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Release 170世代がGeForce 9以外にも対応。公式β版「ForceWare 174.74」
NVIDIAは,Windows XP用がGeForce FX〜9世代,32/64bit版Windows Vista用がGeForce 6〜9世代のデスクトップPC向けGPUおよびグラフィックス機能統合型チップセットをサポートする公式β版グラフィックスドライバ「ForceWare 174.74 Beta」をリリースした。GeForce 8以前のGPUやグラフィックス機能統合型チップセットをサポートするものとしては,初のRelease 170世代となる。以下,NVIDIAのダウンロードページに向けたリンクを用意したので,入手したい人は利用してほしい。
→Windows XP用ForceWare 174.74(72.1MB)
→32bit版Windows Vista用ForceWare 174.74(60.9MB)
→64bit版Windows Vista用ForceWare 174.74(75.4MB)
リリースハイライトには,先に公開されているGeForce 9用ForceWareで実装された機能なども全部書かれており,必ずしもすべてがForceWare 174.74 Betaの新機能というわけではないが,あらためて整理しておこう。
●Release 174で新たに正式サポートされたGPU(Windows XP/Vista)
- GeForce 9800 GX2
- GeForce 9600 GT
- GeForce 8300
- GeForce 8200
- GeForce 8100(nForce 720a)
- nForce 730a
●Release 174の新機能&新要素(Windows XP/Vista)
- 複数のDirectX 9/10およびOpenGLタイトルにおけるパフォーマンスの改善(詳細は未公開)
- GeForce 9シリーズへのPureVideo HD新機能追加
「Dynamic Contrast Enhancement」(ダイナミックコントラスト拡張)
「Automatic Green, Blue & Skin Tone Enhancements」(緑,青および肌の色の自動拡張)
「Dual Stream Decode Acceleration※」(二つのビデオストリーム再生支援)
●Release 174の新機能&新要素(Windows Vista)
- GeForce 9800 GX2のQuad NVIDIA SLI
- Manage Custom Resolutions(カスタム解像度設定機能)
- Adjust Television Color Settings(ビデオ出力時のカラー設定機能)
- Adjust Screen Size and Position(スクリーンサイズと位置の設定機能)
- Move CRT Position(CRTディスプレイにおけるスクリーン位置の設定機能)
- GeForce 9シリーズにおけるWindows AeroディスプレイモードとBlu-ray/HD DVD再生の互換性向上※
※サードパーティ製ムービープレイヤーソフトの最新版が必要
またリリースノートによれば,Windows Vista環境のNVIDIA SLI(以下,SLI)動作時を中心として,ゲームに関連した複数の修正が見られる。今回もゲーマーにとって重要そうなところをピックアップして,以下のとおりお伝えしておきたい。
●ForceWare 174.74 Betaで解決した主な問題(Windows XP)
- GeForce 8800 GTX搭載環境で「Sid Meier's Railroads!」をプレイすると,ゲーム中にドライバがクラッシュしたり,アプリケーションがフリーズしたりする問題
- GeForce 7950 GX搭載環境で,アンチエイリアシングを有効化して「Pirates of the Caribbean: The Legend of Jack Sparrow」をプレイすると,画面のエッジが赤らむ(※もしくは光る。原文では「glow」)問題
- GeForce 7050 PV/7025およびGeForce 7600 GS搭載環境で,HDMIとDVIを利用したデュアルディスプレイ接続していると,HDMIケーブルをホットアンプラグしたときにDVI側の画面に何も表示されなくなる問題
- GeForce 9600 GTのSLI構成時に「F.E.A.R.」「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter 2」「Neverwinter Nights 2」「Serious Sam II」を実行すると,オープニングビデオがちらつく問題
- GeForce 7900/7600/7300のSLI構成をアナログディスプレイに接続していると,新しいドライバのインストール後に画面表示が失われ,システムの再起動が必要になる問題
- GeForce 6600をSLIブリッジコネクタレスでSLI構成していると,「City of Heroes」で画面が暗くなり,衣類のテクスチャが読み出されなくなる問題
●ForceWare 174.74 Betaで解決した主な問題(32bit版Windows Vista)
- GeForce 8800 GT搭載環境で「Unreal Tournament 3」をプレイすると,マップ「Gateway」でゲームがフリーズする問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,解像度が2048×1536ドット,アンチエイリアシング設定が8xAAに設定された状態で「Battlefield 2」を実行し,終了すると,デスクトップが正常に表示されない問題
- GeForce 7950 GX2搭載環境で,デスクトップを右クリックしてもNVIDIAコントロールパネルを開くための選択肢がコンテキストメニューに表示されない問題
- GeForce 7300 LE搭載環境で「Battlefield 2」を実行し,ゲーム側の解像度が1280×960ドットに設定され,アンチエイリアシング設定が4xAA,そしてLightning設定がHighになっていると,オープニングムービーがちらつく問題 GeForce 6600 GT搭載環境で,解像度が1280×1024ドットに設定され,NVIDIAコントロールパネルから8xAAが有効化されていると,「Microsoft Dungeon Siege 2」がハングアップする問題
- GeForce 9600 GTもしくはGeForce 8800 Ultra/GTX/GTS/GTのSLI構成時に,V-Syncを無効化して「F.E.A.R.: Perseus Mandate」「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter 2」「Neverwinter Nights 2」「Serious Sam II」を実行すると,オープニングビデオに黒い横線が表示される問題
- GeForce 9600 GTもしくはGeForce 8800 Ultra/GTX/GTS/GTのSLI構成時に「F.E.A.R.」「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter 2」「Neverwinter Nights 2」「Serious Sam II」を実行すると,オープニングビデオがちらつく問題
- GeForce 8800 Ultra/GTXの3-way SLI構成を行うとき,すでに2-way SLIが構築されている環境で3枚めのカードを差すと,ドライバのセットアップ中にブルースクリーンが表示される問題(※なお,2-way SLIから3-way SLIへ移行するときは,いったんシングルGPUレンダリングモードに変更してから3枚めのカードを差すことが推奨されている)
- GeForce 8800 Ultra/SLIの3-way SLI構成で,SLIパフォーマンスモードを変更すると,3-way SLIデフォルトのプロファイルに戻せなくなる問題(※戻すためにはドライバの再インストールが必要とされているので,「ドライバの再インストールによって戻せるようになった」という解釈が正解と思われる)
- GeForce 8800 Ultra/SLIの3-way SLI構成時に,NVIDIAコントロールパネルにあるSLIプロファイルが「シングルGPU」と誤表示される問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時にDirectX 10モードで「Hellgate: London」をプレイすると,散発的にフレーム表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に「F.E.A.R.」をプレイするとオープニングビデオがちらつく問題
- GeForce 7900 GTのSLI構成時に,解像度が1280×1024ドット,リフレッシュレートが60Hzに設定され,かつ8xAAが有効になっている状態で「Need for Speed ProStreet」をプレイすると,ずっと画面がちらつき続ける問題
- GeForce 6600 GTのSLI構成時に,解像度が1024×768ドット,ゲーム側のアンチエイリアシング設定が4xAAに設定されていると,「Colin McRae: DIRT」がゲーム中にハングアップする問題
●ForceWare 174.74 Betaで解決した主な問題(64bit版Windows Vista)
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,解像度が2048×1536ドット,アンチエイリアシング設定が8xAAに設定された状態で「Battlefield 2」を実行し,終了すると,デスクトップが正常に表示されない問題
- GeForce 8800 GT搭載環境で「Unreal Tournament 2」をプレイすると,マップ「Gateway」でゲームがフリーズする問題(※筆者の記憶が確かなら,Unreal Tournament 2=Unreal Tournament 2003の基本マップに「Gateway」はないので,Unreal Tournament 3のタイプミスと思われる)
- GeForce 9600 GTもしくはGeForce 8800 Ultra/GTX/GTS/GTのSLI構成時に,V-Syncを無効化して「F.E.A.R.: Perseus Mandate」「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter 2」「Neverwinter Nights 2」「Serious Sam II」を実行すると,オープニングビデオに黒い横線が表示される問題
- GeForce 9600 GTもしくはGeForce 8800 Ultra/GTX/GTS/GTのSLI構成時に「F.E.A.R.」「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter 2」「Neverwinter Nights 2」「Serious Sam II」を実行すると,オープニングビデオがちらつく問題
- GeForce 8800 Ultra/GTXの3-way SLI構成を行うとき,すでに2-way SLIが構築されている環境で3枚めのカードを差すと,ドライバのセットアップ中にブルースクリーンが表示される問題(※2-way SLIから3-way SLIへ移行するときは,いったんシングルGPUレンダリングモードに変更してから3枚めのカードを差すことが推奨されている)
- GeForce 7900 GTXのSLI構成時に,NVIDIAコントロールパネルの「Resize HDTV Desktop」が表示されない問題
- GeForce 7900 GTのSLI構成時に,解像度が1280×1024ドット,リフレッシュレートが60Hzに設定され,かつ8xAAが有効になっている状態で「Need for Speed ProStreet」をプレイすると,ずっと画面がちらつき続ける問題
このほか,例によってビデオ再生回りの不具合がいくつか修正されている。また,あまりにも膨大なので割愛するが,今回は不具合のレポートが非常に多い。ざっと見ただけでも
- GeForce 8800 GTX搭載のWindows XP環境において,解像度を1280×1024ドット以上に設定し,ウインドウモードで「Counter-Strike」を実行すると,起動に失敗する
- GeForce 8800 GTX搭載のWindows Vista環境でゲーム側の8xAA設定を有効化するとOpenGLタイトルのパフォーマンスが落ちる
- GeForce 8シリーズ搭載のWindows Vista環境で,ForceWare 169.25以上がインストールされていると,ドライバのアンインストールに「Error in NVCPL.DLL」と表示されることがある(※再インストールすれば直るそうだ)
といった感じで,特定条件における問題が中心に列挙されている印象だ。おそらくNVIDIAのドライバチームは,認識しているこれらの不具合を,Release 170世代で少しずつ潰していくつもりなのだろう。
あくまでβ版である点に注意は必要だが,NVIDIAはユーザーに対してβ版ドライバの利用を勧めているので,現在GeForceファミリーのGPUを使っていて,何らかの不具合を抱えているのであれば,自己責任で試してみる価値はある。とくに,GeForce 8以前のGeForceを利用しているWindows Vistaユーザーにとって,ディスプレイのカスタム解像度設定機能が実装された公式ドライバは今回が初めてであり,ForceWare 174.74 Betaには大いに意義があるといってよさそうだ。
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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