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インディーズゲームの小部屋」の第85回は,ブラウザで遊べる無料のタワーディフェンスゲーム
「Wizard Defense」を紹介しよう。タワーディフェンスといえば,今さら紹介するまでもないくらいの定番中の定番ジャンルだが,本作は数あるタワーディフェンスゲームの中でも,ひときわ洗練されたセンスが目を引く作品だ。
ゲームの舞台となるのは,Espeonと呼ばれるファンタジー世界。プレイヤーは魔法学校The Espeon School of Wizard Defenseに通う見習い魔法使いとなって,世界の支配を目論む悪い魔法使いDomidosが率いるモンスターから,Espeonを守り抜かなくてはならない。プレイヤーキャラは,ゲーム開始時に男女どちらかを選べるが,能力に違いはないので好みで決めればいいだろう。筆者は当然女の子を選ぶ。
ご存じのとおり,タワーディフェンスゲームの基本は,敵の進路に沿ってタワーを設置し,次々と出現する敵が自陣に到達してしまう前に撃破するというもの。主人公が魔法使いの卵である本作では,Lumensという魔力の源(みたいなもの)を消費して,タワーの代わりにElementumsと呼ばれる精霊達を召喚していくのだ。Lumensは敵を倒すことで補充されるが,むやみに精霊を呼び出していると,あっという間に底をついてしまうので,無駄遣いには注意しよう。
ゲーム開始時は2種類の精霊しか呼び出せないが,クエスト(ステージ)をクリアすることで種類が増えていき,最終的には5種類の精霊を召喚できるようになる。精霊にはそれぞれ,Power(攻撃力),Range(射程距離),Speed(攻撃速度)という三つのパラメータがあり,攻撃力や攻撃範囲が異なっている。そして,一体の精霊につき一度だけ,Lumensを消費してこれらのパラメータのうちどれか一つをパワーアップでき,弱点を補強したり,長所をさらに伸ばしたりできるのだ。
また,精霊をパワーアップさせると,基礎能力が向上すると同時に,敵を小さくしたり,動きを遅くしたりといった,精霊ごとに異なる特殊能力が身に付くというのも重要な要素。敵に突破されて,プレイヤーキャラが攻撃を受けると体力が減っていき,体力がゼロになってしまうとゲームオーバーなので,精霊をうまく配置し,動きを遅くした敵に集中攻撃を加えるといった連携を駆使して敵を殲滅していこう。クエストの最後には,デカくて硬いボスクラスの敵が出現するので,それまでに鉄壁の布陣をしいておきたい。
そして実は,魔法使い見習いの主人公は,回数制限付きながら敵を直接攻撃する魔法を使うこともできる。クエストクリア時の得点に応じて,Gold,Silver,Bronzeの3種類のメダルがもらえ,新しい魔法はメダルに応じたメダルポイントを蓄積することで習得していく。
ゲーム自体は,ほかのタワーディフェンスゲームと大きく違うわけではないが,ブラウザゲームとは思えないほどリッチなグラフィックスと心地よいサウンド,洗練されたユーザインタフェースが本作の最大の魅力。中でも,グラフィックスのレベルは市販ゲームと比べても遜色のない高さで,キャラクターデザインのセンスも秀逸だ。世界観や設定もかなり作りこまれており,お洒落なウェブデザインと合わせて,本作ならではの魅力的な雰囲気に仕上がっている。現在はまだβサービス段階で,ちょこちょこと細かなアップデートが行われているが,ゲーム自体はほぼ完成しているので,興味を持った人はぜひ一度お試しあれ。
■「Wizard Defense」公式サイト
http://wizarddefense.com/
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