連載
インディーズゲームの小部屋:Room#137「FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」
本作は,複数存在する時間軸を一つに決めるための異世界間戦争に決着をつけるべく,異なる三つの未来から現代にやってきた兵士達による血みどろの戦いと,その争いに巻き込まれて元恋人を失った主人公の少年,水島蓮梧の復讐劇を中心にストーリーが展開するノベルゲームだ。
未来からやってきたのは,「チーム=ロメオ」「チーム=シエラ」「チーム=エコー」という三つのチーム。1チームは5名のメンバーで構成されており,合計で15名。これが,本作のタイトルである“フィフティーン・ハウンズ”の由来となっている。彼らはいずれも各世界を代表する精鋭達で,泥沼化した異世界間戦争の代理戦争を行うため,現代に送り込まれてきたという。
チーム=ロメオ |
チーム=シエラ |
チーム=エコー |
物語の舞台となる札幌市周辺では,人の頭部ばかりを狙った「首狩り殺人」と呼ばれる連続殺人事件が発生しており,犯人の手がかりはいまだにつかめていないという状況。実はこの事件は,誰かが何らかの目的で放った(と思われる)“鵺(ぬえ)”と呼ばれる怪物の仕業で,未来人達はどのチームがもっとも早くこの怪物を討伐できるかで勝敗を決しようとしているのだ。
主人公の水島蓮梧は,彼らの戦いに巻き込まれたせいで元恋人を失ってしまった一人で,誰が彼女を殺した犯人なのかを突き止め,復讐するために,未来人達の戦いに積極的に関与していくことになる。しかし,彼らに接触して得られた証言はどれも互いに食い違っており,誰が彼女のカタキなのかはようとして知れない。
ゲームはこの水島蓮梧を中心に,複数のチーム,登場キャラクターの視点から描かれ,どのチームが勝利を手にするのかという問題と同時に,水島蓮梧が元恋人のカタキを突き止められるかどうかが物語の2本の柱となっている。
本作はテーマが戦いだけにバイオレンスな場面が多いが,時折り挟まれるコミカルなシーンがいい息抜きになっており,未来からやってきた3チームのメンバー達も,皆それぞれ強烈な個性を発揮している。もっとはっきり言ってしまうと,かなりの変態ぞろいであり,中でもチーム=シエラのリーダーの長谷川ときたら……。アーッ!
MUYMの公式サイトでは,本作の1ルートがまるまる楽しめる体験版が公開されているので,興味を持った人はまずはそちらからお試しを。また,製品版は3150円(税込)にて発売中だ。体験版では,最初のシナリオのエンディングまでたっぷりプレイできるが,果たしてそこでは,どんな結末が待っているのか……。さらに続きが気になってたまらなくなってしまった人は,製品版の購入を検討してみよう。
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