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  • シグナルトーク
  • 発売日:2004/04/26
  • 価格:東風1戦80ポイント/東南1戦150ポイント/三麻1戦100ポイント /プロリーグ戦200ポイント(1ポイント=1円相当)
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オンライン麻雀は認知症予防に役立つのか? シグナルトークが「Maru-Jan」を使った認知症予防の調査研究に関する記者発表会を開催
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印刷2010/10/26 20:12

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オンライン麻雀は認知症予防に役立つのか? シグナルトークが「Maru-Jan」を使った認知症予防の調査研究に関する記者発表会を開催

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シグナルトーク 代表取締役 栢 孝文氏
 シグナルトークは本日(10月26日),「麻雀ゲームによる,認知症予防の調査研究」に関する記者発表会を,東京都内にて開催した。

 最初に登壇したのは,シグナルトークの代表取締役を務める栢 孝文氏。栢氏はまず,同社がこの研究に取り組むことになった経緯を説明した。
 それによると,このプロジェクトのスタートは4年ほど前。当時から,シグナルトークがサービスを提供しているオンライン麻雀「Maru-Jan」のサポートには,年配のユーザーからたびたび「ボケ防止のためにプレイしている」とのメールが届いていたそうだ。
 加えて,老人福祉施設などでは「麻雀がボケ予防にいい」という経験則が以前から知られていたことなどから,栢氏は本格的に専門家の協力を仰ぎ,研究を進めようと考えたそうだ。

 栢氏はオンライン麻雀の利点として,PCとネット環境があればどこでも遊べる点を挙げる。認知症は怪我などで一時的に外出が困難になったときに進行するケースが多いとのこと。すなわち,リアルの麻雀で4人で卓を囲むことが難しい状態でも,オンライン麻雀ならベッドの上で十分プレイできるわけである。
 栢氏は,もしこの研究で,オンライン麻雀,ひいてはオンラインゲームが認知症に効果があると認められるのであれば,少子高齢化が進む──必然的に認知症患者も増加していく──日本の社会に,大きな貢献ができるのではないかと展望を述べた。

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レデックス認知研究所 所長 五藤博義氏
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 続いては,レデックス認知研究所 所長の五藤博義氏が,この研究の社会的な意義を三つの観点から説明した。
 一つめは,この研究がオンライン上の調査を採用していることだ。これは,世界でも権威の高い総合学術雑誌「Nature」において,2010年4月に発表された研究論文で,初めてオンライン調査が採択されたことを受けてのことであるという。従来,こうした研究では信用度の観点からオンライン調査は重視されてこなかったこともあり,日本初のオンライン調査を含む研究となるのではないかと,五藤氏は述べた。

 二つめに挙げられたのは,45万人に上るMaru-Janの登録会員のうち,25%が60歳以上である点。これは,より認知症発症の可能性が高まるシニアユーザーのデータを収集しやすいということである。
 三つめは,Maru-Janが単なるゲームではなく,PCを介して他人とコミュニケーションを図るオンラインゲームであるという点。五藤氏は,会話およびチェスなどのゲームが認知症によい影響を与えるという研究がこれまでにもなされており,プレイヤー同士の交流ができるオンラインゲームに同様の効果を確認できれば,画期的なことであると述べた。

 ここで栢氏が,シグナルトークの公式サイトで公開されている「前頭前野いきいき度チェック(漢字色別テスト物語編)」を紹介。これは脳の前頭前野の機能を計るテストで,“文章を読むこと”と“色の識別”を同時に行うというテストだ。念のために補足しておくと,このテストの結果がそのまま認知症に結びつくわけではない。
 ユーザーが長期的にMaru-Janをプレイしていく中で,定期的にこのテストを受け,その結果,前頭前野の機能を維持したり,あるいは向上したりする傾向が見られるようであれば,そこであらためて麻雀およびMaru-Janの認知症予防効果を検証するとのことだ。

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「漢字色別テスト」では,テキストを読みながら,文中に出てきた色と漢字が合っているか判別していく
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色に気を取られていると,テキストの内容を忘れてしまいがちになる。これが大きなポイントだ
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サンプルなので短いテキストだったが,よく読んでいないときちんと答えることができない設問となっている
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テスト本編は,こんな長文が登場! 栢氏曰く,かなり難しい内容のテストとのこと

創生 代表取締役/日本生体医工学会BME on Dementia研究会 会長/日本早期認知症学会 理事長 志村孚城氏
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 この「漢字色別テスト」を開発した,創生 代表取締役/日本生体医工学会BME on Dementia研究会 会長/日本早期認知症学会 理事長である志村孚城氏は,これまで認知症の予防や脳のトレーニングは,“感覚的・経験的”にしかなされてこなかったと説明。また,そうした状況の中で,麻雀が認知症予防に効果があるかどうかを科学的に証明したいという,栢氏の姿勢に感銘を受けたと述べた。
 また志村氏は,認知症と認定されると介護保険などの保障を受けられるが,それ以前の,いわば“認知症予備軍”と呼ばれる人達には,何も対策が施されていないことに言及した。「認知症の予防は,予備軍に施さないと意味がない」と述べ,志村氏の認知症発症の危険度を測る指標に関する研究と,Maru-Janを組み合わせた今回の研究の意義を強調した。

諏訪東京理科大学 教授 篠原菊紀氏(※ビデオメッセージでの出演)
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 さらにこの研究には,諏訪東京理科大学 教授の篠原菊紀氏も協力する。
 会場で上映された篠原氏のビデオメッセージでは,リアルの麻雀では脳機能が活性化されることが知られていたが,Maru-Janでも同様の効果が見られたことに言及。身体を使うことや生活習慣病に気をつけることに加え,頭を使ったり社会活動などでコミュニケーションを取ったりすることが,認知症予防策として挙げられている。その観点から,オンライン麻雀のMaru-Janにはたいへん注目していると述べた。

 続けて会場では,71歳の被験者がMaru-Janでオンライン対戦を行った場合の,脳の様子が映し出された。映像では,配牌時やツモ時,自分も含めて誰かがリーチしたときなどに,脳の血流が増加し活性化していることがうかがえた。とはいえ,この実験はまだ被験者が一人しかいないため,今後,より多くの実験結果を検証してみないと何ともいえないとのこと。

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ゲームスタート時の被験者の脳の様子。この状態では,脳は沈静化している
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いざプレイし始めると,局面に応じて赤い部分が増加。これは血流が増え,脳が活性化していることを示している

 発表会の最後に栢氏は,認知症に端を発する痛ましい事件があとを絶たないことに触れ,「その一歩手前で苦しんでいる人や家族がたくさんいる」と述べる。そうした中で,「シグナルトークはベンチャー企業だが,それでも社会に貢献できることはあるという姿勢で,会社としても一個人としてもこのプロジェクトに取り組んでいきたい」と強い意気込みを見せた。

 繰り返しになるが,この研究は取り組みが始まったばかりのもので,したがってまだ麻雀やMaru-Jan,そしてオンラインゲームが認知症の予防や脳機能の向上にどのような影響を与えるのか分からない段階だ。しかし,ゲーム業界に携わる人間としては大変興味深い研究であり,ぜひ喜ばしい研究の成果が出ることに期待したい。

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