連載
インディーズゲームの小部屋:Room#251「McPixel」
暦のうえでも,気候の面でもすっかり秋になってしまったが,個人的にはそろそろ夏休みが欲しい筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第251回は,Sosの「McPixel」を紹介する。本作は,放っておくと20秒で何かが爆発してしまうシチュエーションを,直感だけで解決していくポイント&クリック型アドベンチャーゲームだ。来週あたり休んじゃおうかなー(チラッ)。
本作最大の特徴となっているのは,問題のシチュエーションがどれもこれも理不尽なものばかりというところ。例えばディスコ(死語)で床にリンゴが落ちている→拾ってターンテーブルに乗せる→爆発! また別の場面では,コーヒーショップに客が並んでいる→床にはバケツが置いてある→それを拾ってなぜか客に殴りかかる→爆発! といった具合だ。
まったくもって理解不能だが,本作にはこうしたシチュエーションが全部で100個も用意されている。そして,そのどれもが何もしなくても20秒後には爆発してしまうので,とにかく行動して,それを防ぐ方法を見つけ出すしかないのだ。主人公であるMcPixelの操作は簡単で,これだ! と思ったものをただクリックするだけ。すると,その何かを使ってMcPixelがアクションを起こし,問題を解決したり爆発したりといった結果がもたらされるという寸法だ。
McPixelがどんな行動を起こすかは選んだオブジェクトによって決まっており,プレイヤーはただそれを傍観することしかできないが,このMcPixel,どうも頭のネジが100本くらい緩んでいるらしく,落ちているものを拾って手近な物や人に殴りかかるのが基本パターン。殴られたほうも殴られたほうで,予想外のリアクションを起こし,はっきり言って論理的な思考で爆発を防ぐ方法はないに等しい。そもそも何が爆発するのかもよく分からないし。
正解を書くとネタばれになってしまうが,例として一つだけ,上述したディスコでの正解パターンを紹介すると,こんな感じ。ターンテーブルを蹴飛ばす→吹っ飛んだレコードが客の顔を直撃→怒った客がレコードを投げつける→そのレコードが別の客のアフロヘアをスパッと両断→アフロヘアに隠されていた爆弾が画面外に飛んで行きミッション成功! 自分で書いていても,さっぱりわけが分からないが,本作の場合,野暮なツッコミは無用というものだ。
ゲーム全体でこうしたバカバカしいノリが貫かれており,それを楽しめるかどうかが本作のキモだが,個人的にはこの,いい意味で頭の悪いテイストは結構お気に入り。あまりにもヒドイ展開ばかりなので,プレイ中は何度も思わず吹き出してしまった。あまり万人向けの内容とは言えないかもしれないが,シュールなギャグが好きな人には,ぜひプレイしてほしい一本だ。
そんな本作は,ブラウザで遊べる体験版が公式サイトで公開されているほか,Steamにて製品版が4.99ドルで発売中。本作にはiOS版やAndroid版もあるので,電車の中で遊びたい人はそちらをどうぞ。
■「McPixel」公式サイト
http://mcpixel.net/- この記事のURL:
キーワード