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インディーズゲームの小部屋:Room#137「FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」
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印刷2010/06/02 13:23

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#137「FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」



画像集#023のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#137「FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」
 「インディーズゲームの小部屋」の第137回は,MUYMのテキストアドベンチャー「FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」を紹介する。

 本作は,複数存在する時間軸を一つに決めるための異世界間戦争に決着をつけるべく,異なる三つの未来から現代にやってきた兵士達による血みどろの戦いと,その争いに巻き込まれて元恋人を失った主人公の少年,水島蓮梧の復讐劇を中心にストーリーが展開するノベルゲームだ。

 未来からやってきたのは,「チーム=ロメオ」「チーム=シエラ」「チーム=エコー」という三つのチーム。1チームは5名のメンバーで構成されており,合計で15名。これが,本作のタイトルである“フィフティーン・ハウンズ”の由来となっている。彼らはいずれも各世界を代表する精鋭達で,泥沼化した異世界間戦争の代理戦争を行うため,現代に送り込まれてきたという。

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チーム=ロメオ
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チーム=シエラ
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チーム=エコー
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 ゲームは,テキストがゲーム画面の前面に表示される,いわゆるノベルタイプのテキストアドベンチャーで,本文を読み進めながら時折り表示される選択肢を選ぶことでストーリーが分岐していくという,おなじみのスタイルだ。

 物語の舞台となる札幌市周辺では,人の頭部ばかりを狙った「首狩り殺人」と呼ばれる連続殺人事件が発生しており,犯人の手がかりはいまだにつかめていないという状況。実はこの事件は,誰かが何らかの目的で放った(と思われる)“鵺(ぬえ)”と呼ばれる怪物の仕業で,未来人達はどのチームがもっとも早くこの怪物を討伐できるかで勝敗を決しようとしているのだ。

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 しかし,かなりの強敵である鵺を倒すより,相手チームをやっつけてしまったほうが話が早いというわけで,各チームとも鵺を追いつつ相手チームの殲滅を狙っている。そのため,ストーリーの序盤からバトルシーンの連続で,物語の展開が非常に早いのが本作の特徴だ。彼らは基本的に,むやみに一般人を襲ったりはしないが,中には当然争いに巻き込まれ,命を落としてしまう人もいる。

 主人公の水島蓮梧は,彼らの戦いに巻き込まれたせいで元恋人を失ってしまった一人で,誰が彼女を殺した犯人なのかを突き止め,復讐するために,未来人達の戦いに積極的に関与していくことになる。しかし,彼らに接触して得られた証言はどれも互いに食い違っており,誰が彼女のカタキなのかはようとして知れない。
 ゲームはこの水島蓮梧を中心に,複数のチーム,登場キャラクターの視点から描かれ,どのチームが勝利を手にするのかという問題と同時に,水島蓮梧が元恋人のカタキを突き止められるかどうかが物語の2本の柱となっている。


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 ストーリーは大きく三つの流れに分岐し,それぞれに複数の結末が用意されている。また,人体強化や未来世界由来のトンデモ兵器を駆使して戦う未来人達に対して,水島蓮梧はただの一般人にすぎないため,途中で選択を誤るとあっという間にバッドエンドを迎えてしまう。のほほんとエンディングを迎えられるゲームでないことは確かなので,小まめなセーブは必須といっていいだろう。

 本作はテーマが戦いだけにバイオレンスな場面が多いが,時折り挟まれるコミカルなシーンがいい息抜きになっており,未来からやってきた3チームのメンバー達も,皆それぞれ強烈な個性を発揮している。もっとはっきり言ってしまうと,かなりの変態ぞろいであり,中でもチーム=シエラのリーダーの長谷川ときたら……。アーッ!

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 そんな,一癖も二癖もある登場人物達が,血で血を洗う戦争を繰り広げる中,プレイヤーは主人公の水島蓮梧となって彼らの裏をかき,元恋人を殺した犯人に迫ろうとする……。プレイヤーの気を持たせながら,さまざまな伏線を張りつつテンポよく展開するストーリーが本作の魅力で,ノベルゲームファンにぜひオススメしたい作品だ。

 MUYMの公式サイトでは,本作の1ルートがまるまる楽しめる体験版が公開されているので,興味を持った人はまずはそちらからお試しを。また,製品版は3150円(税込)にて発売中だ。体験版では,最初のシナリオのエンディングまでたっぷりプレイできるが,果たしてそこでは,どんな結末が待っているのか……。さらに続きが気になってたまらなくなってしまった人は,製品版の購入を検討してみよう。

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■MUYM公式サイト
http://muym.web.fc2.com/

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