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世界には,大きなパブリッシャと手を組まず,地道に好きなゲームを作り続ける人や会社が少なくない。これらのタイトルは,どうしてもメディアへの露出が少なくなり,人知れずサービスが行われていたり,開発途中で頓挫してしまうことがしばしばある。だが,こういう小メーカーが存在するからこそゲーム産業は厚みを増していくのである。今回は, MMORPGのジャンルに絞り,五つのマイナータイトルにスポットライトを当ててみたい。

誰もノーチェック(かもしれない)のMMORPGを一挙5作紹介
のっけからサイト自慢のような話で恐縮だが,4Gamer.netというサイトのオリジナリティを形づくる特徴の一つとして,日本では誰も知らないようなPCゲームまでカバーしている点が挙げられるだろう。発売後,購入者が日本に5人もいないような,かなりマイナーなゲームを扱い,海外ゲームショウでの取材はもちろん,デモやパッチ情報まで掲載している。基本的に,情報を仕入れたゲームはすべて紹介しているつもりだ。
無論,このようなジャンルゆえに,完璧な網羅ということはありえないわけで,ゲームショウでも資料が用意されておらず,解説してくれる人さえいないために,紹介しようにも内容がさっぱり分からないゲームがあったり,ほかのゲームと見分けがつかずに,作品自体を見逃してしまったりといったことはあるわけだが,有名無名に関わらず,可能な限りたくさんのタイトルにスポットライトを当てたいと思っているのは事実だ。たとえそれが,アマチュアレベルを抜けきれていないようなデベロッパのタイトルだったとしてもだ。
実のところ,そういった会社のほうが(失うものがないためか)斬新なアイデアをゲームに取り込んだり,それまで誰もゲーム化しなかったような題材のゲーム化に挑戦したりと,大手に真似のできないゲーム作りをしていることが多い。そして,そういったメーカーが存在するからこそ,ゲーム産業はより強固で多角的になっていくのだと思う。
今回は,決してメジャーとはいえないが,光るものを持っていそうなMMORPG5作を紹介しよう。ひょっとすると,この中からゲーム業界の未来に影響を与えるような作品が出てくるのかもしれない。
開発元:Quest Online
開発元のQuest Online,もしくは開発者であるDavid Allen(デイビッド・アレン)氏の名前を知っていたら相当コアなゲーマーといえるだろう。彼は,OpenGLの3Dグラフィックスで話題になったRPG「Demise」を2000年にリリースし,その後「Horizons: Empire of Istaria」(2003年)でMMORPG市場に参戦。そして現在,資金調達に苦労しながら開発しているのがこの「Alganon」である。
Alganonのコンセプトは,「無限の成長を可能にしたシンプルなゲームプレイ」というもので,キャラクターのレベルキャップはない。プレイヤーキャラクターは,AsherothもしくはKujixという二つの反目する家のどちらかに生まれ,この二勢力の対立を軸にゲームが進んでいく。プレイヤーは200人規模のPvP戦を指揮するなどして功績を残していき,最終的に,ゲーム内で編纂される“史記”に自分の名前を残すのが目標だ。オフラインでも成長させられるスキルがあり,トレードやオークションといった経済システムにも重点が置かれており,ペットとして連れまわる動物やモンスターもプレイヤーキャラクターと共に成長していくとのこと。現在はα版まで開発が進んでいる。
開発元:Iron Realms Entertainment
人間がいない架空の地球を舞台に,高度な進化を遂げた動物達が剣や魔法を駆使して野山を駆け巡るというのが「Earth Eternal」の背景となるストーリーだ。プレイヤーキャラクターは,16種類から選択でき,ネコ,クマ,キツネ,ウシ,ウマ,カエル,フクロウといった種族が男女(オスメス?)別に用意されている。どれも目が大きく頭でっかちに描かれているので,ひょっとすると対象年齢は低めに設定されているのかもしれない。クラスは,ウォーリアー,メイジ,ドルイド,そしてスニーク(アサシン系)の四つだ。
Earth EternalにはGrove(木立ち)というプライベートエリアが存在し,プレイヤーはここを好きなように飾ったり,アイテムの保管場所にしたりできる。木立ちとはいえ,土の中や樹上などいくつかのバリエーションがあり,そこに友人達を招いてくつろぐこともできるようだ。
敵対するモンスターは,巨大な木人とか傘に赤い斑点がついたマッシュルームなど,どこかで見たような気もするキャラクター達だ。PvPも存在するということだが,現時点では詳しく公開されていない。正式サービス後は,特典つきの有料プレイか,ゲーム内広告のある無料プレイが楽しめる予定だ。
開発元:Ankama Games
「Wakfu」は,2005年に「DOFUS」というフラッシュベースのMMORPGを発表したフランスのAnkama Gamesの新作だ。パっと見は「タクティクスオウガ」のような雰囲気が漂っているが,ベースとなる戦闘システムも似ており,各キャラクターに設定された素早さの順に行動しながら戦い,ゲームを進めていく。
Wakfuは,DOFUSの続編という位置づけになっており, 物語はDOFUSの1000年後に設定されている。美しい人間女性に恋をしてしまったオーガが彼女にフラれた腹いせに,世界に散らばる六つの“Dofus”を見つけ出し,神々をも超越する魔力を身につける。そして世界に大きな混乱をもたらしたうえ,山頂で何日も泣き続けたために,その涙による洪水で,世界が滅亡しそうな状態になってしまったのだ。
そんな危機的状況から世界を助けるのがプレイヤーの役目なのだが,ゲームの細かな仕様についてはまだあまり発表されていない。Ankama Gamesは,Wakfuと一緒にシングルプレイ用のNintendo DS版も開発しており,PC版とDS版でアイテムの転送ができるようになるらしい。
開発元:Max Gaming Technologies
ボードゲーム「Dark Horizons」の世界観をライセンスして,2004年にMMORPG「Dark Horizons: Lore」を,また2006年にはアクションシューティングである「Dark Horizons: Lore Invasion」を開発してきたMax Gaming Technologiesの新作が,「Dark Horizons Universe」だ。
27世紀,機械と融合した地球人が,銀河への進出に成功した時代を背景とするMMORPGである。本作の特徴は,最近公式に公開されたばかりのMultiverse Platformを使用しているところ。これは,Multiverse NetworkのライセンスするMMORPG用ゲームエンジンで,このエンジンで開発されたゲームは,同社のWorld Browserと呼ばれる無料配布のクライアントソフトを利用することで,異なる会社が開発したゲームのキャラクターを共通化でき,プレイヤーは同じキャラクター使って別のゲームをプレイできることになる。
HDR(ハイダイナミックレンジレンダリング)などにも対応したDark Horizons Universeは,Multiverse Platformの中核となるゲームと目されている。プレイヤーは,The Federated PatrolやEastern Confederationなどの勢力に分かれ,ギルド戦などを楽しむようことになるようだ。
開発元: Talos Entertainment
カナダのTalos Entertainmentが開発している「City of Sinners and Saints」は「デート」の楽しみも加えた,SNS型のゲームで,Dark Horizons Universeと同じくMultiverse Platformで開発されている。
プレイヤーはアスリート型,遊び人型,おたく(ギーク)型,クマのぬいぐるみ型などから自分のキャラクターを選び,SinnersとSaintsに分かれた街を舞台として,ほかのプレイヤーとの交流を楽しむのだ。
プレイヤーは,ほかのプレイヤーが主催するパーティに参加したり,一緒にダンスをしたりすることでゲーム内のポイントを得られ,そのポイントを使ってキャラクターを成長させたり,新しいファッションアイテムを買って着飾ったりできる。より多くのプレイヤーと交流を持てば持つほど,ゲーム内の生活が豊かになっていくわけだ。
これまで教育ソフトなどに取り組んできたデベロッパだけあり,デート付きとはいえアダルト系コンテンツは含まれていない。オンラインゲームを使っての仲間作りやプラトニックな交際を目的としたものになるようだ。
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