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Access Accepted第445回:海外ゲーム通にオススメする2014年のタイトル10選
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印刷2014/12/22 12:00

業界動向

Access Accepted第445回:海外ゲーム通にオススメする2014年のタイトル10選

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 2014年最後の更新となる本連載。今週は,今年筆者が遊んだ海外タイトルの中から,さまざまな意味で欧米ゲーム業界に新しい風を吹き込んだ作品を10本選んで紹介したい。最新コンシューマ機専用タイトルが本格的にリリースされ始め,インディーズシーンも相変わらず元気だった2014年。大手メーカーからのリリース本数は減少傾向にあるが,そのぶん,力の入った作品が多かった。海外ゲーム通にオススメする作品,といういささか大仰なタイトルだが,「ああ,こんなゲームもあったなあ」と,ぜひ肩の力を抜いてお付き合い願いたい。


筆者が選ぶ2014年の海外傑作タイトル10選


 PlayStation 4とXbox Oneの登場によって,久々に熱を帯びてきた2014年の欧米ゲーム業界。各パブリッシャが腕によりをかけた大作をリリースする一方,アイデアにあふれた魅力的なインディーズゲームも増え,ダウンロード販売の普及により,そうした作品を容易に手に入れられるようにもなった。
 PCゲームのデジタル配信サービス「Steam」では現在,驚くほど大規模なセール中であり,読者の中には,1年かけても遊びきれないほどのゲームを買い込んでしまった人もいることだろう。

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 12月1日に掲載した本連載の第442回,「欧米での発売から1年が経過したPlayStation 4とXbox One」では,新世代コンシューマ機として登場した2機種の1年を振り返ったが,年内最後の更新となる今週はゲームに焦点を当て,今年筆者が遊んだ数々の作品の中から,ゲームデザインや開発手法,ビジネス面などで新しい息吹を欧米ゲーム業界に与えたと思われる作品10本をピックアップして紹介したい。

 100億円単位の予算で開発された超大作だけでなく,インディーズの開発者がコツコツと練り上げたゲームからサクッと作ったら大当たりてしまったという作品まで,選んだタイトルは多士済々だ。相変わらず,オンラインまたはオフラインで友人と楽しむマルチプレイの人気は高いものの,最近では実況中継配信の盛り上がりによって,シングルプレイが面白い作品,とりわけホラーゲームやいわゆるバカゲーの人気も上昇しており,そのへんも今年のトレンドといえるだろう。

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 選んだ10作については,ゲームの紹介よりも選出した理由のほうに重点を置いて説明しているので,ゲームの詳しい内容を知りたい人は,4Gamerに掲載された記事を参考にするなどしてほしい。


■This War of Mine
発売元:11-bit Studios
開発元:11-bit Studios


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 もし筆者が「2014年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを選べ」と言われたなら,おそらくこのポーランド生まれのインディーズゲーム「This War of Mine」をチョイスするだろう。兵士ではなく一般人の視点に立って「戦争」を見つめた本作は,いつ来るか分からない解放の日までの自分のキャラクターを生かし続けるというストラテジーゲームだ。
 システムにおいても,またキャラクターへの感情移入を促進するエンパシーゲームという側面においても,非常に良くできたゲームだった。

 筆者のSteamアカウントを調べると,本作をプレイしたのは25時間ほど。普通ならもっと遊んでいそうなものだが,どこか,ゲームを立ち上げるのを躊躇してしまう重苦しい雰囲気が,心にのしかかってくるのだ。生き残る可能性が高い者を生かすために,弱い人々を見捨てるしかないこともあるし,ほかの生存者と牙をむき出しにして物資の奪い合いをしなくてはならないときもある。「プレイヤーを鬱にさせる」と書くと大げさかもしれないが,まるで戦後すぐのイタリアのネオリアリズム映画を思わせる,非常に重厚なメッセージが荒々しく発信されている。


■Dragon Age: Inquisition
発売元:Electronic Arts
開発元:BioWare


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 RPG開発の専門スタジオとして名を馳せたBioWareだが,コンシューマ機へフォーカスし始めたここ数年は,どこか迷走しているような作品が続いていた。しかし,この「Dragon Age: Inquisition」PC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360)は,そんなBioWareがついに本領を発揮したと思わせる作品になった。
 「Frostbite 3」エンジンが描き出す美しいグラフィックスはもちろんのこと,ボリューム感やストーリーテリング,ゲームシステムなどにおいて申し分のない仕上がりを感じさせる。戦闘時の操作がやや独特ではあるものの,15時間プレイしてようやく審問官(inquisitor)としての本領が発揮できるほどの壮大な物語が描かれており,これがRPGだ,という同社の主張が聞こえてきそうだ。
 「The Elder Scrolls V: Skyrim」から3年が経ち,ようやくそれに匹敵するほどの満足感を与えてくれるRPGが登場したといえるだろう。


■Grand Theft Auto V
発売元:Rockstar Games
開発元:Rockstar North


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 「2013年の作品でしょ?」などとヤボなことを言うなかれ。2014年は最新コンシューマ機向けにさまざまな作品がリマスターされたが,「Grand Theft Auto V」PlayStation 4/Xbox One)は,テクスチャの改善といった高画質化に留まらず,新たにFPSモードを追加するなど,もう一度遊んでみたいと思わせるゲームになっている。
 「同じタイトルを新ハードでリリースするなら,ここまでやるべき」というスタンダードを作り上げた作品としても記憶されるだろう。すでに全プラットフォームを合わせて4200万本を超える大ヒット作になっているが,この数字は2015年以降も伸び続けるはずだ。


■Transistor
発売元:Supergiant Games
開発元:Supergiant Games


画像集#006のサムネイル/Access Accepted第445回:海外ゲーム通にオススメする2014年のタイトル10選

 「Bastion」のヒットでインディーズゲーム界で存在価値を高めたSupergiant Gamesが,おそらく相当だったと思われるプレッシャーをはね返し,再びヒット作を作り上げた。
 斜め見下ろし型アクションRPGである「Transistor」PC/PlayStation 4)は,ヒロインである歌手REDと謎の男性が,The Camerataと呼ばれるロボット集団に襲われるというシーンから始まる。ゲームの開始時点では,男はすでに息絶えており,男の胸には「The Transistor」と呼ばれる大剣の形をした謎のオブジェクトが突き刺さっている。REDがこのThe Transistorを手にすると,不思議な力で男の意識がThe Transistorに吸収され,プレイヤーはREDを操作しつつ,男の意識に命じられるまま,冒険を繰り広げていくことになるのだ。

 リアルタイム制とターン制を融合させたシステム自体はとくに珍しいわけでもないが,スチームパンク風な世界観やサウンドなどがうまくまとめられており,さらに物語も魅力的だ。2014年はストーリーの優れた作品が数多く登場したが,本作はそれらの中でもトップクラスで,ラストまで一気にプレイしてしまった。


■inFAMOUS Second Son
発売元:Sony Computer Entertainment
開発元:Sucker Punch Productions


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 2014年3月に発売された「inFAMOUS Second Son」は,美しいグラフィックスや,パワーとスピードを感じさせるアクションが光るゲームであり,PlayStation 4の持つポテンシャルを可能な限り,きっちり引き出してくれた作品だ。

 優秀な敵AIもアクションに華を添えているし,北米ゲーム業界では著名な声優であるトロイ・ベイカー(Troy Baker)さんのパフォーマンスキャプチャーも,これ以上のハマリ役はないと思わせる。PlayStation 4の購入を考えている人なら,まずはプレイしてみることをオススメしたい。


■The Binding of Isaac: Rebirth
発売元:Nicalis
開発元:Nicalis


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 8ビット風の2Dアクションゲームなど,現在の欧米のインディーズゲームでは数が多すぎて,正直,筆者はやや食傷気味だ。ところが,この「The Binding of Isaac: Rebirth」は,ひとたびプレイすると,もう止められない奇妙な中毒性を持っている。2014年にリリースされた傑作ゲームの1つであることは,間違いないだろう。

 ゲームは,妄想癖のある母が受けた神の啓示により,主人公であるアイザック少年が地下室に閉じ込められてしまう場面で始まる。アイザックは,偶然見つけた地下室の穴からダンジョンへ進み,9階下にいるサタンと戦うのだ。
 2011年にリリースされたオリジナル作品と同様,ダンジョンにいるモンスターを倒せば,さまざまな能力が発揮できるピルが手に入るので,それらを使ってアイザックをパワーアップしていこう。隠し部屋が豊富に用意されたマップはすべて自動的に生成されるため,リプレイアビリティも非常に高い。


■Titanfall
発売元:Electronic Arts
開発元:Respawn Entertainment


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 巨大ロボット「タイタン」と,ジェットパックで高速移動する「パイロット」がチームを組んで戦うスピーディなオンラインFPSが「Titanfall」PC/Xbox 360/Xbox One)だ。ユニークなゲームを狙っただけに,リリース当初はキャンペーンのボリューム不足や,タイタンや歩兵向け武器のバリエーションの少なさなど,物足りない部分もあったが,バージョンアップを経て,そうした部分も改善されつつある。

 タイタンの弱点である背中に飛び乗って攻撃(「ロデオ」と呼ばれる)しようとする敵パイロットに対して,味方が発砲。しかし,ロデオが成功してタイタンは大破し,敵のパイロットは空中へ緊急離脱,と思ったら,そいつも空中で狙撃を受けてあっけなく倒される……という感じで,展開は目まぐるしく,アツくなれるポイントも多い。すでに企画されていると言われる続編にも期待したい。


■Destiny
発売元:Activision
開発元:Bungie


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 「Destiny」PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360)は,上の「Titanfall」と並び,2014年に大きく注目されたオンラインFPSだ。「Titanfall」に比べて本作は,長い時間プレイするMMORPG的な要素を組み込んだ内容になっている。ただ,オープンワールドではなくミッション性なので,現状,コンテンツに物足りさが感じられるのも事実だ。

 一人でも遊べるので,普通のキャンペーンのようにプレイしてしまいがちだが,仲間と一緒のCo-opを前提にデザインされているので,まだCo-opをやっていないという人は試してみよう。最近,高レベルになってからのレアアイテム集めが作業のようになっている印象もあるが,今後,DLCの配信やアップデートなどで活性化できれば,さらに多くのプレイヤーにアピールするはずだ。


■Goat Simulator
発売元:Coffee Stain Studios
開発元:Coffee Stain Studios


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 物理シミュレーションを生かした奇抜なゲームの数々が,2014年を特徴付ける1つのトレンドだろう。超高難度(あるいは理不尽とも言う)だと分かっていても,あるいは数時間もプレイすれば飽きてしまうことに気づいていても,さらに,ゲームプレイやグラフィックスのクオリティに期待できないことを知っていたとしても,それでもちょっとした息抜きや笑いを求めてプレイしてしまう,そんなゲームの代表格が「Goat Simulator」だ。

 もともと,物理演算ミドルウェアに慣れるため,デベロッパであるCoffee Stain Studiosのメンバーが思いつきで作り出したデモだったが,それをYouTubeで公開したところ,大きな反響があったため,制作に取りかかったという。
 YouTubeでの公開からわずか4か月後にリリースされ,予想どおりメディアの評価は並以下だったが,リリースの4か月後にはミリオンセラーとなり,Coffee Stain Studios史上最大のヒット作になってしまった。この大ヒット,今はなんとも言えないが,ひょっとしたら意外なほど大きな影響を今後のゲーム業界に与えるのではないかという予感が,筆者にはある。


■Middle-Earth: Shadow of Mordor
発売元:Warner Bros. Interactive
開発元:Monolith Productions


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 筆者の周りには,本作を「Batman: Arkham City」「Assassin's Creed」のようなシステムで指輪物語の世界を描いた作品だと思っている人が少なくない。さまざまな作品のいいところをうまく掛け合わせた,これといって個性のないゲームだというのだ。

 しかし,実際に「Middle-Earth: Shadow of Mordor」PC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360)をプレイすると,そのストーリーテリングの巧みさに驚く。妻子を殺された男の復讐劇というメインストーリーはあるものの,プレイヤーのライバルとなる存在が多数登場し,彼らをマインドコントロールしてボスに反逆させたり,スパイに仕立て上げたり,お互いに戦わせたりなど,自由な展開が満喫できる。
 話の流れをプレイヤーの好みで変えつつ,メインとなるストーリーを描いていくのは,ゲームというメディアならではのものだろう。ぜひプレイしてほしい1本だ。


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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