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奥谷海人のAccess Accepted / 第210回:打倒WoW? ちょっと気になるマイナーMMO

一時期は「金のなる木になる」といわれたMMORPGだが,アメリカで大きく成功したタイトルはあまりない。膨大な予算と時間をつぎ込んでも,先行する「World of Warcraft」に歯が立たないというケースが多いようだ。そんな厳しいMMORPG市場だが,既存のものとは趣が異なるタイトルを持ち込んで勝負をかけようとしているメーカーがある。果たしてその挑戦はうまくいくのだろうか。


プロサッカー選手のきらびやかなライフスタイルを楽しめるという基本料金無料のMMORPG「Football Superstars」。イギリスで25万人の会員を集めており,ファンタジー以外の市場開拓を進めている
「World of Warcraft」(以下,WoW)の人気はすさまじく,アメリカのMMORPGをほぼ独占している状況だ。「WoWでMMORPG市場は完成してしまった」というのは言い過ぎかもしれないが,実際問題,同作が2004年11月にローンチしたあとに登場したMMORPGの多くは,成功とはかけ離れた結果しか出せていない。
MMORPGの開発には膨大な時間と費用がかかり,また専門的な知識が不可欠だ。オフラインのゲーム作りとはまったく異なるノウハウが必要で,経験が大きくモノをいう面もある。業界では,「MMORPGに手を出さなかったActivisionとNintendoだけが,不景気になっても好調を維持している」といわれているとか,いないとか。
だが,そんなMMORPG市場に果敢に挑むメーカーもある。ただしその多くがWoWのようなファンタジー世界をベースとせず,まったく違う世界をモチーフにしているのだ。
というわけで,今回は,ファンタジー世界にとらわれないちょっと気になるマイナーMMORPG4本を紹介する。どれも開発会社による運営が予定されており,この不況の中でどのように進展していくのかは不明だが,ぜひ暖かく見守ろうではないか。
Fallen Earth
題材: 荒廃した22世紀 開発元: Icarus Studios
今回紹介するMMORPGのなかで,比較的4Gamerでの露出が多いのが「Fallen Earth」だろう。本作の舞台は,Shivaという伝染病の流行と核戦争によって荒廃した22世紀のアメリカ。そこは六つの勢力がせめぎ合う,映画「マッドマックス」のような無法地帯となっているのだ。プレイヤーはそれらの勢力の一つに属し,荒廃した土地で戦いを繰り広げるのである。
開発チームの親会社となるIcarus Publishingが開発する「Icarus Platform」というゲームエンジンが採用されており,本作はそのエンジンのデモンストレーションとして作られているらしい。この半年あまりでグラフィックスのレベルが格段に向上しており,アポカリプス的な世界が巧みに表現されている。
すでにクローズドβテストが始まっており,ローンチ時期もそろそろ発表されるはずだ。同じような世界観を扱った「Fallout 3」が爆発的ヒットを記録したということもあり,Fallen Earthにとってはいいタイミングかもしれない。
Crime Craft
題材:犯罪が日常化した都市 開発元:Vogstar Entertainment
現代にを舞台にしたクライムアクションは,大ヒット中のGrand Theft Autoシリーズを筆頭に,さまざまな作品がリリースされている。MMORPG市場でも,Grand Theft Autoの生みの親といえるDavid Jones氏が手がける「APB」という話題作が2009年内にローンチされる予定だが,そんなクライムアクションジャンルにチャレンジするのが「Crime Craft」である。
Crime Craftの舞台は,犯罪が日常化して五つの組織が抗争を繰り返している架空の都市「Sunrise City」。プレイヤーはいずれかの組織に所属して組織の命令を遂行したり,自由に選べるサブクエストをクリアしたりして,報酬や経験値を得る。武器や衣装といった装備品だけでなく,車やバイクといった乗り物までカスタマイズ可能で,それらを売買できるのも特徴の一つだ。
グラフィックスエンジンはAPBと同じ「Unreal Engine 3」が使われており,見栄えもかなり良いものになりそうだ。βテストがそろそろ始まるようで,2009年内に正式にスタートする可能性が高い。
Afterworld
題材: 核戦争後のシベリア 開発元: Afterworld
Afterworldは,核戦争によって文明が荒廃した後の世界が舞台……と書くとFallen Earthのように暗い世界を想像するかもしれないが,意外にも本作は,なぜか青々とした草木の茂るシベリアが舞台だ。時代設定ははっきりしないが,現代よりも科学が発達しているらしく,ナノテクを応用した多機能スーツなどが登場する。PvP要素はメインではなく,CPUが操作するミュータントとの戦闘や生産,そしてトレードなどが中心になるという。基本プレイ料金は無料だが,アイテムをリアルマネーで取引できるようになるのが個性的だ。果たしてその「公認RMT」という試みはうまくいくのだろうか。
Tatsumaki: Land at War
題材:戦国時代 開発元:Eye Out Entertainment
日本の戦国時代をテーマにした「Tatsumaki: Land at War」は,発表されて以来,ほとんど情報が公開されていなかったため,キャンセルされたと思われていた。しかし最近になって,「プレオーダーすればβテスト参加権を得られる」という告知が突然行なわれたり,公式サイトが近日中にリニューアルされる予定だったりと,本格的に動き出しそうな気配を見せているのである。
Tatsumakiでは,将軍家とそれに対抗する大名との抗争が描かれるらしい。武器は刀がメインとなり,アクション性の強い戦闘システムになる。キャラクターにクラスの概念はなく,プレイヤーは好みのスキルを自由に獲得してキャラクターを育成できる。スキルは戦闘に関連したものだけでなく,生産系も用意されており,釣りや農業,馬の飼育,さらには刀作りなどを行なえるのだ。戦闘以外の場面でも活躍の場がありそうで,マニア心がくすぐられる。がんばれば自分の屋敷だけでなく,城までも建設できるらしい。
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