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MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催
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印刷2011/05/23 21:36

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MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催

 2011年5月23日,日本マイクロソフトが主催するデベロッパ向けのイベント「Microsoft Forum 2011」が開催され,これに合わせて来日した,MicrosoftのCEO,Steave Ballmer(スティーブ・バルマー)氏が講演を行った。講演の内容は,もっぱら開発者に向けて同社のビジョンを説明するというもので,エンドユーザーに直接関係するような話題は少なかったが,Microsoftが現在,何を目指しているのか,といったあたりを中心にBallmer氏の講演をまとめてみよう。

自然な入力を可能にする
ナチュラルユーザーインタフェース


Steave Ballmer, Microsoft CEO
「Microsoftは,日本への支援を約束した」とBallmer氏。震災の被害に対して,3000台のPCを寄付したほか,義援金の提供などを行っているという
画像集#001のサムネイル/MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催
 Microsoftは,Windowsをはじめ,多方面に製品を展開する世界最大のソフトウェア企業だ。一般ユーザー向けにはOfficeなどのビジネスソフトを用意し,企業向けにはデータベースやクラウド関連製品群,さらには学術計算用のソフトウェアまで手がける。もちろん,コンシューマ機であるXbox 360の販売およびサポートを行っていることは言うまでもない。

 Microsoftはあまりにも巨大であるため,彼らが現在,何を目指しているのかが分かりにくい。GoogleやAppleが注目を集めるのもビジョンが明快だからであり,それに対して,多種多様なMicrosoft製品から同社の今後を見ることは難しいのだ。
 そのあたりはMicrosoft自身も自覚しているようで,Ballmer氏の講演では,彼らがどのような未来を目指しているのかについて語られた。

 登壇したBallmer氏はまず,「エキサイティングなイノベーションが起きる,5つのエリア」を示した。5つのエリアとは,「ナチュラルユーザーインタフェース」「自然言語処理」「HTML/JavaScript」「ICチップとフォームファクター」,そして「クラウド」だ。

スライドに映し出されているのが,今後,変革が起きる/期待できるという5つのエリア。Microsoftはこれらに力を注いでいくという
画像集#002のサムネイル/MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催

 スライドに挙げられた5つのエリアのうち,最近のMicrosoftが折に触れて口にしているのがナチュラルユーザーインタフェース。Ballmer氏は,ナチュラルユーザーインタフェースについて「より直感的に操作できる」ものだと語る。具体的には,従来のようにキーボードやマウスで操作するのではなく,音声や体の動きなど,五感を使うインタフェースということだ。
 Xbox 360向けのモーションセンサー「Kinect」もそうした文脈から生み出されたアイデアとのことで,PC向けのSDK公開が予定されいるKinectには「さらなるイノベーションが期待できる」とBallmer氏は語る。

 こうしたナチュラルインタフェースを実現するには,コンピュータが人間の言葉を理解する必要がある。それが,2つめのエリアとして挙げられた「自然言語処理」だ。

 Ballmer氏は,コンピュータが人間の言葉を理解するにはさらなる研究が必要で,Microsoftはこの分野に多くの投資をしていると語る。その研究成果の1つが「Bing」である。
 具体的な内容には踏み込まなかったものの,Microsoftがサービスする検索サイトBingは「単に検索だけではなく,自然言語処理を実現するために運営している」という。

 エリアの最後に挙げられている「クラウド」に関しては「何が出来るのか」というフェーズに入ってきたとBallmer氏は述べる。そして,実例としてソーシャルネットワークサービスのFacebookとBingの連携を挙げた。例えば「スパニッシュレストランを選ぶとき,他人の評価と,友人の評価の両方を自動的に調べられる」という具合だ。

画像集#003のサムネイル/MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催

 2010年の10月,MicrosoftはBingの検索対象にFacebookのデータを加えることを発表したが,以上の例のように,ユーザーの知りたいことが検索に反映されるというスマートなインタフェースを実現するために,Bingの自然言語処理が使われ,それがクラウドをより便利なものにしていくわけだ。

 このほか,Ballmer氏の講演内容は,Windows Phone 7の説明や,クラウドエンジンであるWindows Azureの意義など,多岐にわたった。これらを筆者の印象でまとめると,コンシューマー向けにナチュラルユーザーインタフェースを実装したたWindowsファミリーがあり,その背後にWindows Azureで構築されたクラウドがあるという未来を描いているようだった。

 さらに,次期OSであるWindows 8については,「来年(2012年)にも詳しい話が出てくるだろう」と予告する。Windows 8ではスレート型やタブレット型など,幅広いプラットフォームへの本格展開が予定されており,Windowsファミリがさらに多くのデバイスに展開されていくという。

 このように数々の製品をビジョン実現のための武器とするMicrosoftだが,彼らの思い描く未来を実現するには,デベロッパの協力が欠かせないとする。最後にBallmer氏は,来場した開発者に対し「みなさんの協力に感謝している。我々と共にイノベーションを起こしていこう」と呼びかけ,プレゼンテーションを締めくくった。

画像集#004のサムネイル/MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催


3Dをサポートした「Silverlight 5」のデモも登場


日本マイクロソフトの執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長,大場章弘氏
画像集#005のサムネイル/MicrosoftのSteave Ballmer氏が,「自然言語処理」や「クラウド」などを中心にした,同社のビジョンを熱く語る。「Microsoft Forum 2011」が開催
 Ballmer氏に続いて,日本マイクロソフトの大場章弘氏が登壇し,「開発者が想像するイノベーション」と題する,さまざまなデモを披露した。

 その1つは,Facebookでサービスされている「BOLA」というソーシャルゲームだ。このゲームは現在700万人がプレイしているという人気タイトルで,それを支えるのがWindows Azureで構築されたクラウドだという。「クラウドは,プレイヤー数に応じてスケールを変えられる」ことから,ソーシャルゲームや携帯機向けゲームなど,プレイヤー数が読めないタイトルに適していると説明していた。

Facebookでサービスされている「BOLA」
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 もう1つ,デモで目立ったのが,3Dをサポートする「Sliverlight 5」だ。スムーズに動くウォークスルーデモが披露され,シンプルな3Dゲームなら十分に実装できそうだった。HTML5の限界を超えるパフォーマンスや機能が必要とされるブラウザゲームのプラットフォームとして,これから普及する可能性がありそうだ。

「Sliverlight 5」のデモシーン
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