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インディーズゲームの小部屋:Room#05「ティルキッス 〜Princess Shade〜」
2007/08/03 16:51


 個人/サークル単位で制作されたオリジナルゲームを紹介する「インディーズゲームの小部屋」。第5回となる今回扱うのは,ゲーム制作サークル,MIR_Rev.の「ティルキッス 〜Princess Shade〜」だ。本作は,養父の遺言に従い,騎士になるために田舎からはるばるイリスフィードの王都までやってきた,少女ティルキッスの恋と冒険を描いた“弾幕アクションRPG”。アクションRPGに弾幕シューティングをプラスしたような,一風変わったシステムが特徴的なタイトルだ。

 物語は,山奥の寒村に住むティルキッスが,騎士になるためにイリスフィードの王都までやってきたところから始まる。初めて見る,にぎやかで綺麗な街並み。初めてできた同年代の友達や,先輩の騎士達。たくさんの人に出会い,困難に立ち向かいながら,少しずつ成長していくティルキッスだが,やがてイリスフィード全体を包み込む陰謀の渦に飲み込まれていく。イリスフィードに混乱をもたらす者の正体とは? そして田舎からイリスフィードにやってきたティルキッスの本当の目的は? さまざまな謎を秘めながら,物語は意外な方向へと進んでいく……。



 本作は一見すると,敵を倒してお金と経験値を稼ぎ,武器や防具を揃えてキャラクターを強化させていく,ごく普通のアクションRPGのように思える。大筋では実際そのとおりなのだが,ボスクラスの敵との戦闘は,強力な魔力で作り出された「魔空間」と呼ばれる一種の異次元空間で行われ,弾幕シューティングと見間違うような戦闘スタイルに一変する。しかも,アクションRPGにあるまじき猛攻をしかけてくるので,弾幕シューティングがあまり得意ではない人は,気を引き締めてかかってほしい。ゲーム開始時の難易度は「EASY」「NORMAL」から選べるので,自信がない人は「EASY」モードから始めるのがいいだろう。

 戦闘は,剣による直接攻撃と,装備した「魔法剣」や「杖」を使ってのさまざまな魔法攻撃(と回復)を使い分けて進めていく。キャラクターの成長は,敵を倒して得た経験値を,「体力」「魔力」「攻撃力」「判定」の四つのパラメータに振り分けることで行う方式だ。ここで目を引くのは,四つめの「判定」というパラメータ。これは,キャラクターの当たり判定の大きさを示すパラメータで,弾幕シューティングのようなボス戦が待ち構えている本作では,最重要とも言えるもの。パラメータを上げれば上げるほどティルキッスへの当たり判定が小さくなり,敵の攻撃をかわしやすくなるというわけだ。経験値が溜まったら,「攻撃力」と「判定」のパラメータを優先的に強化していくのがオススメだ。



 また,本作におけるダンジョンも特徴的だ。ダンジョンはすべて一方通行で,途中で引き返すことも,外に出ることもできない。ダンジョン内では,一画面ごとにクリア条件が設定されており,条件を満たすか,時間切れになることで次の画面に進めるようになる。このとき,複数の進路が表示されることがあるが,どの方向に進んでも必ずクリアできるようになっている。しかし,進路によっては体力回復アイテムが手に入ったり,攻略難度が異なったりと有利/不利があるので,難しすぎると感じたときにはほかのルートを選ぶことで有利に進めるようになるかもしれない。

 本作は,スタート直後こそごく普通のアクションRPGのようだが,次第に敵の攻撃が激しくなり,ダンジョン内では大量の弾を吐き出すザコ敵も登場するなど,全体的な難度は高めだ。しかし,上述のとおり「EASY」モードも用意されており,それでもどうにもならない人のために,さらなる救済措置も隠されている。ちょぴりホロリとさせられるストーリーもなかなか秀逸だ。MIR_Rev.公式サイトからは体験版がダウンロード可能なので,興味を持った人は試してみてほしい。体験版では,全4話のうち1話がプレイできる。ただし,体験版のセーブデータは,製品版では使用できないので注意が必要だ。
 製品版は,パッケージ版が1470円,ダウンロード版が1365円(いずれも税込)で発売中。取り扱いショップについては,公式サイトでチェックしてほしい。(ginger)

■MIR_Rev.公式サイト
http://www.geocities.jp/mir_revision/



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連載:インディーズゲームの小部屋
■開発元:N/A
■発売元:N/A
■発売日:2007/06/29
■価格:N/A

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http://www.4gamer.net/news/history/2007.08/20070803165124detail.html