インタビュー
東アジアの“美しい島”が登場。「大航海時代 Online 〜El Oriente〜」Chapter2について,恒例の開発/運営プロデューサーインタビュー
しかしあまりのコンテンツの多さに,インタビューの6回連載という前代未聞の状況になっていたことは,大航海時代 Onlineファンの方であれば記憶にあるかもしれない。
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「大航海時代 Online 〜El Oriente〜」特集記事一覧
そんなChapter1「Zipang」は,日本の登場はもちろん,南蛮貿易,フリースタイル造船,そして新しい陸上戦と甲板戦の登場など,システムのかなり深い部分まで追加/変更が行われたアップデートとなっていた。プレイヤーの多くは新しい要素や戦闘を,いろいろと試して楽しんでいるのではないだろうか。また,PlayStation 3版としても初の拡張パックとなり,MMORPGならではの,大きな変化を楽しんだプレイヤーもいただろう。
そうした新要素満載で始まった「大航海時代 Online 〜El Oriente〜」に,新チャプターが早くも登場することが明らかとなった。これは話を聞かなくてはと,開発プロデューサーの竹田智一氏と,運営プロデューサーの渥美貴史氏にインタビューしてきたので,さっそくお届けしよう。
ついにZipangに到達した「El Oriente」Chapter1は,前回の拡張パックと同程度の満足度。ただ甲板戦には課題も
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本日はよろしくお願いします。2009年12月15日に,ついに日本が登場する拡張パック「El Oriente」のChapter1「Zipang」が登場しました。プレイヤーからの反応はどうでした?
渥美貴史氏(以下,渥美氏):
アンケートによる満足度調査では,前回の拡張パック「Cruz del Sur」と同じくらいの評価をいただいています。拡張パック第一弾の「La Frontera」と比べて前回「Cruz del Sur」で満足度が大きく向上したことを考えると,全体としては満足度が維持できていると言えます。
ただ,サービス導入直後にいろいろな不具合や障害が出たりしたほか,最も重要であるお客様へのご案内についても,更新履歴による拡張項目の情報提供に漏れがありました。状況が掴めたあとは公式サイト上で追記いたしましたが,より高いレベルでプレイヤーの皆さんに満足していただくには,至らなかった点や,まだまだやれたことがあったと思います。
竹田智一氏(以下,竹田氏):
「Cruz del Sur」と比較してより高い満足度を目指していたのですが,結果は評価が同じくらいということで,これからのアップデートで,もっと高い評価を目指していかないといけません。プレイヤーのみなさんからの期待の高さに対して,まだまだ追いついていない,もっと頑張らないといけないと感じています。
4Gamer:
El Orienteでは,日本がついに実装されましたが,そちらについてプレイヤーの反応はどうでしたか。
渥美氏:
個別の内容ごとにアンケートを取りましたが,まずは東アジアが登場して,ついにZipang(ジパング)に到達ということで,このステップは満足していただけたようです。
ゲームシステムについても,これまでプレイヤーは1隻の船で航海していましたが,副官船長でもう一つ船を出せるようになったので,戦闘/交易/貿易でプレイヤーの戦略が広がり,高い評価をいただきました。
あとは,東アジアならではの新しいシステムとして南蛮貿易を,ゲームシステムの刷新というところでフリースタイル造船を,という二本柱に当たるものを導入しました。南蛮貿易については,導入後に若干のバランス調整が必要になりましたが,南蛮貿易,フリースタイル造船ともに,基本となるシステム部分についてはお楽しみいただけていると思います。
4Gamer:
たしかに,かなり多くの要素が追加されて,いろいろな遊び方ができるようになりましたね。
渥美氏:
その一方で,課題が残ったのは甲板戦です。
4Gamer:
陸上戦闘が大きく変わったことで,最初は若干プレイヤーの戸惑いが感じられましたが,甲板戦の課題とはどのようなものでしょうか?
渥美氏:
洋上戦には,いままで大きく砲撃/白兵戦という戦術がありました。これに新たに甲板戦が加わったのですが,これまで有効だった戦術が使えなくなったり,甲板戦の発生から決着まで時間がかかったりという不満をいただいています。これは大海戦で顕著なのですが,戦闘が始まってから1回の決着まで,前よりも時間がかかっているため,戦闘のテンポが悪くなっており,甲板戦については厳しい声をいただいています。ですので,1月のアップデートで一度調整を加えました。そして,今回のChapter2でもそこは改善します。
「El Oriente」Chpater2“Ilha Formosa(イラ・フォルモサ)”では美しい島「台湾」が登場
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では,それらを踏まえて,Chapter2について教えてください。
渥美氏:
はい。まずChapter2の名称ですが,“Ilha Formosa(イラ・フォルモサ)”になります。
発表会でもお伝えしましたが,「El Oriente」は一つのチャプターごとに,東アジアで新たな文化圏が登場するというコンセプトです。ですので今回は,台湾地域に着目したチャプターになります。
4Gamer:
Chapter1の名称は“ジパング”,つまり日本でした。“イラ・フォルモサ”という名称も台湾地域に関係のある言葉ですか?
渥美氏:
ええ,“イラ・フォルモサ”の由来は,初めてポルトガル人が台湾島を見たときに,「なんて美しい島なのだろう(イラ,フォルモサ)!」と感嘆の声をあげたということから付けられた名称で,現在でも台湾の別称としてフォルモサという名称が使われています。
4Gamer:
その感嘆の声が今回の名称になったわけですね。では,Chapter2ではどのようなアップデートが行われますか。
渥美氏:
主にチャプターのコンセプトに当たる部分ですが,先ほども申し上げたとおり,台湾地域が登場します。2点目は,「El Oriente」のChapter1で登場した要素の拡張になります。次に3点目はChapter2からの新機能追加,4点目は既存要素への変更/拡張といったところで,この4要素でChpater2を考えています。
4Gamer:
分かりました。では,台湾地域の追加について教えてください。
渥美氏:
えー,まずはこの画像をご覧ください。台湾の街並みになります。
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4Gamer:
手前はなんとなくヨーロッパっぽさがありますが,奥にある建物の屋根瓦などはアジア圏の雰囲気がありますね。
渥美氏:
これはポルトガル人が台湾を発見したあとに,オランダ人が立ち寄ったという時代背景があるので,ヨーロッパの匂いが残っている感じなのかもしれませんね。
ここ台湾においてのメインキャラクターとなるのが,「鄭成功」(ていせいこう)になります。今回のChapter2では彼が,Chapter1における伊達政宗の役割になります。
4Gamer:
鄭成功とはどういった人物なのでしょうか?
渥美氏:
鄭成功は,台湾の礎を築いた人物として,台湾の人々で知らない人はいない存在です。
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彼は江戸時代の日本でも,有名な人物でしたね。
4Gamer:
それは,どうしてでしょうか。
渥美氏:
鄭成功を題材にした人形浄瑠璃が演じられており,その後には歌舞伎の題目にもなっていたんですよ。
4Gamer:
なるほど。そんな鄭成功が,台湾での土地の実力者として登場するわけですね。
渥美氏:
はい。伊達政宗と同様に,台湾地域での南蛮貿易や,プレイヤーが特別なことを成し遂げた局面では,彼がキーマンとなって絡んできます。
次に台湾地域の文化圏的な特徴ですが,街として台湾の北部の街「淡水」と南部の街「安平(あんぴん)」の二つを追加します。安平には,「鄭成功」が築いた,安平城という城があります。そのほかでは,台湾地域の発見物は,動植物系が多いですね。
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竹田氏:
独自の生物が結構いますよ。あとは,鄭成功にゆかりの発見物が出てくると思います。
4Gamer:
ゆかりの発見物ですか。うーん,台湾史については詳しくないのですが,例えばどんなものがありますか?
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実はですね,鄭成功にはいろいろと伝説があります。
竹田氏:
怪獣退治をしたというやつですね(笑)。
4Gamer:
怪獣退治ですか(笑)。
渥美氏:
台北の山に実在する岩があるのですが,それは鄭成功に退治されて石になった,毒を吐き,人々に害をもたらしていた怪鳥だという逸話があるんですよ。
4Gamer:
なるほど,岩の形が大きな鳥に見えたんですね。
渥美氏:
そうでしょうね。こういった,現地のものにちなんだ発見物を用意しつつ,台湾ゆかりの美味しい食べ物も登場します。また先ほど,動植物の話をしましたが,そのなかで興味深いのが「山娘」という名前の動物ですね。
4Gamer:
ヤマムスメですか。たしか,カラス科の鳥……でしたっけ?
渥美氏:
ええ,そうです。
竹田氏:
実は,台湾を代表する鳥としてとても有名な鳥です。
4Gamer:
台湾を代表する鳥だったんですか。なんだか,台湾=山娘というイメージが出来上がりました。
渥美氏:
鄭成功も忘れないでください(笑)。次に,こちらが台湾の衣装になります。
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4Gamer:
東洋的な,可愛らしい衣装ですね。髪飾りの細工とか……,男性用の画像には東洋系の靴が見えますね。
渥美氏:
ええ。女性キャラクターの衣装がとくに可愛らしいので,女性のプレイヤーに人気となりそうです。あとは交易品についてですが,我々で何人かに「台湾の交易品って何?」と聞くと同じ答えが出て,カラスミと答えたんですね。
4Gamer:
なるほど,カラスミですか。
竹田氏:
日本では高価で取引されていますので,交易品としての価値は高いと思います。あと,「金瓜石(きんかせき)」という有名な金山があって,そこで採れるブランド金が交易品として手に入ります。
4Gamer:
ブランド金ということは,いわゆる交易品の「金」とは別ものになるわけですか?
竹田氏:
それぞれ採れる場所によって,ブランド物の別交易品として扱っています。
4Gamer:
なるほど。
竹田氏:
台湾サファイアといった特徴的な宝石も出てきます。あと交易品として,変わったところでは,家畜系も登場します。
4Gamer:
どんな家畜系の交易品が出るのでしょうか。
渥美氏:
具体的には,“水牛”が登場しますね。
竹田氏:
ほかには台湾でメジャーな食用の花で「金針花」といった,日本人にはなじみが薄いものが登場します。
渥美氏:
精神を安定させる効果があると言われている花です。次に,台湾地域の船についてですが,台湾らしい船ということでジャンク船(広船)です。
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4Gamer:
帆の形が特徴的ですね。
竹田氏:
ええ。これは,冒険用や交易用など,いろいろなバリエーションの船が登場します。
渥美氏:
全般的にジャンク船の特徴は,容量が多いところですね。
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明の時代に中国からアフリカまで行った鄭和は,街のように巨大なジャンク船に乗っていました。この当時はあまり航海が盛んではなく,海外渡航が禁止されていた時期だったので,その時代から造船技術は大きく進歩してはいませんが,中国から台湾に渡ってきた人達がその造船技術を伝えたので,台湾でもジャンク船は使われていました。
渥美氏:
なので,航海のスピードは劣りますが,その分多く積めるということは,交易には有利になります。
4Gamer:
なるほど。ちなみにこの船には,どれくらいのレベルのプレイヤーが乗れるんでしょうか。
渥美氏:
そうですね,東アジアに行ける人であれば大丈夫だと思います。
竹田氏:
一応,各職のレベル帯もそれなりに分散しています。Chapter1で導入された最新鋭の船に比べると,今回はそこそこ乗りやすいレベルだと思います。
4Gamer:
分かりました。このほかに,新しい船は登場しますか?
竹田氏:
台湾地域だけではなく,シャム船のバリエーションや,ティークリッパーのバリエーションが出てきます。
渥美氏:
とくにティークリッパーのバリエーションは,待ち望んでいるプレイヤーが多いかもしれませんね。
竹田氏:
速度重視型のティークリッパーですからね(笑)。
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Chapter1の要素を拡張。新たな遺跡ダンジョンが登場。アヅチの深層への扉も?
渥美氏:
台湾地域については以上になります。続いて,コンセプトの2番目となる,El OrienteのChapter1で加わった新要素を拡張していくというところです。
4Gamer:
Chapter1の新要素……と言ってもかなりの数がありますね。
渥美氏:
そうですね。まずは南蛮貿易の拡張についてお話ししましょう。南蛮貿易の一番大きな変化は,やはり台湾地域が入ることです。いままでは日本地域だけだったので,日本で積んだ南蛮貿易の品を,ヨーロッパや途中の文化圏で売却するというパターンでした。
これに台湾が追加されることで,東アジアに日本と台湾という二つの地域ができます。日本の名産品を台湾に持ち込んだり,逆もあったりして,交易の幅が広がると思います。
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4Gamer:
アジア圏の近海交易といった感じですね。
渥美氏:
ですので,先ほどのジャンク船の容量が多くて,船速度が遅いという特徴は,東アジア圏での交易を考えると便利です。気分を出すという意味でも,使ってもらうのも良いかもしれません。
4Gamer:
当時の雰囲気が味わえそうですね。ほかに南蛮貿易で変わったものはありますか?
竹田氏:
いままで,特定の文化圏で貰える交易品は定まっていましたが,街固有の交易品も登場します。もちろん,日本にも追加されます。
渥美氏:
日本を例にすると,まず,堺には“狭織”(真田紐)という特産品が入ります。長崎は“いぐさ”で,江戸だと“提灯”ですね。
4Gamer:
えーと,提灯ですか?(笑)
渥美氏:
はい(笑)。なぜ提灯を選定したのかを,開発に聞いてみたいですね。
竹田氏:
いやいや,やはり工芸品として特徴的なものですから(笑)。もちろん,台湾地域の街ごとにも特有の交易品があります。
4Gamer:
では,こういった街特有の交易品は,既存の街の交易品にも追加される可能性はありますか?
竹田氏:
そうですね,交易にバリエーションを出すという意味では,あると思います。
渥美氏:
このように南蛮貿易については,追加したデータに加え,アジア圏の二都市を使うことによる,より戦略性に富んだ交易を楽しんでいただけると思います。
次にChapter1で入った要素,遺跡ダンジョンについての追加です。
4Gamer:
Chapter2ではどんなダンジョンが入るんでしょうか。
渥美氏:
これは先ほどの台湾地域の登場にも関連するもので,台湾らしい遺跡ダンジョンが追加されます。具体的には紅毛城(こうもうじょう)という名前のダンジョンです。この場合の紅毛は,まさにオランダ人のことになります。
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竹田氏:
そうですね。オランダ人が作り,その後に廃墟になった城が遺跡ダンジョンとして登場します。ちなみに,この城は実在していて,今でも残っています。
渥美氏:
ええ,台湾では一級古跡に指定されています。日本で言えば国宝ですね。この城は,鄭成功が台湾北部の淡水の防衛拠点とした場所です。淡水は台湾八景の一つと言われており,ヴェネツィアと並び称されるような美しい場所で,多くの運河があります。そして,この遺跡ダンジョン“紅毛城”の特徴として,水にちなんだアイテムが入手できるダンジョンになっています。
4Gamer:
水にちなんだアイテムですか。ということは洋上戦に関係したアイテムになるということですか。
竹田氏:
そうですね。報酬としては,海戦系のアイテムが良くでるかなと思います。
4Gamer:
ちなみに,どのレベル帯向けのダンジョンになりますか?
竹田氏:
やや高レベル向けのダンジョンです。NPCの数も多いので大変だと思います。
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最初は,ヨーロッパに近いエジプト近辺に難度の低い遺跡ダンジョンが登場し,そのあとに“Azuchi(安土)”などが追加されて,プレイヤーの習熟も進んでいると思います。そこで,歯ごたえがあるダンジョンを用意しようということになりました。
4Gamer:
なるほど。では,このダンジョンの深さは,どの程度のものに?
竹田氏:
深さ的には,いわゆる中級くらいまでですね。実は上級という意味では,安土の深層が開きます。
4Gamer:
安土のさらに奥へ進めるようになるわけですね。
渥美氏:
はい。深層というくらいなので,それにふさわしいものが出てくるかもしれません。
竹田氏:
日本では戦国は終わっていますが,武具系とかがまだまだ隠されているんですよね。
4Gamer:
ということは……,前のインタビューで言ってたアレですか。
渥美氏:
ええ。いよいよ「ガチャガチャ」したやつが出てくる……んですかね?(笑)
竹田氏:
いやー,何が出てくるでしょうね(笑)。もちろん,出てくる敵もかなり歯ごたえがあります。
4Gamer:
ちなみに,それは歩くたびに音が鳴るんですよね?
竹田氏:
はい(笑)。プレイヤーに立ちはだかるかもしれません。
4Gamer:
えーと,それはプレイヤーも装備できるんですよね?
竹田氏:
できたりすると,良いですよね(笑)。
4Gamer:
うーん,はぐらかされていますね。ところで,話題の品のように,歩くたびに,何か音が鳴っているプレイヤーがいるのも面白いかもしれませんね。そういった環境音的なものがいろいろと追加されたら,賑やかかなーと思いました。
竹田氏:
面白いですね。でも,みんな着ていると相当うるさいような気もしますが(笑)。
4Gamer:
確かにそうかもしれません……。
渥美氏:
今までも鎧は出ていましたけど,いずれも西洋風のものが中心でしたし,ここでいよいよ登場となるわけです。
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