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[GDC 2010]Blizzard Entertainmentの語る「成功のためのゲームデザイン方程式」
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このゲームデザインのスタンダードを,Pardo氏は「デザインバリュー」とも呼んでいる。Blizzard Entertainmentが,ゲームデザインに関して特定のルール作りを進めるのは,同社の一つ一つのプロジェクトが非常に大きく,ゲームデザインに関する決定権を持つデザイナーが複数存在するためだ。ゲームデザイナーは,一人一人の価値観が異なるため,それぞれの判断に一任したままゲームを作ると,まとまりのないものに仕上がってしまう可能性がある。そこで,一線を越えてはいけないルールを作っておこうということなのだが,Pardo氏はこのレクチャーを「これはBlizzardのやり方で,ほかの開発チームやプロジェクトに必ずしも当てはまるとは限らない」ということには念を押していた。
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以下,その11項目を簡単に説明しておくが,ゲームデザイナーやBlizzardファンには,何かのヒントになるかも知れない。
其の一,ゲームプレイを最優先させること
ゲームの楽しさを得るためなら,どんな妥協も許さない。Warcraftの世界では,パラディンはAllience専用,シャーマンはHorde専用のクラスだが,WoWでは双方を似た強さに保つために,同じようなスキルのクラスになっていった。そこで,クラスのユニークさを強調するためにも,「Burning Crusade」ではストーリーをも破り,双方にパラディンとシャーマンを用意することにした。
其の二,簡単に学べ,習得するのは不可能に
ゲーム業界には,俗に「簡単に学べ,習得するのは難しく」という呪文があるが,MMORPGは長丁場なもの。遊び手に習得されてしまっては,その時点で飽きられてしまう。それならば,習得するのは不可能にしてしまえばよい。よく「WoWは初心者にもやさしい」などと言われるが,それはユーザビリティが良いだけで,Blizzard作品の本質はコアゲームだ。
其の三,ファンタジーとは何かを考えるべし
プレイヤーの「ファンタジー世界」に期待するものを理解しなければならない。ヒーラーのインタフェースはヘルスバーで埋まってしまって,プレイヤーを幻滅させるには十分なものだった。
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其の四,すべてを強力に
すべてのユニットやクラスを強力なものに。「StarCraft」では,ヒーローユニットというアイデアをRTSに取り込んだが,多くのプレイヤーはヒーローが死ぬのを嫌がり,ベースに待機させてまったく利用しなかった。「Warcraft III」では,ヒーローをさらに強力にし,死んでも簡単に再生できるようにした。使用ユニットの数を減らしたのも,ヒーローユニットを強調するため。
其の五,カッコ良さを煮詰めよ
ゲームの何がカッコ良いのか,を理解しなければならない。キャラクターや設定,環境,色使いなど,すべてにワクワクさせなければプレイヤーはついてこない。WoWのウォーリアは,Warcraft IIIのブレードマスター,マウンテンキング,Taurenチーフテンを良いところ取りしたクラスだ。Blizzardには,1勢力につき15ユニットという基本ルールがある。
其の六, 話ばかりじゃなくてプレイを
「Diablo II」は,その一つ一つのミッションをどんなにストーリーで味付けしても,基本的には最後のボスキャラ達を殺すだけのゲーム。WoWの「Green Hills of Stranglethorn」クエストも,なんとも仰々しいストーリーが与えられながらも,モンスターを倒してランダムに落ちてくるページを集めて本を作るだけ。「プレイすることでストーリーを学んでいく」というスタイルが重要だ。
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其の七,罰ではなく,ボーナスにすべし
WoWは,一日に数時間のプレイを念頭に作られており,毎日10時間も続けるとゲームのペースやバランスが崩れていく。そこで休憩システムを取り入れてストップする機会を設けたが,「休憩後は100%の経験値を得られるが,疲れてくると50%しか習得できない」という設定にしたところ非難ゴウゴウ。そこで,経験値データを半分にしたうえで「通常は100%の経験値が得られるが,休憩すると200%に上がる」と変更すると,みんな喜んだ。
其の八,操作感の良さが絶対である
微妙なカーソルの動きにまで注意すること。アマチュアレベルのStarCraftプレイヤーは毎分100回のクリックだが,プロゲーマーになると400回を超えるクリックをする。ちょっとしたずれが,プレイヤーの気分を害してしまうことになる。
其の九,チューンナップを徹底せよ
レベルが上がっていくタイプのゲームでは,レベル上げとクエストの発生/遂行速度をとことん調整しなければならない。やるべきクエストがなくなったときの空しさを頭に入れてデザインすること。
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其の十,小まめに作って,壮大さにはこだわるな
壮大なマップやクエストにしようとしたばかりに,その制作目的が失われてしまうことがある。WoWのSilvermoon Cityは地域ごとに分けて制作しなければならないほど広大な街だったため,完成するのに丸一年かかってしまった。
其の十一,常に磨き続けること
ゲームは,開発の最終段階になって完成度を上げれば良いものではない。常に自分の与えられた仕事を再点検し,少しでも磨き上がった状態にしておくことで,自分の仕事に誇りも持てる。
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