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[E3 2007#02]リリース間近のオンラインRPG「Tabula Rasa」に“ジェネラル・ブリティッシュ”が登場
2007/07/12 14:45
ついにリリース時期も見えてきた「Richard Garriott's Tabula Rasa」。素早いアクションと練り込まれたストーリーは,大きな反響を得られるだろうか?
 Richard Garriott(リチャード・ギャリオット)氏といえば,「Ultima」シリーズでコンピュータゲームとしてのRPGジャンルを確立し,さらに「Ultima Online」ではMMORPGの先駆として革命を起こした,業界の大御所だ。
 もう8年も,氏の手掛ける新作は登場していないものの,現在はNCsoftのアメリカ支部であるNCsoft Austinにて,古くからの仲間であるStarr Long(スター・ロング)氏や,Paul Sage(ポール・セージ)氏らと共に,「Tabula Rasa」という,ファストペースなアクションがウリのオンラインRPGを開発中だ。



ゲーム業界の大御所リチャード・ギャリオット氏だが,Ultimaワールドで知られていた「ロード・ブリティッシュ」の名を「ジェネラル・ブリティッシュ」へと変えて,ゲーム世界に再び降臨することになる。オーダーメイドして完成したばかりの衣装も,これがおそらく世界初公開だろう
 ギャリオット氏といえば,かつてのUltimaシリーズでは「ロード・ブリティッシュ」の異名で知られていたが,このキャラクターは「中世風すぎてTabula Rasaに似つかわしくない」と封印。今回のE3 Summitにおいて,「ジェネラル・ブリティッシュ」(ブリティッシュ将軍)としてTabula Rasaに登場することが新たに公表された。
 彼が実際に着ていた近未来風のコスチュームは,E3 Summit前日に完成したもの。イベント開催初日に行なわれた4Gamer取材班とのミーティングをもって,ジェネラル・ブリティッシュのデビューとなったわけである。

 Tabula Rasaについては2003年の発表以来,4Gamerでも何度も細かく内容を伝えてきたので,そちらを参考にしてほしい。後ほどアップ予定の,今回行われたデモのムービーやその解説にも期待してもらいたい。すでに,2万人規模でのβテストに突入しており,ゲームの骨格はほぼ出来上がっている状態で,今後はアートやアセットをすべてつなぎ合わせ,ネットワーク周りの調整を行なっていくらしい。
 ギャリオット氏の話によれば,順調に行けば8月中にはオープンβテストを行い,秋ごろのリリースには漕ぎ着けられそうだという。サービスの開始時を明確にしなかったのは,これまで常習的に遅延されてきたことを考慮してだろう。

 ギャリオット氏が,Tabula Rasaのデモ紹介で念を押していたのが,ハイペースなアクションと,緻密に練り込まれたストーリーである。その概要は,地球を失って移民したヒューマンが,遠い宇宙の惑星群に降り立ち,そこでThe Banesと呼ばれる凶暴な知的生命体との戦闘に突入するというものだ。その星々には,高度な文明を築き上げていた先住民族Elohと,彼らの残した文明の利器や文字なども存在している。

 Tabula Rasaとは,そもそもギリシャ語で「真っ白の(何も書かれていない)石板」を意味し,認識論(epistemology)における哲学用語としても利用される。Tabula Rasaのプレイヤーキャラクターがヒューマンのみなのも,「その無垢な状態から,プレイヤーはどのように自分のキャラクターを進化させていくか」ということに重点が置かれているわけで,ゲームの中でもクラスチェンジが容易だったり,Argumentationによって特殊スキルを調節していけるなど,随所で思想的な反映が見え隠れするのがギャリオット氏らしい。

 SF系のオンラインRPGというと,世界的な大ヒットといえるほどの成功を博した作品はないだけに,「ジェネラル・ブリティッシュ」とその仲間達の作品は,どのように受け取られるのか興味深い。彼らの手腕と,ようやく4Gamerにも参加枠が回ってきそうなβテストの進展に期待したいところである。(ライター:奥谷海人)






Richard Garriott's Tabula Rasa
■開発元:Destination Games
■発売元:NCsoft
■発売日:2007年内
■価格:未定
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.07/20070712144514detail.html