インディーズゲームの小部屋：Room＃160「Clones」

　ねえ，知ってる？　レミングスが集団自殺するっていうのは実は俗説なんだって。と，きっと合コンでも馬鹿ウケするに違いない小ネタを披露しつつ，「インディーズゲームの小部屋」の第160回は，カナダの独立系デベロッパであるTomkorp Computer Solutionsが開発したレミングス風パズルゲーム「Clones」を紹介する。


　ゲーム内容は，グランド・セフト・オートシリーズで知られるRockstar Northの前身，DMA Designが開発した名作ゲーム「レミングス」とほぼ同じ。本作はタイトルにもなっている“Clones”という何だかよく分からない生物を，ゴールまで導くのが目的のゲームだ。


　レミングスはこれまでに多数の国産PCや家庭用ゲーム機に移植され，現役世代のゲーム機用としてはPlayStation 3版やPSP版も発売されているので，プレイしたことがある人も多いのではないかと思う。かくいう筆者も，その昔スーパーファミコン版を夢中になって遊んだ覚えがある。本作がどのようなゲームであるのかは，各自レミングスを入手してプレイしてもらいたい。以上，解散！

　……というわけにもいかないので，あらためて本作のゲーム内容を紹介していきたい。説明のほとんどは，レミングスをプレイしたことがある人にとっては今さら不要だろうが，復習のつもりで読んでもらえればと思う。


　さてゲームを開始すると，スタート地点からClonesが次々と出現し，勝手に歩き始める。Clonesはプレイヤーが指示を与えない限りひたすら歩き続け，行き止まりや段差にぶつかると向きを変えて歩き出す。とても残念なことに，こやつらには自分で危険を察知して回避するだけの知恵はないので，行き先が崖になっているような場合でも能天気に直進し，そのまま転落して勝手に死んでしまったりするのだ。

　プレイヤーはそんなClonesに指示を出して危機を回避させ，ゴールまで導いていく。Clonesに与えられる指示は，足元に穴を掘る，真横や斜めに穴を掘る，足元にレンガを積み上げて橋を作るなど，さまざま。ほかにも，頭上にプロペラを出して空を飛ぶ，風船のように膨らんで高所からフワフワ降りる，とおせんぼをして後続のClonesを反転させるといったことも可能。さらには，自爆して壁に穴を開ける，自爆して自分の死体（？）で穴を埋めるなんていう荒業も用意されている。


　これらの指示は，ステージごとに使えるものと使用回数が決められており，例えばプロペラを使って天井まで飛び上がったところで，すかさず自爆して穴を開け，後続のClonesにあとを託すといったように，複数の指示を組み合わせて使用する場面もある。

　また本作では，プレイヤーの指示に従わずに勝手に行動するClonesが登場するのも特徴だ。こいつらは好き勝手にステージに穴を掘って，プレイヤー側のClonesの邪魔をしたり，弾を飛ばして攻撃してきたりする。当然，これらをどう回避するか（または倒すか）もゲームの重要な要素となっているのだ。


　本作には，150ステージ以上を収録したシングルモードのほか，最大16人での対戦が可能なマルチプレイモード，そして自由にステージを作れるエディットモードまで用意されており，遊び応えは十分。レミングス系のパズルゲームが好きな人なら，長く楽しめること間違いなしだ。

　そんな本作は公式サイトやSteamなどを通じて体験版が公開されているほか，製品版が9.99ドルにて発売中。カラフルなClonesがえっちらおっちらとゴールを目指して行進する姿を見ているだけで楽しくなってくるゲームなので，興味を持った人はまずは体験版からぜひどうぞ。

■「Clones」公式サイト

http://clonesgame.com/