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「エミル・クロニクル・オンライン」大型アップデートSAGA 5テストプレイレポート。工房都市トンカと光の塔最上階,新ネコマタ
2006/11/27 23:22
 7月末のSAGA 4実装から約4か月。2006年11月10日の記事でもお伝えしたとおり,MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」(以下,ECO)で12月8日に実装される大型アップデート「SAGA 5:創生と伝承の島」では,いよいよ飛空庭で有名な工房都市「トンカ」への道が開かれ,同時に光の塔の最上階までが開放される。
 これまでにも南アクロニア平原のニッコロや,ファーイースト街道で墜落した飛空庭職人達の口から話だけは出てきた,謎の工房都市トンカ。今回はガンホー・オンライン・エンターテイメント本社からテストサーバーに接続することによって,アップデートより一足早く訪れてみた。

 工房都市トンカは,アクロニア大陸の南東,青い海に囲まれた美しい島にある。住民のほとんどが手に「職」を持ち,産業の中心は遺跡から発掘された「キカイ」の修復やマリオネットの製造,そして飛空庭の製造だ。ほかの国家/都市に比べて高い技術力を誇り,キカイや技術を軍事利用する研究も進められているという。
 そんなトンカに入るには,まずアイアンサウスに入国し,アイアンシティ上層階にある空軍本部で入国許可証をもらう必要がある(下に示した2枚の画面右側)。許可証を手に入れたら,次はサウスダンジョン1階の北奥にある「マルクトの船着場」へ。そこからトンカ行きの飛空庭が出ていて,許可証と引き換えに送り届けてくれる。
 トンカの北東,飛空庭空港もある玄関口に到着するとすぐ目につくのは,街のいたるところに立っているマリオネット達。マリオネットを操る人間の兵士や,訓練されたマリオネットで構成される特殊な軍隊「ドールズ」の存在も特色の一つとされるトンカは,「人間とマリオネットが共存する街」という謳い文句を持つ都市でもあるのだ。もっともそれは表向きの話で,人とマリオネットの間には複雑な距離があるらしく,街に入るとそうした事情がよりはっきりと見えてくる。
 なお,街では警備ロボの職務質問にあうことがある。これは市庁舎で「あれはどうにもならないんですよ」と市長が笑顔で告げるとおり,トンカの人にとっては日常茶飯事のことのようだ。


アイアンサウスの空軍本部は,一度下層に降りてからあらためて上る必要のある上層階の,北西側突端にある。かつて属領だったモーグへの直通便の存在もほのめかされていたが,高い技術力を誇るトンカにも,アイアンサウスから道が延びているのだ。なおトンカ入国にはトレーダーのスキル「コネクション」が使える


■マリオネストの聖地──マリオネスト総本山

 さて,警備ロボをまいたら,まずは東端にあるマリオネスト総本山へ。この一画にはマリオネストの工房が広場を囲むようにして建っており,マリオネットがとくに多く見られる。中央の広場ではドールズ達の訓練も見られ,茶色いカラーのピーノや,これまでに見たことのないピエロ風のマリオネット「ハレルヤ」達が,人間と共に真面目に訓練している(ように見える)。この広場の入口では,青年がマリオネットに言葉を教えようと努力し,建物に入れば,ゴーレムやフィギュアを作ってくれるマリオネストが,幼いマリオネットを育てる場面も見られるだろう。
 ──と,人間視点ではそう見えるマリオネスト総本山周辺だが,ここで人間の立場ではなく,マリオネットに変身して見回してみると,違う側面が見えてくる。同族に気を許したマリオネット達の本音を聞けるのだ。時には彼らから悩みを打ち明けられることもあり,アイテムを持ってきてほしいなどと頼みごとをされることもある。


画面上段:人間視点で話しかけたときのマリオネットの反応。言葉が分からなかったり,分かっても事務的でそっけない返事しかしてくれなかったり。「人間とマリオネットが共存する街」というタテマエに沿った受け答えだ
画面下段:ところがマリオネットに変身して話しかけると,彼らの本心を聞ける。ちなみに,以前にアンケートのあった「倉庫のこやし」のいくつかが,マリオネット達の悩みを解決するアイテムとして使えるようになるという


■技術の都──マシンナリー本部から飛空庭大工場へ

飛空庭の大工場前では,マリオネスト総本山前(左上写真)と同様,やはりマリオネット「ハレルヤ」が警備についている。いつかはこのハレルヤもマリオネットとして所有できるようになるのか?
 技術者の都でもあるトンカには,マリオネストのほかにもさまざまな技術を持った者達が集まっている。飛空庭の発着場を挟んでマリオネスト総本山の反対側にある大きな建物は,「キカイ」を扱う「マシンナリー」本部だ。この職業の象徴ともいえる二足歩行ロボットがいくつも並べられた入口を通ると,内部は“司令室”になっていて,オペレータらしき青年がおり,その脇から上がれる中央の台にいる女性,マシンナリー代表がいろいろなアイテムを売ってくれる。
 そのマシンナリー本部を右手に見ながら西方の開けた平地に向かうと,今度は大工場に出る。これが飛空庭の大工場だ。
 飛空庭は,世界中でトンカの職人達だけが,このトンカの大工場でのみ製造できるという,不思議な空飛ぶ庭だ。トンカでは,市庁舎で「トンカを母港にする」登録を行うと,飛空庭の改造ができるようになる。現在のところ,改造すると回転帆が特別な形に変化し,世界中の飛空庭発着場を移動できる──つまり発着場のある街と街の間を,まるでワープするように飛空庭で簡単に移動できるようになるという。ただし発着場のない北には行けないようだ。
 飛空庭の登録は,島中央付近にある最も大きな建物,市庁舎の中にいる市長にお金を払えばよい。工場では,中央で飛空庭を造ったときと同じように,毎週必要な基礎となる材料が配布されるようだ。材料が以前もアイアンサウスで配布されていたことを考えると,やはりトンカとアイアンサウスの結びつきは強いようだ。

画面上段:赤いロボットも並ぶマシンナリー本部には,真実を見抜く眼鏡をかけたオペレーター風の青年と,マシンナリー代表が。背後にある席にはキャラクターを座らせることもでき,室内の雰囲気ともあいまって司令官気分が満喫できる(?)。本部を訪れたら一度は座らせてみたい
画面下段:工房都市トンカの本領ともいうべき,飛空庭大工場の様子。開けた土地に飛空庭組み立てのための大きな組み足場がある。そこには完成間近の飛空庭が見えるほか,材料を置くのだろうか,丸太が並んだ場所も見られる


■巨大なピーノの石像が立つ公園──ピーノ噴水公園へ

 工場をあとにして,マシンナリー本部とマリオネスト総本山との間に延びる道を南へ進むと,左手に島で一番大きな建物,市庁舎が見えてくる。緩やかな坂をさらに上った先には,工房都市の中でも見晴らしの良い高台があり,そこはマリオネット「ピーノ」の石像が建つ噴水公園となっている。視点解放マップになっているので,歩くと徐々に迫ってくるその像の迫力は,以前に月見イベントで出現した巨大シナモンクラス。像の足元まで寄ってしまうと,像の頭が見えないくらい大きい。公園は,ちょっとしたイベントが開けそうな明るい広場になっており,食料品や薬品をはじめとする各種商店や復活の戦士(セーブポイント)など,普通の街としての機能も用意されている。

画面上段:大工場の側からも見える高台にある,噴水公園。街の中央にある坂を上ると灰色の巨大ピーノ像が見えてくる。入ると右手に商店が並んでおり,売買やポイントセーブなどが行える
画面下段:ピーノ像の台座には,奇妙なボタンがついている。いかにも「押せ」と言わんばかりのボタンだが……?


■トンカで出会える新しい仲間達──ピーノと茜

 都市全体にマリオネットやさまざまな機械のオブジェが配され,遊園地のアトラクションかオモチャ箱のような工房都市トンカ。先ほど触れた「トンカのマリオネット達の悩みごと」を解決していくと,マリオネット達がお礼として,各マリオネットを作成するのに必要なアイテムをくれることもあるという。トンカに行ったときには,そうした事件や悩みごとのクエストにも,気を配って歩いてみるとよいだろう。また,以前バレンタインイベントなどで語られた「マイマイ遺跡」,トンカの住民達が普通にその存在を語るくせに他国の住人からは実在を信じられていない謎の遺跡などもあるはずなので,今後のアップデートにも期待が持たれるところだ。

 なお説明の順番が前後してしまったが,ここまでの画面に登場しているマリオネット「ピーノ」と,ネコマタ「茜」も,SAGA 5の新要素である。マリオネットシステム発表当初からイラストだけ公開され,各地のダンジョンでそっくりなモンスターと遭遇することの多かったピーノについては,トンカの住民達と話すことで少しずつ判明する。
 レアなドロップアイテム「フシギな木片」をマリオネット工房に持って行くと,マリオネット「ピーノ」を作ってもらえるらしい。また,謎の敵勢力に操られたマリオネストマスターが「マリオネット研究所」で,人間に害をなす「ピボット」を量産しており,エミル君と共にその解決を目指すといった,マリオネット絡みのクエストも,いろいろ用意されているようだ。

 一方,いままでいそうでいなかったツインテールで“ツンデレ”のネコマタ「茜」。能力的には,これまでのネコマタとは少々毛色の変わった支援魔法系になる。敵の攻撃を受けてから回復するという,通常のヒーリングとは異なる形での回復能力を持つことになるようだ。そうした特徴ゆえか,茜には活躍できる場所とあまりできない場所がある。今後は茜に限らず,出かける場所によって,その場の性格と相性の良いネコマタを連れ歩くのが,ECOの新しいプレイスタイルとなりそうだ。
 彼女を手に入れるためのクエストも,もちろん用意されている。一人前の飛空庭職人を目指すマリオネット・ゴーレム「ハレルヤ」と,彼の母親代わりであるマリオネット職人,マイスター・リタを出発点として,プレイヤーは茜と出会うことになる。これまでのネコマタクエスト同様,ほかのネコマタ達を連れて謎解きに挑むと,要所要所で話に加わってくる。また,この事件にはECO世界の有名人達,マーシャ,エミルらも登場。マーシャとティタの,エミルをめぐる恋模様も垣間見られるようなので,このゲームのストーリー要素に興味のあるプレイヤーは必見だ。

画面上段:マリオネット「ピーノ」には,これまでのマリオネット同様,3分間変身可能。タイニーらと同じく視点は低くなるため,人間のときよりも視界がやや狭まるが,試してみると移動は変身前よりも速いようだ
画面下段:背負い魔「茜」は,セリフがツンデレ。普段はツンが多いが,まれにデレなセリフが混ざる。なお彼女はお化けが大嫌い。アンデッド系のモンスターが出るダンジョンなどでは怖がる様子も見られるという


■最上階まで開かれる古代の遺跡──光の塔15階〜最上階

 トンカに続いて,今回のSAGA 5で導入されるもう一つの見どころ,光の塔へと話を移そう。
 光の塔は,前回のアップデートSAGA 4で実装された,西の国モーグから飛空庭で移動できる古代遺跡だ。ファンタジーを基調とするECOの中では特異な,破損した近代的なビルの概観をした遺跡には,「キカイ」のモンスター達が数多く徘徊している。これまでは12階までが公開されてきたが,今回から最上階にも到達できるようになる。

 新たな階への入口は,光の塔でこれまで最上階だった場所,足元からはるか下方が覗ける外階段を上がった先にいる「動けないマーチャント」の横。これまで通行できなかった壁際に,新たな入口が開いている。
 15階以後には重厚なキカイ系新モンスターはもちろん,3種類のクリーチャー系新モンスターも実装され,推奨進入レベルは70以上。塔の上階ということもあって,強力なモンスターが比較的狭い範囲に密集しており,光の塔のここまでの階を制覇したプレイヤーにも挑戦しがいのあるマップとなっている。パーティで訪れるとよいだろう。
 そのマップの中,ひしめき合うモンスター達の間を抜けて室内の階段を上がり続けると,鉄筋や金属柵,鉄板がむき出しの最上階に出る。最上階では端からビルの下が見え,15階外でファイター系とスペルユーザー系専用のレベル70装備を販売している「動けないマーチャント」の姿すら,かなり下方に見えるほど。飛空庭の発着場も遠くに見渡せる。

画面上段:光の塔上層への出発点は,動けないマーチャントのすぐ横。これまでと同様内部では,新たな巨大なキカイ達が待ち構えている
画面下段:最上階全景。壁際に寄ると,はるか下方を眺め下ろせる。低い階層や渡り廊下,飛空庭の発着場も見られるのだ


 最初にお伝えしたとおり,SAGA 5はこの12月8日のアップデートで実装される。年内最後の大型アップデートとなるので,この年末年始はトンカと光の塔を遊び尽くそう。(ライター:美緒)


エミル・クロニクル・オンライン
■開発元:ヘッドロック
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2005/12/09
■価格:1500円(税込)/30日間
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.11/20061127232223detail.html