連載
ハロー!Steam広場 第20回:災難と開戦がエンドレスに待ち受ける宇宙の旅
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「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,購入した覚えのないゲームがライブラリに並んでいる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第20回は,摩訶不思議な日本語訳が目に付く協力プレイ型TPS「Scourge: Outbreak」をメインに紹介しよう。このほか,インディーズタイトルとは思えないクオリティのターン制ストラテジー「Endless Legend」や,惑星を股に掛け冒険をするサンドボックス型サバイバルゲーム「Solarsystem Conflict」もあるので,お見逃しなく。
“さいなん”と“かいせん”が始まるTPS「Scourge: Outbreak」
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今回は最大4人で協力プレイができるTPS「Scourge: Outbreak」を紹介しよう。そもそも筆者はこのタイトルを購入した覚えがないのだが,なぜかライブラリに登録されているという,ミステリアスなベールに包まれたゲームなのだ。
この謎の鍵を握るのが,本作のちょうど真上に登録されていた「The Scourge Project:Episode 1 and 2」という作品だ。あまり大きな声ではお話しできないのだが,こちらも買った覚えがまるでない。
さて,この謎を解決する糸口をつかむため調べてみたところ,「The Scourge Project:Episode 1 and 2」はちょうど4年前に同デベロッパからリリースされた作品である。さらに調べていくと「Scourge: Outbreak」は,Steamでのリリース時に,同作を購入済みの人に無償で配布されたソフトであるようだ。つまり筆者は4年前,知らずにソフトを購入しており,そのおかげで知らぬ間にソフトを1本受け取っていたというわけだ。Steam恐るべし!
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そろそろ本作の紹介に入ろうと思うが,「Scourge: Outbreak」は「山湖秘伝隊」に所属する「こだま分隊」の一員となったプレイヤーが,悪の組織「ノガリ法人」に挑むといったストーリーが展開されるSF作品だ。登場する単語のネーミングセンス――より正確に言うと,翻訳のセンスに頭がついていかないのだが,そんな筆者のことは気にもとめずにゲームは進んでいくのである。
ゲームを起動するとタイトル画面にはデカデカと「さいなん:かいせん」の文字が。あ…ありのまま 今起こった事を話すと,「Scourge: Outbreak」を起動したと思ったら「さいなん:かいせん」が始まっていた。
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出鼻をくじかれてしまった感があるが,そんなことではめげないのが上級Steamerというものだ。というわけでさっそくゲームを始めよう。まずは,こだま分隊に所属する4人の隊員の中から1人を選ぶことになる。隊員はそれぞれパラメータや所持スキルが異なるので,ここでは自分のプレイスタイルに合いそうな隊員を選択しよう。
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「ダッシュ」「回避」「カバーアクション」の3つが[Space]キーに集約されているので,操作はそこまで複雑ではなく,TPSで遊んだことのある人ならばすぐに慣れるはずだ。そこはまぁいい。
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シングルプレイにおいて何より重要なのが分隊メンバーへの指示だ。[F1]〜[F4]キーを使うことで,分隊メンバーそれぞれに移動指示を,[G]キーでリグループ(集合)が可能である。というか,これらの指示を出してあげないと分隊メンバーはまったく働いてくれないのだ。はっきり言ってしまうとAIがおバカなのである。
そのおバカなAIをカバーするために指示システムがあるのだと思ったのだが,その指示すらも聞いてくれないほど,AIはやんちゃだ。定期的に後ろを見ないと,ちゃんと付いてきているのかさえわからない。
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以上のことからシングルプレイは,味方のAIにイライラするだけで,あまりオススメできるものではないのだが,それに反して4人での協力プレイは面白い。というよりむしろ,味方のAI以外には大きな欠点が見つからないので,そこを気にする必要もない協力プレイが面白いのは当然といったら当然なのかもしれないが。
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シングルプレイと同様に,協力プレイにもレベルを上げてスキルを獲得していくといった成長要素があり,リプレイ性は高め。ただしプレイヤーの人口が少ないためか,なかなかマッチングしないので,一緒に遊んでくれそうなフレンドがいるなら,4人パックを購入して誘ってみるのもいいだろう。そう,知らぬ間に。
「Scourge: Outbreak」Steamページ(7.99ドル)
ハイファンタジーなターン制ストラテジーゲーム「Endless Legend」
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アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はハイファンタジーなターン制ストラテジーゲーム「Endless Legend」を紹介しよう。本作のデベロッパである「AMPLITUDE Studios」は,宇宙を舞台にしたストラテジーゲーム「Endless Space」や,本連載の第5回で紹介した「Dungeon of the Endless」といった“Endless”シリーズを手掛けており,今回紹介する「Endless Legend」は,そのシリーズ3作目にあたるタイトルだ。
文明が滅亡したとある惑星が舞台の本作において,プレイヤーは,新たに開拓へと乗り出す文明の指導者となり,自国の発展のため,ライバル文明と領土・主権をめぐる争いを繰り広げることになる。
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原稿執筆時点のバージョン(0.4.2 S3 ALPHA)で登場する文明は「WILDWALKER」「BROKEN LORDS」「VAULTERS」「NECROPHAGES」の4つとなり,ゲームスタート時に所有しているテクノロジーや,ユニットの能力などが,それぞれ異なる。
文明を決めてゲームをスタートしたら,まずは最初の都市を建てる場所を決めよう。立ち上がりで遅れないためにも,なるべく最初のターンに都市を建設したいところ。ここで重要となるのが,ゲームスタート時にキャラクターが立っている場所と周辺の立地だ。
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本作のフィールドは,ヘクスタイルで区分けされており,「食料」「研究」「工業」「影響」「経済」の産出量がタイルによって異なっている。タイルの恩恵を得るには,都市の行政区画に取り込む必要があるので,都市を建設する時は,このことを頭に入れておこう。
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ちなみに,都市建設時に得られる行政区画は,都市を建設した場所と,その周辺6マスとなり,行政区画は都市で開発できる「Borough Streets」で広げることが可能だ。
また,通常のタイルと比べて,研究と食料を大量に産出する「Moss Pearls」や,食料,研究,工業,影響,経済すべてを産出する「Dragon tree」といったユニークタイルも存在する。このような特殊なタイルは基本的に奪い合いになるので,発見したら急いで行政区画に取り込みたいところ。
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敵対するユニット同士が接触すると戦闘が始まる。戦闘では,ユニットに大まかな指示を出した後,敵と同時にターンが進行する,いわゆるプロット制となっており,一度ターンが始まったら,あとは成り行きを眺めているだけだ。なお,お互いのユニットが2回目の行動を終えた時に,再度指示をするフェーズに入る。
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ここまであえて名前を出さなかったが,本作のプレイフィールは,いわば「Civilization」そのものだ。かといってただのクローン作品かと言うとそうではなく,グラフィックスの質感や,ユニットのディテール,ユーザーインタフェースといった細かいところまで丁寧に作られており,作品のクオリティは本家にまったく劣らない。というより,これは本当にインディーズタイトルなのだろうか……。
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まだまだ開発の初期段階なので,未実装の要素が多いのだが,それを踏まえても十分に遊べる内容になっており,完成が待ち遠しいタイトルだ。ストラテジーゲーム,特にCivilizationが好きな人は,ぜひ遊んでみてほしい。
「Endless Legend」Steamぺージ(34.99ドル)
惑星を股に掛け冒険をするサンドボックス型サバイバルゲーム「Solarsystem Conflict」
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「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,今週登録された作品の中で特に気になった「Solarsystem Conflict」を紹介しよう。
本作は,宇宙へ飛び出してさまざまな惑星を冒険するサンドボックス型サバイバルゲームだ。探索やクラフトといった要素はもちろんだが,本作の目玉はなんといっても宇宙旅行だろう。
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プレイヤーは,ほかの惑星へ行くためのロケットを作ることができ,発射からほかの惑星へ到着するまでの流れをシームレスに体験することが可能なのだ。その様子は以下のムービーで確認できるので,さっそく見てみよう。
このほかにも,ほかのプレイヤーとの協力や対戦といった要素に加えて,大小さまざまな宇宙船の造船にもロマンを感じる。サンドボックス型サバイバルゲームのなかでは,かなりスケールが大きそうな作品だ。アーリーアクセスを見越してGREENLIGHTに登録しているとのことなので,興味のある人はここぞとばかりに“いいね”を押してみよう。
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「Solarsystem Conflict」GREENLIGHTページ
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