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印刷2009/11/06 15:37

業界動向

奥谷海人のAccess Accepted / 第239回:戦闘開始前に砲火を浴びたModern Warfare 2

奥谷海人のAccess Accepted

 Activisionが発売を予定している「Call of Duty: Modern Warfare 2」が,戦闘開始前から砲火を浴びてしまったようだ。原因となったのは,ネット上に流された数分間のムービー。どういう経緯からか,Activisionの許可なしにリークされたものとされているが,テロリストの過激な行為をプレイできるゲームシーンが発覚し,CNNなど大手マスメディアからも批判を受けてしまったのだ。しかも,同作のムービーに関する論争は,これだけに留まらないようである。

第239回:戦闘開始前に砲火を浴びたModern Warfare 2

 

Modern Warfare 2では,テロリストになって一般人を撃てる?
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テロ組織を追って,ブラジルのジャングルから極寒のロシアまでを駆け巡るシリーズの第6作,「Call of Duty: Modern Warfare 2」。最新のゲームエンジンで,欧米ではPCのほか,PlayStation 3,Xbox 360向けに発売される予定。大ヒットの匂いが今からプンプンしているが,テロリストとしてプレイするシーンがあるという,論議を呼びそうな内容が明らかになった

 ActivisionのCall of Dutyシリーズといえば,いまや泣く子も黙るほどの人気を誇るミリタリー系FPSのトップブランドだ。スクリプトやサウンドを最大限に利用したドラマチックな展開とすさまじい臨場感は,ほかの多くのゲームにも強い影響を与えている。セールスも好調で,2007年の「Call of Duty 4: Modern Warfare」が1300万本,2008年の「Call of Duty: World at War」が1100万本といったメガヒットを飛ばしており,オンラインコミュニティもにぎわっている。
 その最新作である「Call of Duty: Modern Warfare 2」(以下,Modern Warfare 2)は,北米で11月10日の発売が予定されている。スクウェア・エニックスから完全日本語版がリリースされることも決定しており,日本でもスポットライトを浴びることになるのは間違いないだろう。

 Modern Warfare 2は,Treyarchが制作したCall of Duty: World at Warと異なり,Call of Duty 4: Modern Warfareと同じ,オリジナルのデベロッパであるInfinity Wardが開発を担当。自社製のゲームエンジン「IW4.0エンジン」により,高度なグラフィックスや,空間の広さを感じられるマップ,同じレベルをプレイしても敵キャラクターが同じ行動を取らないというダイナミックなAIなどが実装されている。
 ストーリーは,“ローチ”というコールサインを持つ,対テロ特殊部隊「Task Force 411」の新米メンバーを主人公に,特殊部隊とロシアの過激な国粋主義者グループとの戦いを描いている。ロシアやカザフスタンといった極寒の地域に加え,アフガニスタンの砂漠地帯やリオデジャネイロなどが舞台になる模様。アメリカの首都,ワシントンDCのマップも用意されていることがティザームービーを通じて示唆されているが,実際にゲームに登場するのかどうかは,現時点では確認できない。

 Infinity WardとActivisionは,こうしたティザームービーを流すことによって,ファンの期待を盛り上げていくという宣伝手法を使っているようだが,今回その一つと思われる一本が大きな問題になった。
 それは,プレイヤーがテロリストの一員となり,空港のエレベーターから飛び出して警備員を銃撃。周囲にいた一般の人々も流れ弾で次々に倒れていくという過激な内容で,YouTubeなどにアップロードされるやいなや,CNNやMSNBCなどを含む大手のマスメディアからも「やり過ぎだ」と批判を浴びることになったのである。

 Activisionはすぐさま,「これは,無断でリークされたビデオである」と断ったうえで,映像サイトなどにアップされた映像をことごとく削除。さらに,このシーンはテロ組織に潜入した主人公が,テロリストからの信用を得る目的で行ったという背景があり,本作にとっては不可欠なものだと説明した。
 こういったシナリオは映画やドラマでもよく見られるし,筆者はゲームにおけるそういう表現を真っ向から否定するつもりはない。しかし,こうしたティザーが無断でリークされたという釈明は納得しづらく,そもそも誰が作ったものかを含め,Activisionの言い訳には無理がある。仮にショックバリュー効果を狙った広告戦略だったとするなら,あまりに幼稚な戦略であったと言わざるを得ないだろう。

 

大ヒット作にしては,うかつな広報戦略
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テロリストとしてのプレイや物議を醸したティザームービーが批判されるActivisionのModern Warfare 2だが,PCゲーマーにとって落ち着かないのは,オンライン対戦用のデディケイテッドサーバーがサポートされないということかもしれない。これは,PCゲームのコミュニティにとっては割と心配で,嘆願運動なども起きている

 現在のアメリカでは,いかなる理由であれ,テロリストの行為を容認することは認められがたい。2001年にニューヨークで起きた同時多発テロ事件の記憶もアメリカ市民の脳裏にしっかりと焼き付けられており,そうしたことを連想させるイメージは極力避けられる傾向にある。
 また,テロリストではなくとも,あまりに生々しすぎる内容も避けられるようだ。例えば,KONAMIの北米法人が2009年4月に北米でリリースを予定していた「Six Days in Fallujah」という,TPSタイプのミリタリーアクションも時期尚早であるという理由で発売が中止されることになった。
 Six Day in Fallujahは,2004年に起きたイラク戦争で戦場となった都市,ファルージャを舞台にしており,気軽な気持ちで戦地に赴いた英米軍の若い兵士達が,過酷な実戦を体験していくことになるというものだったようだ。
 戦死した兵士や爆撃によって命を失った一般市民も多いことから,欧米の平和団体や軍人会などが,「現時点でゲームとして楽しむのは無神経すぎる」という批判の声を上げ,メーカー側が発売中止を選択したのである。

 今のところ,Modern Warfare 2が,Six Days in Fallujahのような発売中止に追い込まれることはなさそうだ。Infinity Wardの説明では,「空港シーンは,このテロ組織がいかに残忍で,早急に対処しなければいけないものかを語るもの」としており,ゲームのかなり序盤のシーンで登場するようだ。
 興味深いのは,このシーンをプレイするかどうかの選択がプレイヤーに委ねられるらしいこと。どうやら,ゲームを進めていくと「このあと,一部の人を不快にさせるシーンが登場します。了承された方は[続き]ボタンを。見たくない方は[スキップ]ボタンを押してください」といった警告文が入ることになっているらしい。臨場感がウリのゲームで,突然そんな文章が出てくるのはどうかと思うのだが,「テロリストシーンを体験するかどうかは,プレイヤー次第」というシステムは,現状に即してみれば,正しいのだろう。

 さて,Modern Warfare 2の広告戦略で,ActivisionやInfinity Wardが受けている批判はこれだけではない。
 フィラデルフィア・フィリーズのワールドシリーズ進出を記念して,10月29日の第3戦に登板したピッチャー,コール・ハメル投手をデジタル化したティザームービーを制作しているのだが,その内容がまた物議を醸してしまった。
 このビデオ,ハメル投手がマルチプレイモードで手榴弾を使うことがいかにダメな戦い方であるかという自説を,面白おかしくまくし立てるというもので,結局は数十個の手榴弾に取りまかれて爆死してしまうという内容になっている。
 それ自体は,ただのギャグとして片づけられるのだが,ハメル氏のセリフの中に,「手榴弾は,プッシーが使うもの」とか,「これは,Fight Against Grenade Spam(F.A.G.S.=ファッグ)という非営利団体からの広告でした」といった言葉や文字が見られるのである。言うまでもなく,プッシーやファッグといった言葉は,良識がある人が日常会話で使うことのないスラングだ。

 このムービーも,掲載翌日に早々とYouTubeから削除されたことで一応は収拾がつけられているが,ここまでくると,ワザとやっていると思われても仕方がない。どういう経緯で、誰によって流されたのかは置いておくとしても,結果,それを受ける一般の人々にとっては,人の痛みや不快さを感じない,ずさんな広報戦略でしかなく,あまりにお粗末過ぎるという批判の声も大きい。

 もっとも,そうしたActivisionやInfinity Wardへの批判もゲームの人気とは関係がないようで,北米の大手ゲーム販売チェーンGamestopでは,Modern Warfare 2の予約数がすでに過去最大に達しているとのことで,過去2作に続く大ヒットとなるのは間違いなさそうだ。
 Gamestopが世界各地に展開する店舗の40%にあたる2600店で,発売前夜のミッドナイトセールスと,それに関連したイベントが行われるという。欧米のプレイヤーの期待は高まっており,そうしたことを考えるにつけ,もう少しやりようがあったのではないかと思えてならない。

 

■■奥谷海人(ライター)■■
サンフランシスコ在住の4Gamer海外特派員。ゲームジャーナリストとして長いキャリアを持ち,多様な視点から欧米ゲーム業界をウォッチし続けてきた。業界に知己も多い。本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,連載開始から200回以上を数える,4Gamerの最長寿連載だ。
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