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印刷2010/04/19 10:00

業界動向

【切込隊長】オンラインゲーム会社(とユーザー)に影響がある(かもしれない)「資金決済法」

切込隊長 / アルファブロガーにしてゲーマー。その正体は,コンテンツ業界で今日も暗躍(?)する投資家

切込隊長:茹で蛙たちの最後の晩餐

ブログ:http://kirik.tea-nifty.com/



 某傑作ゲームの北朝鮮プレイのレビューを準備していたところ,どうもここに来て資金決済法への対応がオンラインゲーム各社慌しくなっておりまして,「おいもう4月1日だぞ」「施行されちゃったよ」という状態にもかかわらず,規約の変更も満足にできていない会社/サービスもあるようです。そういうところは潰れてほしいですね。
 しかしこの法律,今後強化されることはあっても緩和されることはない性質のもので,いわゆるゲームという仮想空間と現実のお金に兌換(だかん)できるアイテムなど,デジタルデータとの関係を考え直す良いきっかけになりそうです。

 なので,今回は資金決済法の概略とオンラインゲームに与える影響なんかを軽くまとめてみます。まあ,九割九分のネトゲプレイヤーには関係ないことですけどね。なお,本件法律の運用相談については,所轄官庁や弁護士にお問い合わせください。


で,どういう法律だっけ


 電子マネーが急激に普及して,私もあんたも日々の決済でリアルマネーに頼らず暮らすことが多くなってきました。電車に乗るのもコンビニの買い物もケータイでピッ,とかいう奴以外に,例えば,量販店にいって,いままでの買い物の特典で溜まったポイントを使って,背中丸めて金を払わずに何かを買う,という行為なんかも広い意味ではその一種です。

 ちょっと前に某量販店が倒産したとき,いままで溜まったポイントの取り付け騒ぎが発生したのをご記憶の方も多いと思います。変な人がたくさん集まっていました。確かにポイントカードは便利ですが,これらはサービスを提供している会社がお客様に対して発行する地域通貨の一種であり,同時に前払金の性質も持ちます。要は,将来の値引きを会計上は信用したものとして,購入時に即座に行うことであり,それをポイントとして溜めることは,「その会社が倒産しない限り」という決済リスクを伴うわけですね。

 もともと資金決済法は,電子マネーの普及に伴って,銀行以外でも小口の現金を扱えるように制度化しましょう,というものです。ところが,こんにちではアメリカのAmazonでモノを買うとか,海外のサイトでゲームのダウンロード販売を利用するとかいうときに,クレジットカード以外を使うケースも増えてきました。なので,今回の法律の守備範囲は国内だけでなく海外送金も含まれます。海外業者でやる場合も含め,消費者をどう保護するのか,というところで登場し,今ここで問題としているのが供託金という考え方です。


利用者保護としての供託金制度


 今回の法律の施行で,オンラインゲーム会社がゲーム内ポイントやら何やらを発行している場合は,その有効期限を半年以内としてそのまま事業を継続するか,資金移動業者として登録して,お客様に対して発行しているポイント総額の半分を供託金として金融庁に預けるかの二択となりました。遊んでるゲームの運営会社から,メールで連絡が来た人も多いんじゃないでしょうか。
 何で半年なのかというと,資金決済法の分科会なんぞで「いきなり全部供託方式にすると業者が圧迫されるから」という普通の理由で議論になっているからです。猶予措置ってわけですね。とはいえ将来的には,宅配の代引きだのプリペイド携帯電話だのも規制の範疇に入ってくる可能性は異様に高いです。ついでにいうと,半年以内の有効期間という縛りは,近い将来なくなって,ゲーム内でポイントサービスをやりたい奴はいますぐ全員供託金を積めコラという話になりそうです。大変ですね。

ディスプレイの前の暇なあんたはこれを熟読してね。


 なもんで,ゲーム絡みでこの法律を見ると,利用者の溜めに溜めたポイントがあるのに,クソゲ出して経営難に陥って潰れちゃうサービスが出たときにユーザーを保護することと,急増する電子マネーによる取引を可視化するための方法論とが混在してる部分もあります。


そんでオンラインゲーム会社への影響は?


 規模が小さい会社はホント大変です。法律が強化されたら供託金を積むに積めず,すなわちゲーム内ポイントを満足に発行できなくなるので,結果的に収益性が低下してしまうおそれはあります。

 逆に,財務基盤が良好で,多くのタイトルを自社ポータルの下にぶら下げて運営している会社や,アホほど儲かるコンテンツ一丁に頼ってゲーム内通貨やポイントサービスを扱っている会社は,これら資金決済法に助けられ,今以上に寡占が進む可能性があります。

 というのは,弱小だけどオンゲ出しててポイントサービスに売り上げを依存している会社は,自社で供託金を積むよりは大手他社の発行する電子マネーのポイントに乗り換えたほうがよいからです。そういう動きは,事実出ていますし。
 通常のチャネリング契約(自社のコンテンツを他社ゲームポータルに置いてもらい,売り上げの一部を分けること)から一歩先に進めて,大手他社のポイントを自社コンテンツで使わせてもらう提携がさらに流行るかもしれません。逆に,大手はこの手のパブリッシングを機動的に使いながら,周辺の弱小から中堅ぐらいまでのゲームを自社に取り込む好機と考えることもあるでしょう。

 ゲーム業界は比較的ポイントサービスの回転数が早く,半年を待たずに多くのユーザーは有料ポイントを使い果たしてしまうのが一般的です。それもあって,影響を軽視する会社が多かったのも事実なんですけど,一方で,甘い事業計画を元にオンゲ市場に参入して,お客様を集めたはいいけど儲からなくて,いきなり4か月でサービスを閉じるような不愉快な会社もあることを考えると,利用者保護をどうきちんとするかは業界全体の問題として考えるべき性質のもんだろうとは思います。
 また,いったんゲームから離れて,しばらくしてカムバックするユーザーも一定の数いることから,マーケティングから考えても供託金ぐらい積める体制にしようぜ,という感じでしょうか。

 そのうち,ガチャに対する景品法による規制や,未成年利用者に対するコミュニケーションに関する規制,RMTを含む違法な海外送金への規制というのも課題になってくるとは思いますが,どれもオンゲ業界が大人の階段をのぼるための一歩だと思って,前向きに頑張って逝きたいものです。


■■切込隊長■■
言わずと知れたアルファブロガーで,その鋭い観察眼と論理的な文章力には定評がある。が,身も蓋もない業界話にはもっと定評がある。ゲーマーとしても知られており,時間が無いと言いつつも,膨大に時間を浪費するシミュレーションゲームを愛して止まない。最近は「アレな仕事が多くて心が荒んでいる」という切込隊長だが,忙しい日常を押してプレイしているのが「トロピコ3」なのだとか。ちなみにトロピコ3とは,東西冷戦の狭間に位置する小さな島国を舞台に,独裁者に扮するというシミュレーションゲーム。……心休まるんですか,これ

 
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