2011年12月10日，紙のようにペラペラなキャラクターが活躍するオンラインFPS「
ペーパーマン」のオフラインイベント，
「PaperMan Championship 2011」（以下，PMC2011）が，東京・有明の東京ファッションタウンビル2階TFTホールで開催された。
今回のイベントでは，事前に行われたオンライン予選を勝ち抜いた4クランによる決勝戦が行われたほか，今後の展開の発表や，声優陣のスペシャルトーク，ペーパーマングッズの販売などが行なわれた。
左から兼城かよさん，GMデス村さん，ぬるぽちゃん。この3人の司会でイベントは進行した
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このイベントで司会を担当したのは，GMデス村さんとぬるぽちゃん，兼城かよさん。ぬるぽちゃんは，各試合の実況/解説も担当した。
オフライン決勝戦は，11月16日より行なわれていたオンライン予選を勝ち抜いた，4つのクランによるトーナメント戦。ルールは5対5の爆破ミッションモードで，5ラウンド先取したクランの勝利となる。試合開始前にリーダー同士がじゃんけんを行い，勝利したほうが対戦マップを選択，負けた方は，A（爆弾を設置する側）かB（爆弾設置を阻止する側）を選択できた。
物販ブースには，開場と同時に多くのユーザーが殺到。限定50個の福袋は，販売開始から1時間もたたずに売り切れてしまったという。物販に2時間以上並んだという人もいたそうだ
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対戦ゾーンでは個人戦が行われていた。1人1回まで参加でき，上位5位に入ると物販で売られているシリアルカードが1枚もらえるとのことで，多くの来場者が参加していた
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第1試合は，昨年の大会で優勝した強豪クラン「Karma」と，フランス語で“迅速”を意味する「Prontezza」。じゃんけんで勝った「Prontezza」が対戦マップ“紛争地帯”を選択し，「Karma」がBを選択した。
順調に勝利を重ね4-2でリーチをかけた「Karma」だったが，「Prontezza」が巻き返していき4-4のイーブンまで持ち直す。さらに最終戦では，先に1人倒し人数的に優位に立ったる「Prontezza」だったが，犠牲を出しながらも怒濤の攻撃を行う「Karma」に次々と倒されていき，あえなく破れてしまう。初戦からフルセットとなる白熱した試合だったが，地力の差を見せつけるような形で「Karma」が勝利を手にし，決勝へと進んだ。
第2試合は「わが町GINIA」と「Esperanza」との戦い。じゃんけんで勝った「わが町GINIA」が“ロボット工場”マップを選択し，「Esperanza」がAを選択して試合はスタートした。
結果だけ先に話すと，5-0で「わが町GINIA」の圧倒的勝利で終わった。しかし，それぞれのラウンドはかなり長引き，とくに5ラウンド目は「Esperanza」がファーストキルを取り流れを手にするかと思われたが，「わが町GINIA」は慌てずに建て直して「Esperanza」を撃破し，勝利を収めたのだ。
第2試合終了後は3位決定戦が行われ，「Prontezza」が「Esperanza」が対戦した。じゃんけんで勝った「Esperanza」が“ピラミッド”マップを選択し，「Prontezza」がAを選択した。
試合内容はそれほど長くはなく，遭遇すると一気に勝負が決するような形で進んでいく。双方の実力は伯仲しており，お互いにラウンドを取り合い4-4の最終ラウンドまでもつれこんだ。最終ラウンドでは「Esperanza」が早々に1人倒れ，その後の銃撃戦で大きく数を減らされて敗北。「Prontezza」が勝利し3位に輝いた。
待望の新システムが続々と実装に
新たなコラボレーションはインベーダーゲーム!?
ペーパーマン運営チームプロデューサーの関 芳樹氏
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3位が決定したところで，大会は一旦休憩となり，運営チームによって，ペーパーマンの今後の展開が発表された。発表を行ったのは，ペーパーマン運営チームプロデューサーの
関 芳樹氏だ。
まずは，昨年のPMCで発表されたシステム「オークションシステム」「スイッチウェポン」「アイテムギミック」についての進捗が発表された。これらについては，現在バランス調整や不具合の修正などを行っており，作業が落ち着いたら公開テストを経て実装する予定とのこと。
新発表としては，12月14日に行なわれる「利便性向上アップデート」の内容が明らかにされた。武器のタイプやアイテム名，価格などでアイテムをソートできるようになったり，プレイルームの中から装備を変更できるようになったりと，多数の変更点があるとのこと。詳細は，来週のアップデート時にアナウンスされるそうだ。
さらに，来年早々に行なわれる新システムテストについてのスケジュールも発表された。対象となる新システムは「AIモード（プレイヤーとCPUの対戦モード）」「ミッションシステム」「クエストシステム」の3つ。これらのシステムの公開テストを1〜3月の間に行い，テストに参加したプレイヤーの意見を吟味したうえで，来年中の実装を目指すとのことだ。
そして12月14日のアップデートに関して，なんとシューティングゲームの元祖ともいえる「スペースインベーダー」とのコラボレーションが発表された。意外すぎる発表ゆえ，会場全体が反応に困っていたような印象も受けたが，関氏によれば，かなりデキがよく面白いものに仕上がっているとのことなので，アップデート当日を楽しみにしていてほしい。
最後に，2月に実装予定となる新キャラクターが発表された。ロボ娘のこのキャラクターは，コンセプトや設定は決まっているものの，まだ名前が決まっていないらしい。後日，この新キャラクターの名前を募集するイベントが行なわれる予定なので，興味のある人は今のうちから名前を考えておこう。
この新キャラクターの発表後，関氏は「まずは14日のアップデートを楽しみにしてほしい」とコメントし，運営チームからの発表は終了となった。
運営チームからの発表後，スペシャルゲストトークへ移ろうとしていたところに，なんとテリシアが乱入。そのままステージ上でダンスを披露した。なんでもオーディション会場を間違えたとのことだ。今後もどこかで現われるかも……？
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突如乱入したテリシアがダンスを披露したあと，あらためてペーパーマンのキャラクターを演じている声優の
長谷川明子さん（ミリィ役），
檜山修之さん（ガイ役），
水橋かおりさん（フッド役）の3人が登場し，スペシャルゲストトークが始まった。
兼城さんに「今日の服装は，ガイっぽくて似合っている」と言われた檜山さんは，まんざらでもない様子でガイの収録エピソードを語った。「3年ぐらいガイをやっているので，キャラクターとしては好きなんですよ。最初の頃は強気から弱気まで3パターンぐらい収録しまして，実のところ3パターンでも，演じる引き出しとしては一杯一杯なところもあるんですよね。でも，最近スタッフさんも調子に乗ってきているのか，5パターンも6パターンも用意してきやがって，もう引き出しねぇよ！ みたいな（笑）。ガイへの愛着というよりも，今はもうスタッフとの戦いです」と暴露し，開場の笑いを誘っていた。
PMCは今回で3度目の参加となる檜山さんは，過去のイベントのことを振り返りつつ「今度もどんどん参加者が増えて，より大きな会場でイベントができたら楽しいそうだよね」と話していた。
左から，水橋かおりさん（フッド役），檜山修之さん（ガイ役），長谷川明子さん（ミリィ役）
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檜山さんの話を聞いた長谷川さんは「耳が痛かったねぇ」と笑いながら答え，「ミリィは可愛い女の子で，声質も年齢も変えて色々な役をやらせてもらっている感じで，楽しく演じています」と話した。そして「皆さんが色々な衣装や髪型のミリィで遊んでいるのを見て，この恰好ならこんな声，あの恰好ならどんな声が似合うだろうと考えるのが楽しくて，もっといっぱい見たいと思いました」と，声優ならではのコメント。
対戦を観戦した長谷川さんは「会場が広くなっても，熱気が変わらないのはすごい。プレイヤー同士の交流の場としても広がっていったら楽しいと思いますし，また機会があったら参加したい」と語った。
そして，今回初めてペーパーマンのイベントに参加した水橋さんは「最初にフッドを見たときに，ウチのマネージャー（男性）にそっくりで，『何かの間違いじゃない？ これ，私が？』って思わず聞き直しちゃいました。おかげで自分で考えていた声と違う声を要求されたような気がして，ものすごく手間取りましたね」と，フッドとのファーストコンタクトのエピソードを語った。また，「ゲームは普段，家で1人で遊んでいるので，オンラインや会場でみんなが遊んでいるのを見て，楽しそうだと思いました。今度は自分も一緒に参加できたらと思います」と話をまとめ，スペシャルゲストトークは幕を閉じた。
決勝は「Karma」と「わが町GINIA」の因縁の対決！
「わが町GINIA」の執念は一歩及ばず栄冠は「Karma」に
スペシャルゲストトークの最後に，声優陣からそれぞれエールをもらった「Karma」と「わが町GINIA」。彼らが激突する決勝戦ではルールが多少変更され，5ラウンドを1セットとし，2セット先取したクランの勝利となる。マップ決めのルールも異なり，じゃんけんで勝つと1セット目のマップの決定権と2セット目のA/B選択の優先権，じゃんけんで負けると1セット目のA/B選択の優先権と2セット目のマップ決定権が与えられる。
最初のじゃんけんで勝利した「わが町GINIA」は，1セット目に“ピラミッド”マップ，2セット目はAを選択。負けた「Karma」は，1セット目をA，2セット目に“池袋”マップを選択した。
1年前，別名のクランではあったが，決勝戦で「Karma」に敗れ，その雪辱に燃える「わが町GINIA」と，連覇を狙う「Karma」。第1セットは，うまくメンバーを分け相手の裏を取るような動きで勝利を重ねていく「Karma」。何人か倒されても，人数的にはイーブンまで持ち込む場面を見せた「わが町GINIA」だったが，あと一歩のところで届かず，5-2で敗れ，まず「Karma」が1セット先取した。
第2セットの舞台は，「Karma」が選択した“池袋”マップ。「このために池袋を選んだのか」と思わせるような地の利を活かした動きで，次々と「わが町GINIA」を倒していく「Karma」。1ラウンド取られたものの，5-1という圧倒的なスコアで「Karma」が勝利し，昨年の大会に続いて見事2連覇を成し遂げた。
勝利者インタビューで「Karma」は，優勝の喜びを語りながら勝因を次のように話した。
「連携もあったけど，意思疎通がうまくできたのがよかったと思う。その一方で，僕らはオフライン対戦の経験もあって，わざと『Aいく』とラジオチャットで流しておいて，チームチャットではBへ行くことを伝えるなど，オフライン用の作戦も決めていました。それがうまく働いたのかもしれません」と話していた。
2連覇の喜びに浸る「Karma」の前に，関氏率いるGMクランが現われ，突如エキシビジョンマッチが決定。GMクランが勝っても何もないが，「Karma」が勝つと，12月14日のメンテナンスまで，獲得PGと経験値が70％アップするという，「Karma」にとっては微妙にプレッシャーのかかる1戦だ。
3ラウンド先取のルールで始まった「Karma」とGMクランとの戦いは，終始“笑える”展開だった。対戦しながら実況も行ない，やられたときはときに叫びながら，ときに囁くように味方へ指示を飛ばすぬるぽちゃん。対する「Karma」は，ガチ戦モードではなく好きなキャラクターで楽しみながら戦っていた。そのせいか，結構倒される場面もあったが，会場を盛り上げることに貢献しつつ，確実に勝利していく姿はさすがの一言。3-0でGMクランを下し，見事獲得PG/経験値が70％アップをもぎ取ったのだ。これはすでに，ゲームサーバーに適用されているので，ガンガンプレイして経験値をゲットしてほしい。
エキシビジョン後に行なわれた表彰式では，プレゼンターとして再登場した声優陣から，トロフィーや景品が直接手渡された。その後，最後にグッズ争奪のじゃんけん大会や，記念撮影などが行なわれ，オフラインイベントは幕を閉じた。
取材を終えて印象深かったのは，会場に訪れたプレイヤーの年齢層の低さだ。オンラインゲームのイベントといえば，少なくとも高校生以上かなという印象があるが，PMC2011では，小学生の男の子や女の子の姿がそこかしこに見られた。ペーパーマンの基本的なシステムやルールはシンプルだし，ポップで可愛らしいキャラクターも，年齢層を下げている要因なのかもしれない。
今回のPMC2011では，静岡や大阪から参戦したプレイヤーもおり，最終的には約900人が集まったという。年齢を問わず，多くの人々に受け入れられていることを証明したペーパーマン』来年のPMCは，今回よりもさらに広い会場で行なわれることになるかもしれない。
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2011/12/12 00:00
ペーパーマン
