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印刷2014/07/14 12:00

業界動向

Access Accepted第429回:ちょっとハマってしまったモバイル向けサッカーゲーム

画像集#001のサムネイル/Access Accepted第429回:ちょっとハマってしまったモバイル向けサッカーゲーム

 この記事が掲載されるときには,すでに優勝国が決まっているはずの,2014 FIFA ワールドカップ ブラジル大会。だからというわけではないが,今週は,筆者がちょっとハマっているモバイル向けサッカーゲーム「Top Eleven‐Be a Football Manager」を紹介したい。いつもは堅めの話が多い本連載だが,今週はなんとなく「奥谷海人のゲーム日記」という体で書かせてもらっている。たまにはいいのではないかと思うので,さっそく始めたい。


1日10分程度のアクセスで十分な
サッカーマネジメントゲーム


 Facebook向けのゲーム「Top Eleven‐Be a Football Manager」(以下,Top Eleven)は,Microsoftのセルビアオフィスにいたプログラマー達が独立して立ち上げたゲームメーカー,Nordeusが2010年にリリースした作品で,すでに登録アカウント数が1200万を超えるというヒットタイトルである。

 2011年にはiOS/Android版がリリースされたが,筆者がAndroid版をダウンロードしたのはその2年後の2013年末のこと。ちょうどワールドカップの組み合わせが決まり,新しいスマートフォンに買い換えたときであり,そんな関係でダウンロードしてみたのだ。
 ダウンロードしてはみたものの,しばらく忘れており,最初にゲームを立ち上げたのはその約2か月後のこと。Top Elevenのモバイル版には,自分のFacebookページと連動させるかさせないかのオプションがあるが,筆者は連動させずにチームを作ってみた。

モバイル版「Top Eleven」のメイン画面には複数のアイコンが並び,クラブのマネジメントや選手のトレーニング,対戦の検索などができる。プレイヤーは,コーチである自分の出身地とクラブチームの在籍地を選べる
画像集#004のサムネイル/Access Accepted第429回:ちょっとハマってしまったモバイル向けサッカーゲーム

iOS版「Top Eleven‐Be a Football Manager」ダウンロードページ

Android版「Top Eleven‐Be a Football Manager」ダウンロードページ


 本作は,プレイヤーが自分のチームを作り,トーナメントを1シーズン(約1か月)戦っていくというゲームだ。ゲーム内通貨である「コイン」を使って選手を手に入れ,トレーニングしたり,ポジションを決めたりしつつ,相手チームのフォーメーションを見ながら試合をこなしていくことになる。リーグ,チャンピオンシップ,カップの3つのトーナメントがあり,多い日には試合が3つも重なることがある。プレイヤーは体力を消耗し,疲れると怪我が増えたりモラルが低下したりするので,さまざまなアイテムを使って選手達を管理していかなければならない。

「Top Eleven」は,名監督として知られるホセ・モリーニョ氏のライセンスを受けているほか,バルセロナFCやACミランの公式ユニフォームなども,ゲーム内通貨で購入できる。FIFAとも提携し,ワールドカップ期間中は日本を含めた出場チームのユニフォームやロゴなどが購入できた
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 リーグには「Bot」と呼ばれるコンピュータ操作のチームもあり,月の途中でゲームにアクセスすると,おそらくBotと入れ替わる形でリーグ戦が楽しめる。しかし,そこから何をしていいのかよく分からず,3月に入ってGame Developers Conferenceなどのイベント取材で忙しくなったため,しばらくアクセスすることはなかった。

 それから1か月ほど経って久しぶりにアクセスしてみると,何もしていなかった自分のチームが昨シーズンに優勝し,多くの資金とスポンサーが残したコインが貯まっていたのを見つけた。そして,それを元手に選手を手に入れて優秀なメンバーを揃え,プレイするうちに選手獲得のコツを学び,まだ実力は乏しいが,「これは」と思った若い選手を育成したりするという楽しみを覚えるようになった。
 コインは主として選手の獲得や,施設のアップグレードを速めるのに利用するが,9.99ドルで80枚という相場になっており,選手のオークション1回につき少なくとも10〜20枚のコインを消費する。試合はフォーメーションだけでなく,各選手がどれだけ能力を出せるか,あるいはイエローカードやレッドカードが出るか,怪我を負ってしまうかなど,ランダム性が非常に強い。コインを大量投入して選手を補強しても負けることがあるので,コインの相場としては,いささか割高感が強い。

 筆者の場合,最初に4.99ドル(37枚分),ゲームが分かるようになってからさらに9.99ドル(80枚)を投資したが,スポンサーのムービーを見たり,別のアプリをダウンロードしたり,所定のウェブサイトに登録したりすることでもコインをもらえるのは,多くのモバイル向けタイトルと同様だ。さらに,「コイン1.5倍」セールスのような期間限定サービスを利用したりして,300枚を超えるコインを手に入れた。どうやら,すっかりハマってしまったようだ。


カスタマーサポートとの3週間にわたる交渉


 そんなこんなで,育てていたチームは順調に成長し,第3シーズンの終わりまでには,異なるレベルのプレイヤーとの混戦となるチャンピオンシップでは早い段階で負けてしまったものの,リーグ戦ではまたしても優勝,さらにカップの優勝戦を残すところとなり,ワクワクしながら朝を迎えた。
 優勝戦に向かう心の準備をするため,自分のスマートフォンをいじっているとき,Androidのマイナーアップデートがあったので,チャンピオンシップを前にすませておこうと気を利かせたのだが,それから,Top Elevenにアクセスできなくなってしまった。「Facebookにログインしてから,ゲームにアクセスしてください」というようなメッセージが出るのだが,Facebookにアクセスすると,まったく新しいチームを作成することしかできず,数か月にわたって育ててきたチームにアクセスできなくなったのだ。

こちらは,Facebookアプリ版なので画面の構成が異なる。こんな感じで,ほかのクラブチームとの戦績を確認できる。プレイを始めて1か月もすれば,少ない投資で選手のオークションに成功するコツのようなものもつかめるはず。一日に数分アクセスするだけでゲームを進めていけるところも気に入っている
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 多数のプレイヤーをさばくためか,サーバーは細かく分かれており,Facebookアカウントを使って作成したチームから検索しても,自分のオリジナルチームを見つけることさえできない。居ても立ってもいられず,Nordeusの公式フォーラムに登録し,過去に同じような問題に遭遇した人のスレッドを探したりしてから,カスタマーサポートにメールを出した。

 週末だったためか,実際にメールの返信が届いたのは翌週のことだったが,「Facebookに同期したチームと,していないチームの2つが作れますよ」とか「60日間アクセスしなければ,チームは消えてしまいます」など,聞いてもいない返事を送ってくるので,再び問い合わせをするという,押し問答のようなメールのやり取りが一日おきに続くことになった。どうしても話が通じず,英語が得意でない人がマニュアルをそのままコピーペーストしたような無機質な文章ばかりが送られてくるのだ。

 セルビア国内にカスタマーサービスセンターがあるのか,あるいはアウトソーシングしているのかは分からないが,Top Elevenを遊び始めてからの状況を時系列に沿って説明しても,まさに暖簾に腕押し,あるいは糠に釘なので,もしかしたら日本語のカスタマーサポートもあるかと思い,日本語でメールを送ったりもした。ワラにもすがりたい気持ちとは,このことだろう。

 しかし,今度は別の人物から「申し訳ないですが,日本語のサービスは行ってないので,英語で説明してもらえますか」という新たなメールが届いただけ。そこで,以前書いたメールをつないだ長い長いメールを送り直すと,次はまた別の担当者からメールが来た。
 相手はおそらく,決定権のある人物だったのだろう。ここへきて,ようやく向こうに人がいる気配が感じられるコミュニケーションがとれるようになった。

 結局,3週間にもおよんだメールの応酬で明らかにされたのは,Android版の場合,アップデートの際にデータが削除されてしまうバグがあるということだった。以前,フォーラムを隅から隅まで調べたとき,同じ問題を訴えている人がいたので,少なくとも昔からあるバグではあるらしい。つまり,筆者のオリジナルチームは60日後に自動消滅してしまうというわけだ。

クレイマーだと思われたくなかったので,できる限り丁寧な英文メッセージを何度も送った筆者。最終的には泣き寝入りすることもなく,よい落としどころが見つかった。ゲーム歴は長いが,これほどしつこくカスタマーサポートとやり合ったのは初めての経験だ。画面は,Top Elevenのフォーメーション編成シーン
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 この事実を把握したところで,すっかりやる気が失せてしまったが,この2か月の間に25ドル近い資金を投入していたこともあり,ここで筆者の目的は「コインを返してもらえるかどうか」に変わった。
 向こうとしても,現金がからむだけに,それまでノラリクラリと筆者の問いを避けてきたのが,割と真剣になったようだ。そんな気配が感じられた。向こうに「これからもプレイしていただけますか?」と聞かれたので,「待っている間に新しく作ったチームがあるので,そこにコインを移動できるかどうか」を聞くと,交渉はスムーズにまとまった。
 筆者は,総計で700枚ほどと考えていたが,毎日のクラブ収入として入ってくる1〜2枚のコインや,試合に勝利したときの収益,さらに,プレイしていなかった3週間ぶんの収入などを合わせて,なんと1066枚のコインを新しいチームに移してもらえたのだ。

 30年近い「洋ゲー歴」を持つ筆者ではあるが,カスタマーサポートとこれほどやり取りしたことはこれまでにない。それだけに,達成感はなかなかのもので,粘った甲斐があったと思っている。

 まとまって返された資金を元手に,強気の選手獲得で補強ができ,現在,我がチームは第4シーズンに突入。さすがにこのレベルになると,大人買いのコイン投入でビックリするほどのスターチームを完成させているプレイヤーもいるのだが,かなりのレベル差があっても勝ってしまうのがサッカー,というか,Top Elevenの面白さだ。

 4年に一度のワールドカップが終わり,「宴の後」のムナしさを感じているサッカーファンも少なくないだろう。そんな人はぜひ,Top Elevenを試してほしい。ただし,OSのバージョンアップには,くれぐれもお気をつけて。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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