ハロー！Steam広場 第25回：肉食系男子の事故死を演出する100の方法

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー Steam 広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを，筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，予約購入割引をスルーして，発売日にフルプライスで買う上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

　ハロー！Steam広場 第25回は，罠を張って悪人たちを“事故死”へと導くシミュレーションゲーム「Kill The Bad Guy」をメインに紹介しよう。このほか，食人族が跳梁跋扈する島でサバイバル生活をするサンドボックス型ゲーム「The Forest」や，国家建設シムと1人称視点のRPGを組み合わせた期待の新作「Northern Shadow」もあるのでお見逃しなく。

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罠を張って悪人たちを“事故死”へと導くシミュレーションゲーム「Kill The Bad Guy」

　今回は，フランスの独立系開発会社Exkeeが手掛ける「Kill The Bad Guy」を紹介しよう。本作は，お天道様のもとでのうのうと暮らしている犯罪者どもに正義の鉄槌を下していくシミュレーションゲームだ。

　プレイヤーは，車や電線，ガス管といったさまざまなオブジェクトを組み合わせて，ターゲットの“事故死”を演出することになる。


　ターゲットは，スタート地点からゴールまで，決まったルートを移動するので，まずはこれを確認して，計画を練るところから始めよう。

　ターゲットが駐車場の前を通るのならば，停車している車を急発進させて轢き殺したり，マンホールの上を通るなら，タイミングよく水道管を破裂させて天高く舞い上げたりと，使えるものはなんでも使うといったスタンスで臨むことが大切だ。


　時にはオブジェクト同士を組み合わせる必要もでてくる。例えば，ロープで木をしならせてカタパルトのような装置を作ったり，車止め用の2本のポールにゴムベルトを巻きつけてスリングショットを作ったりと，単体では殺傷能力がないものでも，組み合わせることで大きな効果を発揮するのだ。

　なお，オブジェクトを動かしたり，組み合わせたりしているところをターゲットに見られると，一目散に逃げられてしまうので，ターゲットに見られない所で工作を進めるのがベストだ。


　逆に，あえて危険をほのめかし，ターゲットの逃げるルートに罠を仕掛けておくのもありだ。このように相手の2手先を読めるようになれば，東南の風を吹かせるのも夢ではないだろう――きっと。


　ターゲットを殺害すると，口から勢い良く歯が飛び出してくる。なんだか汚らしいが，これを回収すると，クリア時のスコアが高くなるので，しっかりと拾っておこう。ちなみに，これはサブ目標として設定されており，追加得点がもらえる条件はほかにもあるので，ハイスコアを狙うならばミッション開始前に確認しておきたい。


　ある程度ステージが進むと，通行人や監視カメラが登場するようになる。これらに，ターゲットを始末する瞬間を見られるとゲームオーバーになるので，ゲームの中盤から難度がぐっと上がってくる。もしターゲットの移動ルートに監視カメラなどがある場合は，ルート上に障害物を置いて行き先を変えさせるのも1つの手だ。

監視カメラは固定されているので比較的楽に対応できるが，通行人は常に移動しているため，ターゲットを始末する場所とタイミングが重要となってくる

　さて，本作は一応シミュレーションという扱いにはなっているが，実際にプレイしてみると，あらかじめ最適解が用意されているパズルゲームに近い作品だと感じた。

　“どのようにターゲットを追い詰めていくか”というのが本作のコンセプトなのだが，その追い詰めるという部分に，プレイヤーの思考が入る余地がほとんどなく，“やらされている”感の方が強く出てしまっているのだ。

　本作を「Orcs Must Die！」や「影牢」のような，罠同士のシナジーを考えて楽しむようなゲームだと思ってプレイすると，肩透かしを食らうかもしれない。ただし，パズルゲームとして見れば十分に楽しめるタイトルであり，ここまでの画面写真を見れば分かるように日本語化もされているので，興味のある人は遊んでみてほしい。

「Kill The Bad Guy」Steamページ（14.99ドル）

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食人族が跳梁する島でサバイバル生活をするサンドボックス型ゲーム「The Forest」

　アーリーアクセスとは，開発途中のゲームを購入して，デバッガー兼プレイヤーとして参加できる，Steamの販売形態の1つだ。今回は，Endnight Gamesが手掛ける「The Forest」を紹介しよう。本作は，飛行機の墜落事故から生き延びた主人公が，未知の島でサバイバル生活を繰り広げるホラーゲームとなる。

　墜落した飛行機のなかで目を覚ました主人公は，一緒に搭乗していた息子が，先住民らしき男に連れ去られるところを目撃してしまう。主人公もといプレイヤーは，息子を取り返すべく，島を探索しつつ，手掛かりを探すことになる。


　ゲームの舞台となる島は，森が大きな割合を占めているため，手掛かりを探そうにも一筋縄ではいかない。そもそも縄すら持っていない。

　それに加えてゲームスタート時の主人公は，すでに虫の息だ。したがって，プレイヤーが最初にすべきことは食料の確保となる。
　不幸中の幸いというかお約束というか，機内には，食料やサバイバルに必要な道具などが散らばっているので，飛行機から出る前に，これらを回収しておくことをオススメする。

画面右下にあるゲージは，主人公のステータスを表している。赤が体力で，青がスタミナだ。これらは食料を補給することで回復するので，食事は定期的にとるようにしよう

　さて，機内に食料が確保できているからと安心してはいけない。本作では，スタミナの減りがかなり速く，機内にある食料は数日もしないうちにすべて無くなってしまうのだ。食料の確保は最初から頭に入れておきたい。

　手っ取り早く食料を確保したければ，池を探そう。池には高確率で魚が生息しており，ご丁寧に槍まで用意されているので，食料確保にはうってつけの場所なのだ。

池を見つけたらそこを拠点に活動することで，サバイバル生活はぐっと楽になるだろう

　ちなみに，魚や肉といった食材は一度火で炙る必要があるのだが，ここで注意したいのは，火に近づきすぎないことだ。魚を焼こうとしたら火が自分に燃え移り，丸焦げでゲームオーバーになってしまった誰かさんが言うのだから間違いない。


　本作にはクラフト要素も用意されており，インベントリからガイドブックを見ることで，作成できるアイテムの一覧が確認できる。ここで作成したいアイテムを選択すると，白い仮組みが表示されるので，それを好きな場所に設置したら，必要な素材を組み込んでいこう。


　素材の中で最も多く使われるのは木材だ。木材はそこら中に生い茂っている切り倒すことで手に入れられる。木を切るには斧が必要だが，斧はゲームスタート時に手に入るので，道具に困ることはないだろう。いざとなれば，そのへんに転がっている石で根気よく削っていくこともできる。

木を切るときのコツは，切り口をこまめに変えることだ。木の周囲をぐるぐる回るように移動しながら切れば，いい感じに倒すことができる

　そして，忘れてはならないのが“先住民”の存在だ。島には，彼らの縄張りがそこら中に存在し，常に辺りを徘徊している。加えて何より恐ろしいのが，彼らが食人族だということだ。

　先住民たちは音もなくプレイヤーに忍びより，突然襲い掛かってくるので，常に周囲を警戒して行動していないと，筆者のようにすくみ上がって「ひゃう」とか叫んじゃうことになる。誰も見てなくてよかった……。


　先住民たちに遭遇したら，逃げるのが一番なのだが，空腹でスタミナがないときに出会ってしまうとそうもいかない。その場合は，武器になりそうなものを握りしめて戦う覚悟を決めよう。

　彼らは身軽なフットワークで，近づいたり離れたりしながら，こちらの出方をうかがってくる。戦闘において重要なのは，背中を見せないことなので，常に視線は逸らさず，こちらの攻撃が届く範囲に入ってくるまでじっとこらえよう。


　一度攻撃が当たれば仰け反らせることができるので，先手さえ取ってしまえばこちらのものだ。「君がッ 死ぬまで 殴るのをやめないッ！」とか言いながら攻撃していればあっという間に倒すことができるだろう。


　ただしこれが有効なのは1対1の場合のみだ。基本的に先住民は4人以上で行動していることが多いので，ほとんどの戦闘において，プレイヤーは不利な立場にいると思っていたほうがいい。

　数的に不利な場合は，罠に頼るのも1つの手だ。ガイドブックには罠の作り方も書かれているので，これを利用すれば簡単に頭数を減らすことができる。ただし，どの罠も必要な素材が多く，それでいて1度きりしか発動しないので，コストに見合うとは思えない。


　ちなみに，何らかの要因でプレイヤーの体力が0になると，先住民たちの食料庫と思わしき洞窟に連れて行かれる。ここからうまく脱出できれば，サバイバル生活を再開することができるが，再び体力が0になるとゲームオーバーになるので，1度限りの敗者復活のチャンスだと思ったほうがいいだろう。


　記事掲載日（2014年6月6日）現在アーリーアクセスで配信されているのは，開発の初期段階（alpha v0.01）のものになる。したがって，挙げればキリがないほどのバグがあるほか，セーブ機能も未実装となっており，腰を据えてプレイできるレベルには達していない。

バグで動けなくなってしまった先住民の1人。彼はいったいどこを見ているのだろうか

　しかし，ゲーム自体はとても面白く，なかでも“サバイバルしている感”は，数あるサバイバルゲームの中でも頭一つ抜きん出ている。ウルトラポジティブに考えれば，セーブができない緊張感が味わえるのも開発初期段階の今だけだ。

　なお，現段階ではシングルプレイのみだが，今後マルチプレイの導入も検討しているとのこと。サバイバルゲームとしてのクオリティは，かなり高い作品なので，少しでも興味があれば，ぜひ遊んでみてほしい。

「The Forest」Steamページ（14.99ドル）

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国家建設シムと1人称視点のRPGを組み合わせた期待の新作「Northern Shadow」

　「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して，ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今週登録された作品の中でも，特にコメントと期待を集めていたのが，今回紹介する「Northern Shadow」だ。

　本作は，国家建設シミュレーションと1人称のRPGを組み合わせた作品となり，プレイヤーは，自国を運営しつつ，さまざまなロケーションを冒険することになる。


　ゲーム内には，NPCが管理する国家も登場し，プレイヤーは彼らと交渉することで物資の取引きを行い，同盟を組むこともできるようだ。また，敵対勢力の襲撃から土地を守るといったアクティビティも用意されており，この際に出撃する兵士たちの能力は，自国の技術力に左右されるとのこと。

　プレイヤーキャラクターの育成に関しては，魔法を使えば使うほど，扱いがうまくなるといった，いわゆるスキル制を採用しており，プレイスタイルに沿うような形で成長していくようだ。


　自国を運営しつつ，ダンジョンを攻略していくような作品は結構多いのだが，RPGパートが1人称視点なのは，なかなか珍しい。なお，GREENLIGHTを通過すれば，2014年の夏にアーリーアクセスを始める準備ができているとのこと。国家建設シム＋1人称視点RPGという組み合わせにビビッと来た人は“いいね”を押しておこう。

「Northern Shadow」GREENLIGHTページ