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印刷2008/04/04 12:48

業界動向

奥谷海人のAccess Accepted

 ゲームと同じような雰囲気の場所を訪れるのは,なんともいえない嬉しさがある。ただ,中世ヨーロッパをモチーフにしたファンタジー世界を背景にしているものや,戦場を舞台にしているものが多く,なかなかそういった機会には恵まれない。今回はいつもとは趣を変えて,ゲームの雰囲気を感じられそうな場所やイベントなどを紹介するので,機会があれば実際に味わってもらいたい。

ゲームの雰囲気を現実世界で満喫しよう
テキサスの暑い夏を乗り切るWoW風リゾートパーク

 ゲームと中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の相性はよく,さまざまなゲームの背景世界として利用されている。日本人のゲーマーにも身近な存在だろう。

 「タブラ ラサ」のRichard Garriott(リチャード・ギャリオット)氏の自宅は,中世ヨーロッパの甲冑や刀剣がところ狭しと並べられており,博物館のようになっていることで有名だ。「Hellgate: London」のBill Roper(ビル・ローパー)氏は,毎年サンフランシスコで開催されるルネッサンスフェアに,中世風のコスチュームを着込んで参加することで知られている。こういった私生活での行動や趣味というものが,ゲーム開発のアイデアに生かされ,ゲーマーも恩恵を受けているかもしれない。

 さすがにここまでの中世ヨーロッパファンというのは,日本では少ないだろう。だが,ヨーロッパを旅行したことがある人ならば,その街並みや景色を見つつ,昔遊んだゲームのことを思い出したことがあるはず。ヨーロッパでは,お城などの有名な建築物以外にも古い建物が多く残っており,中世を感じやすいのだ。

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Bearfire Resort完成イメージ

 だが,ファンタジーとはいえ,「World of Warcraft」の雰囲気を味わえる場所があると聞いて,すんなり想像できる人はほとんどいないだろう。実は,そんな経験ができそうなウィンターリゾートの建設が進められているのだ。

 アメリカ テキサス州ダラス近郊のBearfire Mountainsという場所に建設されている,総工費が6億9600万ドル(700億円)という「Bearfire Resort」は,7平方キロメートルにもおよぶ広大な敷地を誇り,スノーボードやスキーを夏でも楽しめる巨大アウトドア施設だ。テキサス州に雪は降らないが,イギリスやフランスで10年ほど前から実用化されている「スノーフレックス」という人工雪を利用している。とはいえ,これほどまでに広大なエリアをカバーするのは初めてらしい。

 Bearfire Resortは,スロープのほかにも120メートルほどの氷河の壁や滝などがあり,まるでアゼロス大陸のWinterspringのようなのだ。そこには,600室という大型ホテルやカンファレンスセンター,ゴンドラがあるだけではなく,氷山の浮かぶ湖があり,その脇には中世ヨーロッパのようなショッピング街が用意されるという。

 2009年秋にオープン予定だが,北方大陸を舞台とし,絶壁や雪原が多いとされる「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」のファンミーティングはBearfire Resortで決まり,ではないだろうか。

 

中世風ホテルやイベントから
希少価値の高い甲冑まで

 さて,World of Warcraftファンに限らず,実際に「中世ヨーロッパ気分」を満喫できるイベントや場所なども紹介しよう。とはいっても,ここで取り上げるものは,甲冑や刀剣などのレプリカ展示や,当時の衣装を着られるといったお手軽なものではなく,かなり本格的なものばかり。マニアの人にも納得してもらえるのではないだろうか。

 エーデル川を堰き止めて,100年ほど前に建設されたダム湖を見下ろす小高い丘にあるのが,345-Wald Castle Hotel Lake Ederseeという長い名前のホテルだ。ドイツ中西部ヘッセン州の山岳地帯にある。

 このホテルは,1188年には存在していたという由緒ある城を改築したもので,周囲には広大な森が広がっている。夏になるとホテルの従業員や近隣に暮らすボランティア達が騎士や大道芸人に扮して登場するフェスティバルが行われるという。

image  ナイツ・トーナメントとは,日本では「馬上槍試合」と呼ばれるランサーを使った1対1の勝負のことだ。ヨーロッパでは「プロ騎士」もいるほどで,最近ポピュラーになりつつある。その中でも最大といえるのがKaltenberg Knights Tournamentだろう。ドイツのミュンヘン郊外にあるカルテンベルグ城で,7月の週末ごとに1000人もの騎士が対戦する。

 このイベントは,バイエルンを治めていた王家の子孫であるルイートポルド公が,地域の活性化のために1980年代に始めたものだ。当初は内輪だけの集まりだったのだが,,現在では12万人もの観光客を集める大イベントになり,ルネッサンスフェアの巨大版に成長した。このトーナメントは危険なためか,飛び入り参加はできない。地元の白ビールでも飲みながら観戦するのがよさそうだ。

image  「甲冑や刀剣のレプリカ」は紹介しないと書いたが,この甲冑はどこにでもあるようなものではない。なんと,アーティストの手作りという貴重な「ネコ専用フルプレート・アーマー」なのだ。カナダ在住の板金工芸者Jeff de Boer(ジェフ・デ・ボア)氏が50〜200時間もかけて製作しており,ものによって500ドルから2000ドル(約5〜20万円)ほどの値段が付いているという。

 デ・ボア氏の公式サイトを見ていただければ分かるが,どれも非常に精巧に作られており,馬冑をネコ用に小型化したようなものになっている。ネコのほかにネズミ用があるだけでなく,日本風のものなども含まれている。量産はしていないということなので,自分のペットのために入手するのはちょっと困難かもしれない。

 

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。先週は,急な都合で日本に一時帰国していた奥谷氏。そのスケジュールは尋常ではなく,夜行バスや船を乗り継ぐ,3泊6日という超強行軍だったという。だが,奥谷氏は「徹夜で執筆する海外ゲームショウ取材よりもラク」と語っており,こたえてなさそうだ。海外取材は,そのハードさから命を削っていると思っていましたが,逆に鍛えられていたんですね。いやーよかった。今年の海外取材はさらにハードなスケジュールになりそうなので,もっと強くなれますね,きっと。

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