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「Angel Love Online」で5月10日に実装される“結婚”システムって?
2007/05/02 20:00
※この記事中で使用しているイラスト,ゲーム内画像はすべて,台湾版のものです
 キューエンタテインメントは来る5月10日(木),MMORPG「Angel Love Online」でアップデートを実施し,結婚システムを実装する。

 この結婚システムは,UserJoy Technologyにより台湾で運営されているバージョンには実装済みで,3月に掲載した開発プロデューサーJacky Chang氏へのインタビューでも言及されている。これがついに日本版にも実装されるというわけだ。
 そこでこの記事では,あらためてこのシステムを紹介していくことにしよう。



■結婚をすれば,新郎はいつでも新婦の元へ!

 結婚システムを実装するアップデートの名称は,なんと「Season3【結婚しちゃいなYO】楽園の扉 or 人生の墓場編」というもの。「You,結婚しちゃいなYO」なんて言われ,それを拒んだ日には,センターに立つことができなくなるのでは? ぐらいの押しの強さをなんとなく感じさせる名称だ。もちろんゲームでは,結婚をしなかったからといって,不利益を被ることはないのだが……。



 本作における結婚は,男性キャラクターと女性キャラクターの1対1でのみ行え,一夫多妻や一妻多夫,重婚,同性婚などは不可能である。結婚をすると,アイテム「ウェディングリング」を入手できるほか,夫婦専用チャットチャンネル,およびお互いのオンライン状態がログに表示されるといった機能を使用できるようになる。
 ちなみにウェディングリングは,新郎が使用すると新婦の場所までワープし,新婦が使用すると新郎を自分の場所までワープさせられるというもの。夫は妻のために粉骨砕身,誠意を尽くし続ける以外選択肢はないというか,恐妻家というか,そんな思想が盛り込まれているようだ。
 なお,結婚したからといって年金/保険/税金などの優遇措置はとくに設けられていないし,ほかのMMORPGの結婚システムなどでたまに見られる獲得経験値の分配などもない。1対1のコミュニティ(共同体)を作って楽しむことが主目的といったところだろう。



■簡素な挙式は無料。ゴージャスな挙式は相応のコストが

 結婚をするためには,新郎と新婦がそれぞれエンジェル学園にいる結婚天使からのクエストに挑み,これをクリアする必要がある。このクエスト,新郎は残業や休日出勤を重ねながら給料の3か月分ほどの金額の指輪を購入し,新婦は鈍器のような分厚い情報誌を購入……といった現実社会でありがちなクエスト(偏見?)よりは,難度の低いものになっているらしい。
 なお,結婚する予定はないが,とりあえずクエストを達成しておき,いつでも結婚できる態勢を整えておくことも可能であるという。

 さて,クエストを双方が達成したら,今度は結婚式会場を選ぶことに。結婚システムと同時に,エンジェル学園には教会マップが実装されるのだが,このマップには二つの結婚式会場が用意されている。一つが屋外の簡易的なもの,そしてもう一つがゴージャスな聖堂だ。
 屋外で挙式する場合は,とくにコストは発生しないのだが,聖堂で挙式するには1000AP(1000円相当)の有料アイテム「ゴージャスウェディング」が必要。この場合,ただ聖堂で挙式できるだけではなく,周囲の参列者(屋外,聖堂ともに誰でも参列可能)には2時間のステータスボーナスが発生するという。新郎新婦の幸せな姿を間近で眺めていたら,自分まで幸せな気分になってしまう……そんな感じを再現したシステムといえるかもしれない。
 ちなみに,有料アイテムモール「エンジェルモール」では,ウェディングドレスやタキシードも販売されるので,新郎新婦はこれらを用意して式に臨めば,二人で歩み始める新たな生活に向けて気持ちも引き締まるはず。また,参列者も花火やクラッカーを用意しておけば,祝福気分を存分に味わえるだろう。

聖堂にいるのは神父。一方,屋外にいるのは見習神父。格差社会


 結婚……ときたら,気になるのは離婚の可否である。一時はどんなに燃え上がろうとも,ある程度時間が経って脳内麻薬的なものの分泌が落ち着いてきたら,「なんでこの人を選んでしまったのだろうか?」という疑問がわき上がってくることもあるもの……おそらく。
 だから(?),本作では離婚もきっちりサポートしている。ただし,離婚するには離婚届のような“有料”アイテムを持って,教会マップの隅にいる離婚用NPCのところに行く必要がある。このアイテムの価格は未定だが,どうやらゴージャスウェディングと同程度になる模様。別れるためにも,さまざまな負担が必要になるだけに,結婚は慎重に決めたいものである。
 なお,離婚は一方の意志のみで可能で,離婚をされた側には「離婚しました」というようなメッセージが地味に流れるだけらしい。あまりに素っ気ないような気もするが,結婚していた相手が有料アイテムを購入してまで離婚したがっていたという(衝撃の)事実の前には,どんな慰めも届くはずがない。むしろ,下手な慰めなど,生傷に粗塩を塗り込むに等しい。ならば,事実を素っ気なく告げられるほうが,マシといえばマシだろう。そんな夜は,無口なマスターのいるバーで,ドライ・マティーニでも一人傾けながら,復縁や再婚に向けて気持ちを入れ替えるしかない。

タキシードやウェディングドレスを購入し,永遠の愛を誓ったのに……


■日本オリジナルの特別な結婚式も用意

キューエンタテインメント オンライン事業パブリッシング部 ゲームディレクター 君塚靖征氏
 と,ここまでは,台湾版と同じ内容になっているのだが,日本独自のサービスとして「ウェディングサポート」なるものも予定されている。
 これは,事前に応募をした人の中から抽選で選ばれたキャラクターを対象とした,特別な結婚式。通常の結婚式がNPCの神父によって進行するのに対し,こちらはGMが対応してくれるというもの。
 それだけでなく,

新郎新婦に,オリジナルウェディングペーパードールをプレゼント
特別マップでの開催により,友人だけを招待した挙式が可能
夫婦最初の共同作業,ケーキ入刀が行える
参列者には退場時に引き出物(福袋)のプレゼント

といった特典が用意されている。

 通常の結婚式の場合は誰もが参列可能だが,この結婚式だけは特別に用意された専用マップで,招待券を受け取った人だけが参列できるという。そしてこの招待券は,挙式するプレイヤーがゲーム内通貨で購入しなければならない。招待券の価格は,10枚/15万AM,30枚/40万AM,50枚/60万AMだ。特別な結婚式を挙げるためには,それ相応の財力も必要ということである。
 招待券を受け取った人は,新郎新婦がケーキに入刀(ケーキ型のモンスターを二人でボコボコに)する様子を見ながら,「“初めて”の共同作業じゃないだろ!」なんて冷やかすのもベタだが楽しいだろう。
 引き出物の中身はランダムで,役立つアイテムもあれば,それほど役立たないものもあるのだとか。新郎新婦の写真入り絵皿などが配られることはないだろうが,どうせ役立たないアイテムがもらえるのなら,それぐらいのインパクトを期待したいものである。

 なお,このウェディングサポートは,6月中は大安の5日(火),11日(月),15日(金),27日(水)の4回開催される予定。21日(木)も大安なのだが,定期メンテナンスが予定されているため,この日に限っては開催されない。7月以降は,1か月に一度のペースで開催されるとのこと。
 ちなみに,各回ともウェディングサポートを受けられるのは全サーバー/チャンネル共通で一組だけという,非常にレアなイベントとなっている。

 ところで,本作に限らずMMORPG全般に言えることだが,ついついソロプレイに興じてしまい,周囲に出来上がっているコミュニティにうまくなじむことができず,パーティ推奨クエストが頻発するあたりで挫折してしまう人というのは,少なからずいるのではないだろうか。
 そんなプレイヤーにとって,この結婚システムはハードルが高すぎるのではないだろうか。この疑問を,キューエンタテインメント オンライン事業パブリッシング部 ゲームディレクターの君塚靖征氏にぶつけて(相談して)みたところ,あくまで企画案として上がっている段階のものとして,「合コンっぽいイベント」(お見合いパーティ?)などは検討したいという回答を得ることができた。同時に,「一番いいのはギルドに入って,仲間を作ることですね。その中に,自分に合った結婚相手がいるかもしれないですし」という,至極まっとうなご意見をいただいたことも,ここに記しておきたい。
 個人的には,結婚をさせたいキャラクターのスペックを登録しておくと,それを見て気に入った人が指名してくれ,実際にお見合い的なことが可能になるという,ある種の結婚相談所サービスのようなものの登場を期待したいところ。だが,このアイデアの重要性を君塚氏に対して切実に訴えてみたところ,怪訝な顔をされてしまった。



■次期アップデートで,インスタンスダンジョンも実装

 最後に,今後予定されている大型アップデートについても触れておこう。
 冒頭でも触れたインタビューにも出てきているのだが,今回実装される結婚システムは,台湾では「伊甸謎城」という名称で行われた大型アップデートの一部。日本では,結婚システムのみが先行して実装される形になるのだが,夏前までには残りのコンテンツも「Season4【エデンの謎の城】」として追加されるようだ。具体的には,

新マップ&ダンジョンの追加
レベルキャップ開放
レベルキャップ開放に伴う,新規アイテムの追加(アヒル/ワニ機甲,ゾウ/カブトムシ乗物など)
インスタンスダンジョンの実装(パーティメンバーだけが入場可能で,レアアイテムも獲得可能)
メインクエストを含むクエストの追加

などだ。
 このように,台湾では一度に実装されたものが,日本では二回に分けての実装になる理由について,君塚氏は「ゲームそのものという意味では,4月12日にPvPシステム『エンブレムウォー』を実装したばかりなので,まずはこれをじっくり遊んでもらいたいんです。例えばギルドでPvP(RvR)に挑戦する中で,気の合う仲間もできるかもしれませんし,そういうときに結婚システムを使いたいと思う人が出てくるかもしれない。それに,“ジューンブライド”の時期を逃したくなかったんですね。そこで,先に結婚システムを実装することにしました」と,語ってくれた。

 そんな運営陣の思いに応えるべく,6月中に結婚システムを活用できるよう,今から準備(第一印象を良くする努力など)を進めておくのも一興かもしれない。(TeT)


Angel Love Online
■開発元:UserJoy Technology
■発売元:キューエンタテインメント
■発売日:2006/12/21
■価格:基本プレイ無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.05/20070502200038detail.html