PR:「インテル Viiv テクノロジー」で,リビングをPCゲーム環境にしよう

「インテル Viiv テクノロジー」で,リビングをPCゲーム環境にしよう

Text by 三重邦光 

Viivの操作イメージ

 インテルは,ホームエンターテインメント向けプラットフォームとして「インテル Viiv テクノロジー」(Viiv:ヴィーブ。以下Viiv)を提唱している。Viivは,一般家庭のリビングでデスクトップPCを使うことを念頭に置いたプラットフォームで,最大の特徴は,キーボードやマウスでなく,付属のリモコンでPCを操作し,オンライン/オフラインの各種メディアを楽しめるようになっている点だ。

 

 リモコンで操作するというと,テレビやHDD/DVDレコーダーなどといったAV機器を想像する人もいるだろうが,実際,使い勝手のイメージはそれにかなり近い。リモコンを使う以上,ディスプレイとユーザーの距離はある程度離れていることが想定されるが,Viiv環境では,リモコン専用のUI(ユーザーインタフェース)が用意されるので,ディスプレイから遠く離れていても操作しやすい。

 

 また,AV機器感覚で利用するには,使いたいときにすぐ電源がオンになる必要がある。この点Viivの場合,リモコンに電源ボタンが用意されており,ここから一発で即座にオン/オフ可能だ。一般的なPCは言うに及ばず,最近のAV機器は,起動やシャットダウンにやたらと時間のかかるものが少なくないが,Viiv対応PCなら,そんな待ち時間とは無縁なのである。

 

リモコンは,後述する「Windows XP Media Center Edition 2005」の別売りオプション。この中央にある,「スタート」と書かれた緑色のボタンを押すことで,電源のオン/オフが行える

 

 なぜそんなことができるのか,「Intel Quick Resume Technology」というテクノロジーの存在が,その答えとなる。これは,CPUやグラフィックスカードへの電源供給を絶つ一方で,システムメモリには電源を供給し続け,システムとしてはリモコンで電源をオフにする前の状態を維持するというもの。PCは“一部だけ電源がオンになったオフ状態”になるので,消費電力を低く抑えたまま,次にリモコンの電源ボタンが押されるまで待機し続ける。そして,電源ボタンが押されると,即座にCPUやグラフィックスカードなどへ再び電力を供給し,システムを復帰させるというわけだ。

 

 「便利かもしれないけど,AV家電感覚で扱えるのはビデオや音楽,写真で,ゲームとは何の関係もないでしょ?」と思う人もいるだろう。ところが,すでにスクウェア・エニックスやカプコン,シグナルトークといったメーカーがViiv対応を謳っており,実際に対応ゲームが投入されている。これら対応ゲームでは,全自動,あるいは簡単な設定を行うだけで,リモコンからゲームを起動できるようになる。これは,最近PCゲームに出会って,まだPCを使いこなせていない人にはありがたいだろう。また,ゲーム機よろしく,プレイしたいときにすぐ電源をオンにできるのも魅力といえる。

 

 そして何より,リモコンとUIによって,PCディスプレイとの距離という制約から解放されるのが大きい。PC用ディスプレイでアイコンを見るには,どんなに離れても1mが限界と思われるが,Viiv対応PCなら,リビングに置いて大きなテレビと接続し,大きなフォントのUIをリモコンで操作できるようになる。そう,Viivは,接続先となるディスプレイの制約を取り払い,ゲーマーを狭いPCデスクから解放してくれる存在でもあるのだ。

 

 

Viivで快適になるゲームライフ 大画面の臨場感はPCゲームスタイルを大きく変える

 

 でも,自分が買ったPCにリモコンなんて付属していないし,オプションとして販売されていた記憶もない,という人は少なくないと思うが,それには理由がある。先ほど説明したIntel Quick Resume TechnologyなどといったViivの独自機能を利用するには,高度なソフトウェアチューン技能が必要とされ,その情報はPCメーカーのみに提供されているのだ。同時に,Viiv対応PCとなるには,以下のに示した条件をクリアする必要がある。
 要するに,インテル製ハードウェアとプラットフォーム・ソフトウェアを利用し,さらにUIとリモコンを提供するOS「Windows XP Media Center Edition 2005」(以下Windows XP MCE 2005)を搭載するPCが,Viiv対応を名乗る絶対条件なのである。

 

 

Windows XP MCE 2005のメディアセンター

 Windows XP MCE 2005は,「メディアセンター」と呼ばれるUI――正確には「シェル」というが,ここではUIという理解で問題ない――を搭載しており,これでViiv対応コンテンツを利用できる。例えば,「ファイナルファンタジーXI」(以下FFXI)や「フロントミッション オンライン」(以下FMO)なら,ゲームの設定から「Media Centerに対応する」というチェックボックスを有効にするだけで,以後はリモコンを使ってゲームを起動できる。ちなみに,Windows XP MCE 2005は,このメディアセンター機能が追加され,一方でビジネス向けの機能が一部省かれている以外,「Windows XP Professional」と同じものだ。

 

これはFFXIの例。「FINAL FANTASY XI Config」から,「Etc」タブを開くと,メディアセンターに対応するためのチェックボックスが用意されている。これにチェックを入れれば準備完了だ。FMOの場合は,「FrontMissionOnlineConfig」から,メディアセンターに対応するためのチェックボックスを利用できる

 

Aero Stream
eX.Computerの「B30J-6470E3」シリーズをベースに,今回はViiv対応カスタマイズを行った
メーカー&問い合わせ先:九十九電機

 Viivの条件にグラフィックス関係の記述がないことからも分かるとおり,Viiv自体は3Dパフォーマンスを(少なくとも今のところは)規定していない。このため,Viiv対応だけれども,3Dゲームをプレイするにはあまり向いていないPCというのも存在するので,今回は九十九電機製PCブランド「Aero Stream」のViiv対応シリーズから,BTOでグラフィックスカードを追加したカスタムモデルを利用することにした。
 ちなみに,今回同モデルを選んだ理由は,純粋にグラフィックスカードを追加できる点を評価したためだが,リビングで使うことを想定した大口径低回転ファンで,動作音が非常に小さい。GeForce 7950 GX2カードを搭載しながら,3Dゲーム中やDVD-Video再生中でもそれほど騒音が気にならなかったのは,使ってみての素直な驚きだったと付記しておきたい。

 

 さて,リビングにPC用のディスプレイを置くというのはやはりナンセンスというほかないため,松下電器産業製の50V型高解像度テレビ「TH-50PX20」も用意。グラフィックスカードのコンポーネント出力ケーブルから,テレビ側で対応しているD端子に変換して,アナログでテレビに接続してみた。

 

グラフィックスカード上の高解像度テレビ出力からコンポーネントで出力し,さらにそれをD端子に変換。そのうえでテレビとアナログ接続を行った

 

FFXIをプレイしているところ。とにかくキャラクターが大きいのは,写真からも分かってもらえると思う。また,画面が大きいと,プレイヤーの視界ほぼすべてがゲーム画面になるため,ゲーム世界への没入度もぐっと増す

 高解像テレビといっても,それは既存のテレビと比べての話。17インチクラスですら1280×1024ドットの解像度を実現するPC用ディスプレイと比べて,劇的に解像度が向上しているわけではないのだが,それでも,メディアセンターからFFXIやFMOをプレイしてみると,その違いは明らかだ。小さなディスプレイを見下ろすようにプレイするのと,目の前に広がる大きな画面を見ながらプレイするのでは,臨場感が段違いである。

 

 リモコンの操作感は非常に良好。本稿はあくまでゲーマーに向けたものなので,ビデオや音楽について深くは踏み込まないが,ゲームを含むこれらすべてのコンテンツに,リモコンから決まった操作でたどり着けるのは,かなり便利といえる。また,Intel Quick Resume Technologyによる電源のオン/オフは,これまでのPCに対する考え方が変わるほど。リモコンによる電源オフ中にキーボードやマウスを操作してもPCは復帰するので,電源オフはリモコン,オンはキーボード,という使い方もアリだろう。あるいは,普段はキーボードやマウスをしまっておいて,ゲームで使うときだけPC(のUSBポート)にさくっと接続するというのも悪くない。

 

今回は,USB接続のIEEE 802.11g無線LANアダプタを試してみたが,これが思いのほか快適。サーバー型のオンラインゲームなら,無線LAN環境でも,何の問題もなくプレイできるので,リビングにPCを置くときはご一考を

 また,試してみて感じたのは,できる限りワイヤレス化すると,より快適になるということだ。電源ケーブルやディスプレイ(≒テレビ),サウンドケーブルはやむを得ないところだが,それ以外のキーボードやマウス,ゲームコントローラ,あるいはLAN環境を無線化してしまうほうがリビングはすっきりする。
 そこまでの予算がない場合は有線ケーブルを取り回すことになるが,その場合,ケーブルをうまく目立たないようにしながら,座るところの近くにUSB端子を引き回すと,かなり便利である。

 

 

Windows Vista世代で花開く可能性の高いViiv これからゲーム用PCを購入するなら一考の価値アリ

 

 現在のところ,Viivをゲーム用として捉える動きは,まだそれほど大きくない。実際,リビングに置いてみるとそれほど違和感を覚えなかったものの,今回試したAero Streamのカスタムモデルは,200(W)×390(D)×380(H)mmという,サイズ的にはごくごく一般的なミドルタワーPCなので,部屋の大きさや,設置場所によっては,やや不釣り合いといえるかもしれない。

 

Viiv対応ラインナップの可能性について述べる森 秀範氏(九十九電機)

 この現状について,九十九電機 商品開発部 リーダーの森 秀範氏は「BTOでViiv対応となるWindows XP MCE 2005を選択するのは,パワーユーザーに多い傾向があります」と指摘する。新技術にまず手を出す,いわゆるアーリーアダプタ層が,ユーザーの中心というわけだ。
 ただし,リモコンによる簡便な操作がターゲットとすべきは,間違いなくPC初心者層だ。「Viivは,パワーユーザーだけでなく,初心者を含めた一般ユーザーにも使ってほしい機能」(森氏)とのことで,今後は,リビングで使うのに適した,Viiv対応のコンパクトなモデルも検討していくという。

 

 また,インテル 事業開発本部 プログラム推進部 部長 森田徹治氏は「Windows Vista Home Premiumでメディアセンターの機能が標準実装されるため,インテル Viiv テクノロジーにとっては2007年がさらなる飛躍の年となるでしょう」と,将来の展望を述べる。

 

森田徹治氏(インテル)。2007年がViiv飛躍の年になると指摘する

 これには若干の説明が必要だろう。
 現在,ゲーマー向けをはじめとする一般ユーザー向けPCは,たいていがWindows XP Home Editionを採用している。しかし,同OSだとメディアセンターを利用できないというのは,上で述べたとおりだ。
 これに対してWindows Vista世代では,一般ユーザー向けの標準モデルとなる「Windows Vista Home Premium」が,メディアセンター機能を搭載する。つまり,2007年以降は,Viiv対応PCの数が飛躍的に増えるのだ。対応PCが増えれば,それに向けたアプリケーションやコンテンツが提供されるのは自然の流れなので,今後にはかなりの期待が持てる。ゲーム以外に目を向けても,すでにオンラインのビデオ配信サイト「GyaO」がViiv対応を果たしているなど,コンテンツは着実に増えてきており,やはり2007年以降には期待大だ。

 

 また,テレビの買い換え時期が迫ってきているのも追い風になるだろう。2011年には,テレビの地上派放送が全面的にデジタルへ切り替わるため,すでにデジタル対応の大画面テレビを持っている家庭以外は,よほどのことがない限りテレビを買い換えることになる。つまり,いまViiv対応PCを入手しておけば,テレビが刷新されたタイミングで,すぐに大画面でゲームやそのほかのコンテンツを楽しめるようになるのである。
 これまで,多くのゲーマーにとって,Viivは無関係だったかもしれない。だが,PCをリビングで使うことが想定された環境が標準で提供されることになる,これからは違うのだ。

 

 幸いにして,この年末(≒年末商戦シーズン)には,Windows Vista Home Premiumへ低コストでアップグレード可能なWindows XP MCE 2005を搭載したViiv対応PCが,Aero Streamをはじめ,各社から豊富に用意されている。これからゲーム用PCの刷新を考えているのであれば,Viiv対応のビッグゲームタイトルが登場した段になって,「あれ,Viivって何だっけ?」とオタオタするのを避けるためにも,今のうちにViiv対応PCを導入し,その衝撃を体感してみることを勧めたい。

 

 

FINAL FANTASY XI アトルガンの秘宝
(C)2002-2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
FRONT MISSION ONLINE
(C) 2005, 2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

 

 

タイトル Core 2
開発元 Intel 発売元 インテル
発売日 2006/07/27 価格 モデルによる
 
動作環境 N/A

(C)2006 Intel Corporation

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/specials/viiv/viiv_sp.shtml