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インディーズゲームの小部屋:Room#55「Glest」
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印刷2008/08/22 12:14

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#55「Glest」



画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / インディーズゲームの小部屋:Room#55「Glest」
 「インディーズゲームの小部屋」の第55回は,スペイン生まれの3D RTS「Glest」を紹介する。本作は,フリーソフトとは思えないほどの完成度を持った作品で,本格的なRTSを誰でも無料で遊べるのが嬉しいところ。メッセージなどはすべて英語(もしくはスペイン語)だが,RTSファンにはぜひともオススメしたい一品だ。

 本作では,異なる特徴を持つ「Tech」「Magic」の二つの陣営が登場し,最大4人でのマルチプレイ対戦が楽しめる。対戦方法は,ホストのIPアドレスを直接指定してのネットワーク対戦だが,自分以外のプレイヤーをすべてCPUに任せて,一人で遊ぶこともできる。また,対CPU戦では,あらかじめ用意されたいくつかのシナリオから任意のものを選んで,即座にプレイを始めることも可能だ。

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 このゲームは,二つの陣営のどちらを選ぶかによってプレイスタイルが大きく異なってくるので,まずそれぞれの特徴から紹介しよう。
 まずTechは,主に剣士(Swordman),弓兵(Archer),騎馬兵(Horseman)といった戦士系のユニットと,飛行船(Airship)やバトルマシーン(Battle Machine,木製のロボットのような兵器)といった機械兵器ユニットを中心とする勢力だ。
 一方のMagicは,サモナー(Summoner)やバトルメイジ(Battlemage)といった魔法使い系ユニットと,これらによって召喚される魔物系ユニットを中心とする勢力。デーモンやゴーレム,ドラゴンといった魔物を召喚できる。全般的に,Techは接近戦に強く,Magicは遠距離攻撃に優れるといった特徴がある。Magic陣営の魔法使いユニットはかなり打たれ弱いので,壁役となる魔物をできるだけたくさん用意しておきたい。どちらかといえば,Tech陣営のほうが初心者向きだ。

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 また,それぞれの陣営で建築できる建物や,ユニットの生産方法にも大きな違いがある。Tech陣営は一般的な中世風ストラテジーと同様に,兵舎(Barracks)や飛行ユニットの製造施設(Aerodrome)で兵士や兵器を生産できる。Magic陣営では,上述のように主戦力となる魔物ユニットは召喚によって生み出されるため,まず召喚士ギルド(Summoner Guild)で召喚士を生産したのち,その召喚士で魔物を呼び出すという手順を踏むことになる。
 両陣営とも,これらの生産施設の建築には,金,石,木という3種類のリソースが必要で,資源採集のための労働者ユニットも存在する。このほか,Techでは鍛冶屋(Blacksmith),Magicでは召喚士ギルドや図書館(Library)などで知識や技術を研究し,ユニットをアップグレードできるなど,かなり本格的だ。ユニットの生産には,Techでは食料(Food),Magicではエネルギー(Energy)が必要となるので,これらを生産するための施設も忘れずに建設しよう。

 今回はTech陣営での序盤のプレイの様子を撮影したので,こちらのムービーでゲームの雰囲気を確認してみよう。


 なんというかまあ,序盤から敵の大軍に襲われて大ピンチなわけだが,筆者がRTSをプレイするとたいていこうなる。攻撃の意思など一切なく,ただちまちまと街づくり(?)をしたいだけの筆者を攻めてくるとは,なんという非道な連中だ!
 それはともかくとして,基本的な操作は左クリックでユニットを選択し,右クリックで移動先などを指定する一般的なもので,ほぼすべての操作をマウスのみで行える。RTSに慣れ親しんだ人なら,操作方法で戸惑うことはないだろう。覚えておくと便利な操作としては,「p」キーでゲームの一時停止,テンキーの+/−キーでゲームスピードの調整が行える。このほかにもホットキーが用意されているので,付属のReadmeファイルに一度目を通しておきたい。

 冒頭で述べたように本作はフリーソフトとして公開されているが,単なるゲームではなく,ゲームエンジンでもあるのが特徴だ。本作のゲームデータはXMLをベースとしており,パラメータなどを自由に変更できる。また,マップエディタや3Dモデル出力用のプラグインなどの各種ツールも公開されており,これらを使用してまったく別のゲームに仕立て上げてしまうことも可能だ。公式サイトのダウンロードページやフォーラムでは,ユーザーが作成したオリジナルデータやModの公開,情報交換が活発に行われている。興味がある人はそちらもチェックしてみよう。

■「Glest」公式サイト
http://glest.org/

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