インディーズゲームの小部屋：Room＃164「ノネットカード」

　ねえ，知ってる？　今回が2010年最後の「インディーズゲームの小部屋」なんだって。と，きっと忘年会でも話題持ちきりに違いない連載第164回は，MUYMの「ノネットカード」を（おそらく）忘年会前に紹介する。
　どうもつい最近，同じネタを使ったばかりの気もするが，本作は連載第137回で紹介した同サークルのノベルゲーム「FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」のキャラクターをモチーフにしたカードゲームだ。それにしても，深夜アニメを見ているとよく見かける，テレビドガッチの豆しばCMは可愛いですな。マメリークリスマス！

　さて本作では，上述のとおりFifteenHoundsのキャラクターをカードのイラストに使用しているとはいえ，世界観やストーリー上の繋がりはまったくない。むしろ，FifteenHoundsで血みどろの戦いを繰り広げたキャラクター達にしてみれば，自分達がカードゲームのネタにされていることのほうが驚きだろう。


　しかし，ノネットカードの世界では，この新しく発売されたカードゲームが大流行しており，授業中にまで遊び続ける生徒が現れる始末。プレイヤー扮する新任教師が担任する二年四組も，もはや誰も授業に耳を傾けず，学級崩壊寸前という有様だ。そこで一計を案じ，合法的（？）に生徒達からカードを取り上げるため，二年四組の10人の問題児達（その名も二年四組十天王という）にカードゲームで勝負を挑む……というのが本作のストーリーだ。

　十天王とは，ずいぶんなネーミングだなとちょっと思ったが，4Gamerでも何人いるのかよく分からない四天王（筆者も含まれているみたい）が恥ずかしげもなく連載していたりするので，世の中，案外これくらい適当なほうがちょうどいいのかもしれないと思い直した。ちなみに，二年四組というのが小学校なのか中学校なのか，あるいは高校なのかもはっきりしないが，細かいことは気にしてはいけない。


　ゲームのルールは，10枚のカードを選んでデッキを組み，3×3マスの盤上に交互に一枚ずつカードを出して陣地の奪い合いをするというもの。カードは，空いているマスに自由に出せるが，もちろん相手のマスを奪うこともできる。カードに書かれた数字は，そのカードの攻撃力と体力を表しており，相手の体力より大きな攻撃力を持ったカードを重ねることで，そのマスを占領できるのだ。

　このとき，互いのカードの体力は引き算の要領で計算され，例えば相手のカードが10，自分のカードが20だった場合，敵のマスを奪い取ったあとの自分のカードの体力は20−10＝10となる。また，自分のカードの上にさらに重ねてカードを置くと，足し算の要領で体力をアップさせられる。こうして10枚のカードを出し終わったとき，より多くのマスを占領していたほうが勝ちとなる。


　つまり，基本的には数字の大きいカードが強い，ということになるのだが，各カードには6つの属性のどれかがついており，マスの属性と同じであれば体力ボーナスを，反対属性であればハンデを受けるという要素もある。そのため，同じ属性のカードばかりをデッキに入れていると，思わぬところで相手に逆転を許してしまうかもしれない。

　対戦で勝利すると，相手のカードの中から好きなものを一枚入手でき，少しずつカードを集めてデッキを強化しながら，より強い相手に勝負を挑んでいくというのが本作の遊び方だ。簡単ルールで楽しめるゲームながら，登場するカードは全154枚となかなかのボリュームで，集め甲斐はかなりのもの。興味を持った人は，まずは公式サイトにある体験版をプレイしてみよう。


　そんな本作は，12月29日より開催されるコミックマーケット79の3日目，12月31日（金）に，サークルべにたぬきのスペース（東5 ホ-45a）にて委託販売が行われるとのこと。まあ，早い話がMUYMは落選してしまったということですな。また，2011年1月1日よりショップでの委託販売が開始される予定となっている。価格は，コミケ79でのイベント販売が800円，ショップ販売が1100円（税込）の予定。少しでも早く，安く本作を手に入れたいという人はぜひコミケ会場に足を運んでいただきたい。

　なおMUYMは，本作と同時にもう一本，「ファルベの迷宮」という作品をコミケ79にて販売するとのこと。こちらの作品はまだ同サークルの公式サイトにも情報がない新作で，「オセロで勝ってヒントを入手し，それを元に数字を当てていく」というオセロ＋クイズ形式のゲームになるようだ。イベント販売価格は800円，2011年1月初旬に1100円（税込）にてショップ販売が予定されている。

「ノネットカード」ジャケット

「ファルベの迷宮」ジャケット

　今回，ノネットカードとファルベの迷宮のキャラクターイラストおよび，ファルベの迷宮のスクリーンショットを入手したので，最後にどどーんとまとめて紹介しよう。ということで，2010年の「インディーズゲームの小部屋」はこれにて打ち止め。また来年お会いしましょう。よいお年を！

■MUYM公式サイト

http://muym.web.fc2.com/

●ノネットカード

越智永津子

各務詩緒

向井莱

志太矢奈

森川菊	杉山燦	内藤奏美
服部らん	宝井貴香	立花穂積

●ファルベの迷宮

ゲーム画面

主人公

ロート

リラ

オランジュ

ブラウ

グラオ