく,Spaceバーを長押ししないといけないビームや,連打する必要があるミサイルなどもあり,見た目は確かにシューティングゲーム風だが,やっていることは正にリズムゲームそのもの。普通のリズムゲームと大きく違うのは,左から飛んでくる弾を避けなければいけないという点で,このあたりは逆再生シューティングというアイデアの勝利と言っていいだろう。
文章で書くと,リズムゲームに回避要素を加えただけということになり,実際そのとおりなのだが,プレイしてみるとこれがなかなか一筋縄ではいかず,難度が上がると画面の両端からひっきりなしに弾が飛んできて,かなり大変。ボタンを押すタイミングだけに注意すればいい,普通のリズムゲームとはまた一味違ったプレイ感覚が味わえる。きらびやかなグラフィックスと,ビートの利いた楽曲も一見(一聴)の価値あり。本作の楽曲は,公式サイトの「こちら」で試聴できる。ゲーム本編は,Steamで9.99ドルにて発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。
■「Retro/Grade」公式サイト
http://www.retrogradegame.com/- この記事のURL:
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