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インディーズゲームの小部屋」の第129回は,ニュージーランドの独立系デベロッパSidheの
「Shatter」を紹介する。本作は,おなじみのブロック崩しゲームにSF風味のグラフィックスやサウンドと,ちょっとしたギミックを加え,現代風にアレンジしたゲームだ。
ゲームのルールは言わずもがなだが,自機を操作して跳ね回るボールを打ち返し,画面上すべてのブロックを破壊すればクリア。ボールを受けそこねて画面外に落としてしまうとミスとなり,すべてのボールを失うとゲームオーバーだ。また,ボスステージではボスの弱点にボールをぶつけ,相手の体力をゼロにすればクリアとなる。
本作には,ストーリーモード,エンドレスモード,Co-opモードなど,いくつかのゲームモードがあるが,メインとなるのはストーリーモード。そのほかのゲームモードは最初はロックされており,ストーリーモードを進めることで順にアンロックしていくのが基本。また,アンロックされたゲームモードをプレイすることで,新しいゲームモードが出現することもある。
白いレティクル(照準)で示されている場所がボスの弱点。ボス戦では,ここを狙い撃ちだ!
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ところで本作の場合,ストーリーモードといっても,別段大したストーリーがあるわけでも,ステージ間にムービーが挿入されるわけでもない。プレイした筆者もどんなストーリーなのか,はっきりいってよく分かっていないが,それでとくに問題はない。
本作でいうところのストーリーモードとは,要するにステージクリア型のゲームモードだと思えばよい。このモードでは,10のワールドを順にクリアしていくのが目的だ。それぞれのワールドは「WAVE」と呼ばれる,いくつかのステージに分かれており,各ワールドの最終WAVEにはボスが登場する。
本作では,WAVEごとにステージが縦向きになったり,横向きになったり,円形になったりするのが特徴で,崩したブロックがフラフラと漂って落ちてくるのも特徴の一つ。浮遊ブロックに当たってもミスにはならないが,自機が画面外に弾き出されてしまう。このときボールが飛んでくると,返しそこねてミスになってしまうので注意が必要だ。
自機の操作は方向キーもしくはマウスで行うが,本作で最も大きな特徴となっているのが,
“吸い込み”と
“吹き飛ばし”という二つのアクションで,ボールの軌道をある程度任意に操作できること。本作では,じっと止まっているブロックのほうがむしろ少ないくらいなので,軌道を変えてよく狙うことが重要だ。“吸い込み”はマウスの左クリック,“吹き飛ばし”は右クリックでいつでも使用できる。
また,壊れたブロックは青い破片となって周囲に飛び散り,これを吸い込むことで画面左上のパワーバーが上昇していく。パワーバーの使い道は二つあり,一つは右Shiftキーを押している間だけシールドを張り,浮遊ブロックから自機を守ることで,この間はバーが減少していく。そしてもう一つが,バーがいっぱいになったときに右Ctrlキーを押すことで発動できる
「SHARD STORM」だ。SHARD STORMを使用すると,全ゲージと引き換えに自機から大量の破片を吹き出し,一気にブロックを壊したり,ボスの弱点を集中攻撃したりできる。
もちろん壊したブロックからは,1UPアイテムや,いわゆる“貫通ボール”など,さまざまなパワーアップアイテムが出現する。どれも自機に有利なものばかりなので,出現したら迷わずキャッチしておこう。基本は単純なゲームだけに中毒性が高く,誰にでも楽しく遊べる本作。残念ながらデモ版などは公開されていないが,製品版はSteamにて9.99ドルで購入できる。ちょっとした息抜きに気軽にプレイできるゲームなので,興味を持った人はぜひどうぞ。
■「Shatter」公式サイト
http://www.shattergame.com/
Copyright (C) 2009 Prodigy Design Limited. Shatter and Sidhe are trademarks or registered trademarks of Prodigy Design Limited.