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Access Accepted第460回:恐竜は,ゾンビに続く新たなメジャーキャラクターになれるか
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印刷2015/05/18 12:00

業界動向

Access Accepted第460回:恐竜は,ゾンビに続く新たなメジャーキャラクターになれるか

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 エイリアンにクリーチャー,ギャングに兵士……ゲームでプレイヤーが戦う相手は数あれど,出てきそうで意外に出てこなかったのが「恐竜」だ。今やメジャー中のメジャーとなった「ゾンビ」が,多くの大ヒットゲームに登場しているのに比べて,恐竜と戦うゲームや,反対に恐竜になって暴れるようなゲームはほとんどなかった。と思っていたら最近,いくつかのインディーズゲームにそんな恐竜が姿を見せ始めている。というわけで今週は,新たなトレンドになる……かどうかは分からないものの,気になる恐竜ゲームをいくつか紹介したい。


成功例の少ない「恐竜ゲー」


 2015年5月13日に掲載した記事でもお伝えしたとおり,「ARK: Survival Evolved」のアーリーアクセスが「Steam」で6月2日にスタートすることが発表された。巨大な恐竜が歩き回る世界を舞台に,プレイヤーは狩猟や採取,そしてクラフティングなどを行いつつ,仲間と一緒に砦を作ったり,敵対するグループと戦ったりするという,100人規模のオンラインゲームになるという本作。発表以来,多くのゲーマーの話題になっているようだが,その最大の理由はなんといっても,我々が子供の頃,誰もが必ず一度は興味を持ったはずの「恐竜」が大きくフィーチャーされているところだろう。

Microsoft Gamesに在籍した経験のある開発者達が立ち上げたデベロッパ,Wildcardが開発を進める「ARK: Survival Evolved」。公開されたトレイラーでは,リアルに描かれた恐竜と,それに乗って移動したり原始生活をエンジョイしたりするプレイヤーの姿などが確認できる
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 「ARK: Survival Evolved」には,ティラノサウルスやブロントザウルス(アパトサウルス)といった恐竜のほか,マンモスやサーベルタイガーなど,総計70種類の動物が登場する予定だ。アーリーアクセス版ではそのうち30種類ほどが出てきて,多くはペットや乗り物として利用できるという。基本は一人称視点だが,PlayStation 4版ではVR対応のヘッドマウントディスプレイ「Project Morpheus」を使い,「Unreal Engine 4」で緻密に再現された恐竜の勇姿をいろいろな角度からじっくり見られる。そう聞いて,胸をときめかせる人も多いはずだ。

 ところで,モンスターやクリーチャー,エイリアン,さらに,みんなが大好きなゾンビはゲームの敵役としてすっかり定番化しているのに,なぜ恐竜をテーマにした良い作品は少ないのだろうか? 3Dグラフィックスが一般化した1990年代中盤以降を調べてみると,メタスコアで高得点を取った作品は,「Turok 2: Seeds of Evil」(1998年)と「ディノクライシス2」(1999年)くらいだ。1990年の映画「ジュラシック・パーク」をきっかけに,いくつかの恐竜ゲームがリリースされたものの,おしなべて評価は低い。
 恐竜ではないが,日本では「モンスターハンター」シリーズがヒットしているものの,いずれにせよ,ゾンビが数多くのメガヒットタイトルに出演を果たしているのに比べて,ゲームにおける恐竜の影は薄いという雰囲気だ。


インディーズゲーム開発者に再発見された恐竜達


 ところが最近,インディーズゲームを中心に恐竜をテーマにした作品が増えてきた。その理由は分からないが,ハードウェアとグラフィックス技術の向上により,緻密なテクスチャを持った巨大オブジェクトを複数同時に,ごく自然に動かすことが可能になったことと無関係ではないかもしれない。天候の変化や雨の表現,植生の描写などが最近の欧米タイトルにおけるグラフィックス技術のトレンドだが,薄暗い雨のジャングルで暴れる恐竜の姿は,デベロッパにとって自らの技術を見せつける,もってこいのシチュエーションだろう。

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 というわけで,大人気のゾンビに対抗すべく立ち上がった(現在遊べる)恐竜テーマの作品を,以下に並べてみよう。余談となってしまうが,Kickstarterのキャンペーンに成功し,Steamでアーリーアクセス版もリリースされた「The Stomping Land」という恐竜ゲームは,数か月もアップデートがないままSteamから削除され,消滅してしまった。果たして,以下の作品には成功する恐竜ゲーが含まれるのか? そして,恐竜に未来はあるのだろうか?


theHunter: Primal

開発元:Expansive Worlds
https://www.facebook.com/thehunterprimal


 宇宙を漂流したあげく,「Primal Eden」という惑星にたどり着いたプレイヤーが,獰猛な恐竜が住む大自然の中,謎の先人達が残したらしきアイテムを探したり,恐竜ハンティングをしたりするというサバイバルアクションゲーム。
 5種類の恐竜には視覚が用意されており,見つかった場合はかなりの確率で殺されてしまうので,装備しているセンサーで恐竜の居場所を調べ,植物などの影に潜んで攻撃を加えなければならない。シングルプレイモードのほか,対戦やCo-opも用意されている。

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Steam「theHunter: Primal」紹介ページ



Primal Carnage: Extinction

開発元:Circle Five Studios
http://www.primalcarnage.com/


 「Primal Carnage: Extinction」「人間vs.恐竜」のチーム対戦を楽しむオンラインゲームで,人間チームには5つのクラスが,また恐竜チームには9種類のタイプが用意されている。また,人間チームは一人称視点で,恐竜チームは三人称視点と,少しばかり「Evolve」を思わせるものがある。
 2012年にリリースされた「Primal Carnage」の続編としてローンチされたばかりであり,現時点ではチームデスマッチと,「Get to the Chopper」という人間チームの脱出劇を描いた2つのモードのみが用意される。またPlayStation 4版については,今のところ2015年内発売ということ以外は不明だ。

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Steam「Primal Carnage: Extinction」紹介ページ



ORION: Prelude

開発元:Spiral Game Studios
http://www.orion-prelude.com/


 10種類の恐竜だけでなく,ホバーバイクや二足歩行のメカなどが登場するSFテーマの「ORION: Prelude」。3年前の2012年5月にリリースされた際には,「Steam史上最悪のゲーム」とまで評価されたが,デベロッパは自分達の作品をあきらめることなく,5月に配信された「Version 3.0」まで60回を超えるアップデートを繰り返し,ファンやメディアの評価を覆した。
 20種を超えるマップや50種もの武器など,豊富なコンテンツを誇るうえにMODもサポートし,これで現在,たったの1ドルで発売中なのだ。

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Steam「ORION: Prelude」紹介ページ


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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