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[AGDC 08#07]あのid Softwareが,新作「RAGE」のストーリーを語る
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一昔前なら,「ストーリーは二の次」などと公言してはばからなかったアクション重視のid Softwareだったが,「DOOM 3」あたりから大きく方向転換。RAGEはPLAYSTATION 3及びXbox 360をメインターゲットにしていることから,13歳以上から保護者の許可なく購入できる「Tレーティング」のゲームになる。これまで以上にストーリーを重視するのも,そういう背景があるわけだ。
本来オンラインゲームについて集中的に講義するAGDCで,ストーリーの話題というのもミスマッチであるが,実はAGDCには女性業界人向けの専用会議やゲームオーディオ開発者会議など,複数のミニカンファレンスが付属している。今回のウィリッツ氏による「RAGE: Storytelling and Technologies at id Software」(RAGE:id Softwareのストーリーテリングと技術開発)という講義も,ゲーム用脚本家向けのカンファレンスの中で行われたというわけだ。
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世界感を作り上げ,その中でさまざまなフランチャイズを作っていくというのは,最近では「Warcraft」や「Unreal」などが行っている手法で,さらに突き詰めれば「マリオブラザーズ」などに辿り着くだろう。また,ゲーム世界での経験から情報を得ていくというのは,「バイオショック」などで脚光を浴びているインタラクティブ性を生かした手法である。
ウィリッツ氏は具体的にこれらのゲームを名指ししたわけではなかったが,コンシューマ機への進出では,ほかより随分と出遅れてしまったため,こうしたさまざまな手法を取り込んでいく作戦のようだ。
ウィリッツ氏が講義の中で,id Softwareはもともと「DOOM」も「QUAKE」も,数字をタイトルの後につけてシリーズ化していく意図はなかったと話していたことも興味深い。「続編」として「前作」と比較されたくはなかったということかもしれないが,それは結局のところid Softwareが世界感作りをなおざりにしていたからだとも言えるだろうか。
今回はストーリーを中心に置いた講義だったため,ドライビングとシューティングゲームの要素を掛け合わせたという,RAGE自体の詳細が説明されなかったのは残念。しかしウィリッツ氏の話の中から,いくつかの情報を確認できた。それを箇条書きしておこう。
― 前世代のidTech 4で開発されたMegaTexture技術を継承し,非常に大きな屋外マップを制作
― マップは二つのWastelandと呼ばれる領域からなる,地球外惑星が舞台。ストーリーから逸れてマップのさまざまな場所を探索できる,オープンエンド型のゲームプレイ
― RAGEの世界は灼熱のドライな気候。それを表現するために,シマー(熱気)や露出オーバー,誇りを表現するパーティクルなどの技術を,ストーリーと並行開発
― 脚本は「DOOM III」と同じMatt Castello(マット・カステロ)氏が担当
― 最初のWastelandを攻略したあとで,戻ってみるとミュータントがリスポーンされていたりする
― マップに点在する町の一つ一つに,レーストラックがある
これらの情報から,RAGEの世界感がどのようなものになるか少しは想像できるだろう。気になるMegaTexture技術のほうは,現状では未圧縮のテクスチャデータが100GB近くになっているとウィリッツ氏は話す。膨大なデータ量だが,PCやXbox 360では二つのWastelandを2章に分け,2枚組のパッケージにするとのことだ。
今後はストーリー,ゲームデザイン,そしてテクノロジーの3要素を連携してゲーム開発していくというid Software。大きな転換の起点となるRAGEは,深みのあるストーリーの挿入,コンシューマー機第一のゲーム開発,Electronic Artsからの販売,Tレーティング向けバイオレンス表現など,同社にとっては新しいこと尽くめの作品となる。裏を返せば,これまでの“idらしさ”が失われていくことになるわけで,古くからのPCゲーマーとしては寂しくもある。ともあれ,ウィリッツ氏の語る「ゲーム内ストーリー」がどのように育まれていくことになるのか。id Softwareの今後を占ううえでも,本作には注目していきたい。
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